WOWOW土曜のオリジナルドラマで、真梨幸子の同名小説を原作に、“ジュンコ”の名を持つ5人の女性を通して、女性の中に潜む嫉妬や悪意を鮮やかに描き出す「連続ドラマW 5人のジュンコ」の完成披露試写会が11月16日(月)に行われた。主演の松雪泰子、共演のミムラ、権野元監督が第1話上映後の舞台挨拶に登壇した。
松雪は「ほとんど女優だけでつづるサスペンスというのは珍しく、こんなに女優さんとだけお芝居する作品というのも初めて。監督の下、女優陣は楽しく撮影に臨みました」と笑顔で振り返る。
連続不審死事件の真相を探るジャーナリストの田辺絢子を演じ、他の4人の“ジュンコ”全員との芝居があるが「一見、私の役は普通の人ですが、実はいろんなものが潜んでいて…」と思わせぶりに語るが、役柄への共感を尋ねると「ありません!」と即答。脚本を読んでの印象については「女って怖いなというのが一番ですね。女性ならではの業(ごう)、情念、嫉妬や悪意――もしかしたら男性には理解しにくい感情が表現されているストーリーだと感じました」と語った。
ミムラは事件の容疑者の佐竹純子(小池栄子)の同級生である篠田淳子を演じたが、脚本を読んで「女性が環境に順応していくことの面白さと怖さを感じました」と語る。元々、ミムラはWOWOWのドラマが好きだそうで「どちらかというと、男性が、置かれた状況で自分であろうとして爪を立てるような作品の印象が強いですが、この作品は、“変容”を重ねた5体のジュンコが、それぞれ自分は正しいと思ってぶつかっていくところが楽しい」とその魅力を語る。
権野監督は女性ばかりの現場について「最初はどうなることやらと思ってました。女子高みたいになるのか? と思ってたら、女優さんはみなさん男っぽくて、さばさばしていて、胸を借りてぶつかり稽古させてもらっているようでした」と明かした。
ちなみに、松雪とミムラは、ミムラの女優デビュー作である連続ドラマ「ビギナー」(2003年/フジテレビ系列)で共演して以来、実に12年ぶりの共演! 松雪は「その当時から、ミムラちゃんは独自の発想、表現に対してのロジックを常に持っていて、当時も楽しいと感じましたが、すごく進化して、ステキになっていて、一緒にやっていて怖かったです!」と久々の共演の感想を口にする。
ミムラは、デビュー前から松雪の名を「好きな女優」に挙げていたと明かし「(デビュー作で)ものすごい痴態をさらしまして(苦笑)、申し訳ない、お世話になったという気持ちでした。あの時、共演したみなさんと、もう一度、どこかでという思いをモチベーションに12年やってきたので、こうしてガッツリと対面して2人で芝居ができて楽しかったです!」と充実した表情を見せた。
また、松雪は5人のジュンコのひとりで主婦の福留順子を演じた西田尚美とも「10代のころのモデル時代以来」の共演だったと明かし「休憩時間にはお互いの子育ての話などで盛り上がっていました」と楽しそうに語っていた。
松雪はさらに小池栄子、麻生祐未との共演に関しても言及。「小池さんはすごくパワフルな方で、(撮影を)楽しみにしていました。短いシーンでしかご一緒できなかったんですが、集中して、楽しんで臨むことができました」と述懐する。守川詢子を演じた麻生とも、直接のセリフのやり取りは決して多くはなかったが「私にとっては大先輩です。1シーンだけなのに圧倒されてしまいました! すごかったです」と語った。それぞれの共演シーンに関しては、様々なエピソードがあるようだが、ストーリー展開にも深く関わるため「あまり多くは言えないんですが(笑)」と言葉を濁しつつ「みなさん、個性的な方ばかりで、純粋に楽しんでやっていました」と充実した表情を見せていた。
最後に改めて松雪は本作について「ひと言で見どころを言いがたい作品で全ての瞬間を見てほしいです。必ず、最後まで飽きずに楽しんでもらえると思います!」と力強く呼びかけ、会場は大きな拍手に包まれた。
WOWOW土曜オリジナルドラマ「連続ドラマW 5人のジュンコ」は11月21日(土)よりスタート(毎週土曜夜10:00/全5話<第1話無料放送>)。