土曜ドラマ
『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』
放送1か月前 最新情報を解禁!
いよいよ放送まで約1か月に迫った、土曜ドラマ「デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士」。
本日よりドラマのキービジュアルと予告ティザー映像が公開された。デザインは近年、ドラマから映画まで数々の話題作のビジュアルデザインを担当している石井勇一。「デフ・ヴォイス」のキービジュアルでは、画像加工をしない実験的な撮影方法により、ハンドサインで型どった色彩の光をその場で撮影するポートレート写真に多重露光することで、くっきり見える部分と見えない部分をつくり「聞こえる・聞こえない」というドラマのテーマを視覚的に表現した1枚となっている。
また、ティザー映像では、所在なげに部屋をさまよう主人公・荒井尚人(草彅剛)をはじめ、橋本愛、松本若菜、遠藤憲一、さらには印象的な演技を披露する、ろう者俳優たちの姿も映し出され、いち早くドラマの世界観を知ることのできる内容となっている。
20名近い(エキストラも含めると30名以上)、ろう者・難聴者・コーダの役を実際の当事者が演じていることが大きな特徴でもある本作。撮影に手話監修・手話指導として関わった木村晴美・米内山陽子・江副悟史、そして制作統括の坂部プロデューサーからのコメントをお届けする。
さらに今回は、出演した当事者の全員から撮影に参加した感想も到着。こちらはドラマ情報ページにて公開中。
【出演者コメント一覧】(NHKドラマホームページ内 ドラマ情報ページ)
https://www.nhk.jp/g/blog/9p7qbe71omd/
【デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士 番組ホームページ】
https://www.nhk.jp/p/ts/D6P3JWP8J7/
【キービジュアルデザイン/石井勇一さん コメント】
ビジュアルは、写真家の濱田祐史さんを起用し実験的な多重露光撮影を現場でトライいたしました。偶発的に重ねた色彩溢れる光の形状は“家族”を意味するハンドサインの断片で構成されており、本作の作品性に合わせたあらゆる世界における見えるもの・見えないものや無常感などを視覚的に体現したものになります。
【手話・ろう者監修/木村晴美さん コメント】
デフ・ヴォイスは、コーダが主役の物語ですが、オーディションで選ばれたろうの俳優さん達の演技も見逃せません!草彅さん演じる尚人さんと絡むシーン等で、名もなきろう俳優さん達が存在感を示しています。名もなき俳優と書きましたが、ろうコミュニティの中では有名な俳優さん達です。渡辺監督がオーディションで楽しそうにしていたのが印象的でした。どんなふうに展開されるのか、手話の入ったカメラアングルはどうなっているのか、ぜひ、最後までお楽しみください。
【コーダ考証・手話指導/米内山陽子さん コメント】
ろう者の役は、ろう者の俳優に演じて欲しい──。
私たちの長年の悲願が叶いました。
丸山さんの素晴らしい原作と、高橋さんの繊細な脚本、渡辺監督の温かなまなざしのもと、
老若男女、さまざまなろう者がこの作品に集い、魅力的なお芝居をしています。
カメラの前で繰り広げられる彼らの演技に心が震えました。
それを受け止める草彅さんをはじめとする聴者キャストの懐の大きなお芝居に胸があつくなりました。
手話監修の木村さんの的確さ、バディのように共に手話指導に挑んだ江副さんの頼もしさ、現場に手話通訳に入ったはせさん、小松さん、井本さんの仕事ぶりに助けられました。
私たちはそれぞれ違う人間で、それは当然尊重されるべきことです。
けれど同じ部分が間違いなくある。
悲しむこと、喜ぶこと、心を寄せること。
この作品をきっかけに、世界がもっと色を増していきますように。
【手話指導/江副悟史さん コメント】
手話界で大きな話題になった「デフ・ヴォイス」がドラマ化され、さらに手話指導としてオファーが来たときはとても驚き、ともに嬉しくなりました。
またろう者役を当事者に演じてほしいということは、喜びとともに不安も大きかったです。ろう俳優のほとんどが舞台経験者が多く、映画やドラマで演じたことが少なかったからです。
プロデューサーを始め、渡辺監督、スタッフの方々にお願いして、ろう俳優対象に「模擬撮影現場」というのを丸1日開催し、リアルな撮影現場を体験してもらいました。また私の方から撮影現場での行動、心構えなども色々と話した上で撮影に入りました。そのおかげでろう俳優もやりやすい環境で撮影に臨めたかなと思います。
ろう俳優の手話も十人十色で、個性的な手話表現も多く、手話指導としても、とても楽しかったです。それぞれ手話の「色」を尊重し、尚人役の草彅さんも、ろう俳優の役柄に合わせて手話表現を変えていかないといけないので、自然な会話に見えるように調整しながら指導してきました。当初は大変だったと思いますが、撮影現場でろう俳優と絡んでいくうちに慣れてきて、きちんと使いこなせるようになりました。
手話指導するときは、自分の指導方法を形にはめて教えるのではなく、草彅さんの覚えやすいやり方で、色々と試行錯誤しながらやってきました。草彅さんに「ダンスの振り付けみたいだな」と言っていただいたのをきっかけに、手話の文法が壊れてしまわないよう、文脈に合わせて丁寧に指導しました。そこから草彅さんも覚えやすくなってそのまま最後まで走ってくれました。
出演者のほかに裏方のスタッフさんとも私の方から積極的に交流して、ロケバスの運転手さんまで凄く仲良くなって(笑)ご飯も行ったり、通訳なしで2人で色んな会話をしたり、とても楽しい現場でした。
「デフ・ヴォイス」をぜひ多くの方々に見てもらいたいと思います。
本作では、ドラマでも描かれるろう者・難聴者の方々をはじめ、たくさんの人に番組を楽しんでもらえるよう、字幕や手話をつけた放送を予定している。
◆総合、NHK BS プレミアム4K
→全てのセリフに字幕をつけて放送
リモコンなどで「字幕」表記の選択をする必要はなく、通常放送として音声日本語(しゃべりゼリフ)と手話に字幕をつけております。
【放送(総合・BSプレミアム4K)】前編:12/16(土)よる10:00、後編:12/23(土)よる10:00
◆Eテレ
→手話をつけて放送
すべてのセリフに対して、「手話」を画面上に表示します。
【放送】前編:2/4(日)午後3:45、後編:2/11(日・祝)午後3:45
あらゆる人に楽しんでもらえる作品になることを願っています。放送を楽しみにお待ちください。
また、12月13日(水)よる8:00より放送の「ハートネットTV」(Eテレ) では、ドラマ撮影のメイキングや
草彅剛さん、橋本愛さんインタビューなど、デフ・ヴォイスの舞台裏に迫った番組も放送予定。
さらに、手話をつけてのドラマ放送と同日の2024年2月4日(日)午後2:45からは1時間の特集番組(Eテレ)で放送予定。ぜひこちらもあわせて御覧ください。
【ドラマあらすじ】
仕事と結婚に失敗した荒井尚人。家族や恋人に心を開けないでいるのだが、生活のため唯一の技能を活かして就職活動をはじめる。その技能とは“手話”。彼は耳が聞こえない両親をもつコーダ(Children of Deaf Adults)だったのだ。そして彼は手話通訳士として働くことに。
やがて仕事にも慣れ、新たな生活を送りはじめた尚人のもとに届いた依頼は法廷でのろう者の通訳。この仕事をきっかけに、尚人は自身が関わった過去のある事件と対峙することに。現在と過去、二つの事件の謎が複雑に絡みはじめる…
【制作統括/坂部康二 コメント】
聞こえるひと、聞こえにくいひと、聞こえないひと。たくさんのひとにドラマを楽しんでいただきたいと考えました。総合とBSプレミアム4Kでは、「字幕」ボタンを押すことなく、“同じ”番組を一緒に楽しんでいただけます。またEテレでの放送では、ドラマに手話翻訳をつけて放送します。多様なひとを描くドラマだからこそ、多様なひとに楽しんでいただけるようにしたいと考えました。これによって、「エンターテインメント」としてこのドラマが持つ力が広く伝わったらうれしいです。普段、福祉番組を作っているチームによる、舞台裏を描いたドキュメンタリーも、ぜひご覧ください。
ドラマ 『デフ・ヴォイス 法廷の手話通訳士』
【 放送予定】2023年冬<前・後編> (総合・BS4K)
【原作】丸山正樹
【脚本】高橋美幸
【音楽】原 摩利彦
【手話・ろう者監修】木村晴美
【手話指導】江副悟史 米内山 陽子
【ろう者俳優・手話通訳コーディネイト】廣川麻子
【主演】草彅 剛 橋本愛 松本若菜 遠藤憲一 ほか
【演出】渡辺一貴
【制作統括】伊藤 学(KADOKAWA) 坂部康二(NHKエンタープライズ) 勝田夏子(NHK)