WOWOW「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」の完成報告会が、5月30日、東京・国際フォーラムにて行われ、主演の小泉孝太郎をはじめ、共演の泉里香、薮宏太（Hey！Say！JUMP）、陣内孝則と、内片輝監督が登壇した。
本作は、松本清張のベストセラー小説「眼の壁」を、没後30年記念としてWOWOWが連続ドラマ化。1958年に大庭秀雄監督によって映画化された原作の舞台を1990年代に移し映像化。 手形詐欺に遭った上司の汚名をそそぐため、部下の主人公が新聞記者の友人の協力を得て巨悪に立ち向かう姿を鬼気迫る展開で描き出す、疑念渦巻くスリリングなサスペンス。
主人公のウキシマ電業製作所経理課長 萩崎竜雄役を小泉孝太郎、 物語の鍵を握る妖艶な女性・上崎絵津子役を泉里香、萩崎の高校時代の同級生で新聞記者の村木満吉役を上地雄輔が演じ、薮宏太、 甲本雅裕、 加藤雅也、 陣内孝則ら豪華俳優陣が集結。 脚本はこれまで数々の松本清張作品を手掛けてきた深沢正樹が担当し、監督は「シグナル 長期未解決事件捜査班」や「連続ドラマW 殺人分析班」シリーズなどの内片輝が務める。
ドラマ「死の臓器」以来、WOWOWドラマで約7年ぶりに主演を務める小泉は「まず台本を読んで”苦しいな萩崎”と思いましたが、やりがいのある作品をいただいて、本当に嬉しかったですし、光栄に思いました」と出演を喜びながらも、「（物語に出てくる人物で）まともなのは萩崎だけ。誰を信用したらいいのか、何を信じて進んでいけばいいのか、あの苦しさっていうのはなかなかない。撮影初日から作品の世界観に入って覚悟を決めました。役者としてのやりがいはあるけど、苦しい作品になるぞと。でもその分、今もの凄く達成感、満足感に包まれています」と晴々とした笑顔を見せた。
個性的なキャラクターが揃っているが、中でも陳内の存在は強烈だったようで、「陣内さんなんて怖すぎますからね。普段は本当に優しいんですが、思い出すと今も目を向けられないくらい･･･」と小泉。
そんな陣内は小泉と初めて会った時のことを思い出し、「その時にちょうど小泉くん一緒にムロツヨシくんがいたけど誰だかわからなかった。その後、彼はどんどん売れちゃって。先日NHKの喫煙室にいたら、彼が気づいて駆け寄ってきて『お久しぶりです！ムロです』って挨拶してきてくれて、凄く腰が低くてびっくりしたんです。マネージャーも『やっぱり売れる人って腰が低いんですね』と。なので、今日から僕は腰の低い俳優キャンペーンを実施しました！」と宣言。
撮影を振り返り「中華料理を食べるシーンでは、僕は上品に食べようと思っていたんですが、監督が『もっと下品に！もっと！』と仰ってくるから･･･。子役の方を虐待する場面もあるんですが、僕は弱い者いじめとか暴力が大嫌いなんです。子役の方には『お家に帰ったら、陣内さんは凄く優しい人だったと言ってくださいね』と言いました」と話し、笑いを誘う。監督も「ほら、陣内さんは黙っていてもいい人オーラが出ているじゃないですか。だからオーバーにお願いしたんですよ(笑)」と乗っかり、会場を盛り上げる一幕も。
それぞれが難しい役がらに挑戦しているが、泉は「ミステリアスで謎に包まれた女性。凄く強くて覚悟を持って生きていく、絵津子らしさが出るように演じました。ホステスの所作は女性として美しく見せることを学ばせてもらいました」と述べる。
一方、手形詐欺を仕掛ける詐欺師を演じた薮は、周りから「ウソをつけないタイプ。ウソがすぐにバレちゃうタイプ」と言われるほど役とはほど遠い人柄だが、「役が発表されてからSNSなどでエゴサーチしたんです。そうしたら『あの薮ちゃんに詐欺師なんでできるわけないじゃん』と書かれていて。なにくそ！って、ちょっと頑張らないと！と思いました。（詐欺師として）慣れているようで、本当にやりたいと思っているのか･･･というところが表現できていれば」と真摯に役と向き合った様子。それでも「普段では経験できないので、人を騙すのは楽しいなと思ってしまいました(笑)」といたずらな笑顔を見せていた。
監督も「詐欺師であって人を騙しているんだけれど、若干醸し出される優しさみたいなものは何なのか。そこに引っかかって観ていただけると腑に落ちる部分があると思います」と薮の役がらに関するヒントも明かしていた。
ここで、残念ながら出席できなかった、萩崎の親友で新聞記者・村木役を演じた上地雄輔からビデオメッセージが届いた。上地が「孝太郎とは3歳からの付き合いになりますが、共演者の中で一番仲のいい役をやらせていただいて嬉しかったです。この作品には温かい現場の思いが詰まっていると思います」と伝えると、小泉は「雄輔は親友であり家族のような特別な存在。実は仲がいいからこそ、そこに甘えがでるのではないかと不安にもなったのですが、正直、雄輔に救われました。『本当にありがとう』といってご飯をおごりました(笑)」と、上地の存在に感謝。
また、ドラマの内容にちなみ「今、もっとも迫りたい真相はあるか？」と問われると、陣内は「ギャラの誤送金とかはないですか？ 最近ギャラがうなぎさがりになってきていますので、おかしいなと思って･･･」とジョークを飛ばすと、薮は「うちのお風呂なんですが、『もうすぐお風呂が沸きます』というチャイムが流れたあと、10秒後くらいに『お風呂が沸きました』と鳴るんです。10秒じゃタオルや下着をセットするのは無理。もう少しチャイムを遅らせて欲しい。なんでそんなタイミングなんだろうと思って」と話し、会場を和ませていた。
■ストーリー
１９９０年、資⾦繰りに苦しむウキシマ電業製作所の経理課⻑・萩崎⻯雄（小泉孝太郎）は、部⻑の関野(甲本雅裕)と共に融資交渉に奔⾛していた。しかし資⾦の目途が⽴った⽮先、関野が2億円の手形詐欺に遭ってしまい、手形を奪われた関野も姿を消してしまう。経営陣は体面をつくろうため、事件を隠蔽することを決めるが、萩崎は父の恩人でもある関野のために新聞記者の友人・村木(上地雄輔)の⼒を借りて真相追求に乗り出す。しかし、調べれば調べるほど、事件の闇は深まって⾏く。背後にうごめく、権⼒者や組織の影。そして萩崎は、事件の鍵を握るとみられる謎めいた美⼥・上崎絵津子(泉⾥⾹)に辿り着く。
■タイトル：「連続ドラマW 松本清張 眼の壁」
■放送・配信日時：6月19日(日)午後10:00放送・配信スタート（全5話）
【放送】毎週日曜 午後10:00［第1話無料放送］【WOWOWプライム】/ 【WOWOW ４K】
【配信】各月の初回放送終了後、同月放送分を一挙配信【WOWOWオンデマ ンド】[無料トライアル実施中]
＜スタッフ・キャスト＞
原作：松本清張『眼の壁』（新潮文庫刊）
監督：内片輝（「連続ドラマＷ 殺人分析班」シリーズ、「連続ドラマW 孤高のメス」他）
脚本：深沢正樹(「警視庁捜査⼀課⻑」シリーズ他)
音楽：諸橋邦行
出演：小泉孝太郎 泉里香 上地雄輔 薮宏太
山崎銀之丞 忍成修吾 中島ひろ子 飯田基祐 甲本雅裕 金田明夫 加藤雅也 陣内孝則
チーフプロデューサー：⻘⽊泰憲
プロデューサー：井口正俊 的場政行
企画協力：ナック 菊地実
製作：WOWOW ファインエンターテイメント
【番組特設サイト】 https://www.wowow.co.jp/drama/original/menokabe/
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