WOWOWが贈る異色のドキュメンタリーで、イタリア映画界の巨匠ロベルト・ロッセリーニを父に、名女優イングリッド・バーグマンを母に持つイザベラ・ロッセリーニが自然界の様々な動物になりきって生殖行為、出産などについて説明する『イザベラ・ロッセリーニの「グリーン・ポルノ」』。本作の日本語吹き替えを女優の藤原紀香が担当することになり、8月25日(火)に都内スタジオでアフレコの模様が公開された。
藤原は黒い衣装にイザベラが実際に撮影で使ったトンボの羽がついた手袋を着用して報道陣の前に登場した。この日までのアフレコ収録では熱演のあまり「気づいたら11時間経っていた」というが、この日も報道陣を前に熱のこもった吹き替えを生で披露! イザベラが着ぐるみ姿でハムスターの出産シーンを再現するシーンなどの吹き替えを行なったが、“クールビューティー”のイメージを覆すような滑稽な声色を響かせるなど、果敢なチャレンジを見せ、ハムスターの母親が多く産み過ぎた我が子を食べてしまうという衝撃のシーンもコミカルに演じた。
「小さい頃から犬や猫、鳥を飼っていて、プライベートでも鞍を着けていない裸馬と泳いだり、ワニや3歳のトラを抱っこしたり、海外に行っても必ず動物園に会いに行く」と語るほどの動物好きの藤原さんだが映像を見て「衝撃的!」とショックを受けたよう。「私は全くと言っていいほど生物のことを知らなかったんだなと感じました。ヒトデは体の一部を切り取って繁殖したり、メスだけやヴァージンのままで生殖したりする種もいる。一番衝撃だったのはカモ! 気に入ったオスにしか正常なルートで子宮に導かないんです」と興奮した面持ちで語った。
「セックス」の仕組みについて描かれているが「見ていただくと全くいやらしくないんです! 生命の営みを描いていて、人間って小っちゃいなと思えます。小学校の教材にしてほしいくらいで、性に向き合えると思います。子供の頃、そういうものから目を背けていましたが、これを見たら堂々と見られると思います!」とアピールしてくれた。
モデルであり女優であり、化粧品メーカーのアイコンを務めるなど、イザベラとは共通点も多いが、その探求心や表現力に藤原は感嘆! 「素晴らしいと思います。イングリッド・バーグマンとロッセリーニ監督の間に生まれたサラブレッドですが、レールを敷かれて穏やかに育ったかと思いきや、早くに自立し、勉強して勉強して、もう一度、大学に行って勉強されて…性や生物学といった難しくなりがちな部分をご自分の言葉で説明されていて、さすが大女優だと思います!」と尊敬のまなざしで語る。
本作は今年の東京国際映画祭にて新設される「パノラマ部門」で上映されることも決定! 藤原はイザベラの来日実現を熱望、吹き替えではなく日本版を演じてみては? という声に「イザベラさんの許可が頂けるならぜひ舞台でやりたい! 着ぐるみを着て各地で伝えたいです」と意欲を見せた。
WOWOWオリジナルドキュメンタリー 国際共同制作プロジェクト『イザベラ・ロッセリーニのグリーン・ポルノ』は11月放送予定。
【作品概要】
幼少期より動物が好きでいつか動物の映画が撮りたかったというイザベラ・ロッセリーニ。動物の生殖行為を演じる短編映画シリーズ「グリーン・ポルノ」を40本も製作し成功を収めた彼女は、友人のアイデアで舞台化を決意する。生物学を舞台で演じたいという想いが彼女を動かしたのだ。大学で動物の生態を学んだ彼女は、女優ゆえに自ら動物を演じることによってそれらの行動を理解したという。それが「グリーン・ポルノ」につながっていく。イザベラは、さまざまな動物の扮装で登場し、生殖行為を説明。クモのオスは自らの生殖器の穴に手を押し付けて精子を集める。そして、自分より体が大きく攻撃的なメスにそっと近づき手をメスの生殖孔に突っ込む。成功すると一目散に逃げるのだという。ヒトデは体を分裂させて個体を増やす。カタツムリは雌雄同体だ。イザベラは、多様な動物の生殖行為の形を紹介しながら、最後には母性や進化にまで話を発展させていく。
イザベラ・ロッセリーニ
イザベラ・ロッセリーニは才能あふれる国際的に著名な人物である。イザベラはこれまでの30年のキャリアで、演技、監督、動物擁護、モデルとして高く評価されてきた。彼女が出演した代表作には「ブルーベルベット」、「フィアレス」、「永遠に美しく…」などがある。最近では、彼女の動物に対する愛情を表現した短編シリーズ「グリーンポルノ」でいくつかの賞に輝いている。イザベラは10年以上もの間、化粧品会社ランコムの顔を務めたことでも知られ、現在は、女優、モデルの両方で活躍している。