WOWOW「連続ドラマW いりびと-異邦人-」の完成報告会が11月5日、東京・時事通信ホールにて行われ、 主演の高畑充希をはじめ、共演の風間俊介、SUMIRE、松重豊が登壇した。
原田マハの美術小説「異邦人(いりびと)」を完全映像化した本作は、京都を舞台に美麗なる美術界を描くアートミステリー。希代の美術蒐集家の孫娘にして、透徹の審美眼を持ち美術館の副館長を務める篁菜穂(たかむら なほ)が、無名画家が描いた一枚の絵に魅了され、語られざる京都画壇の深みに踏み込み、その巨魁と対峙する姿を描き出す。
主人公・篁菜穂(たかむら なほ)役にWOWOW初主演となる高畑充希、菜穂の夫・篁一輝役を風間俊介、無名の天才画家・白根樹(たつる)役をSUMIRE、京都画壇で大きな影響力を持つ日本画家・志村照山役を松重豊が演じる。
この日、高畑とSUMIREは京友禅の艶やかな着物姿で登場。高畑は「単純にテンションが上がります」としながら、「自分が着るのもそうですが、SUMIREちゃんが着ているのを見ると、とても新鮮で綺麗で目が幸せ!」とほほ笑んだ。
SUMIREは「劇中では着物を着る機会がなかったんですが、こうやって充希ちゃんと一緒に着ることができて嬉しいです。気持ちが凛とするので、改めて着物っていいなと思います」と嬉しそう。
二人の間に立つ風間は「凛としていらっしゃって本当に綺麗」と絶賛しつつ、「作品を観ていただけたら分かると思いますが、お二人が綺麗なら綺麗なほど、僕の背筋が凍ってきます(笑)。別の意味でドキドキしています(笑)」と劇中での関係を匂わせる。
松重は「僕くらいになると、なかなか満足なサイズがないんです。着物を着る機会はあまりありませんが、人が(着物を)着ているのを見ると、僕も欲しくなりますね」と高身長がゆえの悩みを明かす。
高畑演じる菜穂は、最初は掴みどころがなく難しい役どころだが、高畑は「本当に不思議な人で人間関係がいびつ。それでも1話から最終話までかけて成長していきます。撮影が(順撮りではなく)バラバラだったので、私の脳の中がてんやわんやでした。監督に「わかりませーん」と泣きついて・・・話し合いながら役を作っていきました」と振り返り、苦労を語った。
今作で高畑と風間は夫婦役を演じるが、風間は妻を愛する一方でその才能に嫉妬しながら画廊の存続に奔走し、葛藤するシーンが多い。風間は「その世界には本物にを見抜く力のある人たちがいる。人生の中で、自分はその人たちにはなれないと気づいたときの苦しみを感じる瞬間は多々あると思うので、観る方に一番共感してもらえる役だと思います」と説明。「これまでも僕は“普通力”で闘ってきたので(笑)」と言って場を和ませた。
高畑との共演について風間は「最初は夫婦らしさもありましたが、時に凄く冷たい視線をもらって。今まで和気あいあいとした役で共演する機会が多かったので、“こんなに冷たい目を・・・って思いましたよ」と戸惑いを見せると、高畑も「恐い・・・ってずっと言われていました」と苦笑い。
また、強い信念を持って未来を切り開いていく主人公にちなみ、「これだけはぶれないという信念はあるか?」と聞かれると、高畑は「父の教えで『明日死ぬかもしれないから一食一食を大事にしよう』ということかな。ご飯を妥協しない、毎食大切にしています」と笑顔で答えた。
風間は「頑固にならず、しなやかに倒れないようにということが信念ですね。あとは自分が興味を持ったものはとことん突き詰めていこうと決めてます」と。SUMIREは「私はよく何を考えているかわからない、ミステリアスと言われることが多いのですが、頭の中でしっかり決めている。自分らしさは持っているつもりです」と吐露。
松重は「ぶれないぞ!という信念を持たないぞ!という信念を持っています」と述べ、「僕も毎食、毎食を大切にしたいと思う」と、高畑の考えに同調。コロナ禍での撮影で食事には苦労したそうだが、「毎日王将で食べていました。王将は京都が本店なんですね。京都の王将は餃子がちょっと違って美味しんですよ」とグルメな顔をのぞかせていた。
最後に高畑が「説明が難しいドラマで、監督も『わかりやすくない、これまでとは違った印象に見えてもいいドラマにしたい』と仰っていました。なので、不思議な感覚を持たれるかもしれませんが、京都の美しい景色や、一枚一枚の絵画のように見られる作品だと思います。内容はドロドロしていますが、楽しく観ていただけたら幸いです」とメッセージを送り、会見を終了した。
WOWOW「連続ドラマW いりびと-異邦人-」
<ストーリー>
篁菜穂(高畑充希)は熱心な美術蒐集家で私設美術館まで設立した祖父から受け継いだ美術館の副館長を務めていた。夫・一輝(風間俊介)もまた銀座にある画廊の3代目だったが、どんなに努力しても敵わない慧眼を菜穂は持っており、美術の世界に没頭する妻を愛しながらも時にその才能に嫉妬する。
身重の菜穂は、東京の喧騒を避け京都に長期滞在する中、ある一枚の絵に遭遇する。“青葉”を描いたその作品の作者は、言葉を発することのできない白根樹(SUMIRE)という無名の画家だった。その絵に吸い込まれるように強烈に惹かれた
菜穂は、樹が京都画壇で影響力を持つ日本画家・志村照山(松重豊)によって自由を奪われていることを知り、声なき訴えを確信する。照山もまた、養女であり弟子の樹の才能を脅威に感じていた。樹の絵を追ううちに菜穂は、美の住人たちの欲望が交錯する世界へと誘われてゆき、運命を変えるようなある真実に辿り着く……
原作:原田マハ「異邦人(いりびと)」(PHP文芸文庫刊)
脚本:関久代
音楽:audioforce
監督:萩原健太郎(『サヨナラまでの30分』『東京喰種 トーキョーグール』)
出演:高畑充希 風間俊介 SUMIRE
森口瑤子 松尾貴史 マキタスポーツ 菅原大吉
木場勝己 壮一帆 白羽ゆり 宮田圭子 / 二階堂智 康すおん
梶芽衣子 松重豊
企画プロデュース:武田吉孝 植田春菜
プロデューサー:木幡久美 中山ケイ子 森井敦
制作プロダクション:FCC/スールキートス
制作協力:東映京都撮影所
製作著作:WOWOW
番組特設サイト:https://www.wowow.co.jp/drama/original/iribito/
11月28日(日) 放送・配信スタート(全5話)
【放送】毎週日曜夜10時[第一話無料放送]【WOWOWプライム】
【配信】第1話放送終了後配信スタート[無料トライアル実施中]【WOWOWオンデマンド】
※第2話放送終了後に全話一挙配信