放送開始目前!
長谷川平蔵役 堀内賢雄、平蔵の息子・辰蔵役 浪川大輔
宮繁之(監督/キャラクターデザイン)、丸山正雄(プロデューサー)登場!
完成報告会
累計発行部数2700万部を誇る池波正太郎の超人気シリーズ「鬼平犯科帳」(文藝春秋刊)初のアニメ化作品「鬼平」が1月9日(月・祝)よりテレビ東京他にて放送開始となることを記念し、12月26日(月)に完成報告会を行った。
「鬼平犯科帳」は、江戸を舞台に「火付盗賊改方」(ひつけとうぞくあらためかた)という現代の特別警察ともいえる役職についた長谷川平蔵が悪党たちを裁いていく姿を描いた超人気時代小説で、1967年、文藝春秋「オール讀物」に第一作目を発表して以降1990年まで全135作(+番外編1作)を発表。これまでに漫画、実写ドラマ、映画、舞台とさまざまな形で発表されてきた。そんな「鬼平犯科帳」が、2017年に誕生50周年を迎えるのを機に、本格時代劇アニメ「鬼平」(全13話放送)として生まれ変わる!
主人公・平蔵の声を堀内賢雄、平蔵を慕う女密偵・おまさに朴璐美、平蔵の息子・辰蔵に浪川大輔と、実力派声優たちが勢揃いすることでも話題になっている!
12月26日、試写つきの完成報告会を行い、第二話「本所・桜屋敷」の試写上映後、主人公・長谷川平蔵役の堀内賢雄、その息子・辰蔵役の浪川大輔、監督・キャラクターデザインの宮繁之、プロデューサーの丸山正雄が登場し、放送目前の今の心境、アニメ化への思いや制作秘話、役作りについてなどたっぷりと語ってくれた。
Q,鬼平が放送開始となりますね、今のお気持ちをお教えください。
堀内:今、第2話を拝見しましたが、感動で打ちふるえています。キャラクターが動いてる!素敵な音楽や素敵なセリフもある!これが僕がスクリーンで観た正直な印象です。これが放送されるってことでぼくにとってすごい嬉しい瞬間でした。ありがとうございます。
浪川:賢雄さんと今観たばっかりなので同じような感情ですが、これが毎週観られると思うと非常に楽しみですし、元々原作から素晴らしいお話がたくさんありますので、それがどう表現されていくか、より楽しみになりました。
宮:放送を前にして緊張しかないですね。実写ファンの方、原作ファンの方が大勢いらっしゃいますから、その方達を裏切らないよう一生懸命作ってきたつもりですが、ちゃんと受け入れていただけるかっていう所です。僕らもビビっていてもしょうがないので、アニメとしてこのような、あの作りはどうでしょうかと、楽しんでいただける事を願っております。
丸山:非常にプレッシャーに今やうちひしがれて、帰りたいなーと思っております(笑)。大変な原作なので、アニメにしていいかっていうとこから始まりましたが、アニメーションでどこまでやれるか、せっかくチャンスをいただいましたので、頑張っております。原作関係者やファンにダメと言われないものを、なおかつアニメーションとして面白いものを、アニメファンも巻き込んで1つの世界を作れるか•••正直まだ試行錯誤の途中であります。今観ていましたが、だんだん良くなっているんじゃないかなと思っております。今は決してアニメが良い状況ではなく、色んな意味でしんどい状況ですが、それを超えて魅力がある作品にできないかと。誰が観ても賛否両論で、僕も75歳で、(リアルタイムで)原作で育った世代ですので、このままにしておきたい部分とちょっとチャレンジしたい部分と両方抱え込んで毎日作っております。本当は役者さんにも色付いた、一番良い形でアフレコをやりたいですが、やはりオンエアに合わせて作っていくしかない。我々としてはリテイクを重ねたいっていうのは正直言うと際限なくあるんですよ。たぶん、1年後も2年後もそんな事を言っていると思います。ある程度切れ目のあるところ、今できる最大限のことを頑張ってやっていきたいと思っております。
Q,堀内さん、浪川さんは今ご覧になられたんですよね?如何でしたか?
堀内:泣けました。正直言いますと、この鬼平という作品をやらせていただく時に世の中的にも注目を浴びているんですが、役者仲間がとくにもかくにも「鬼平」に出たいというファンがいまして、特に鬼平の役をやりたい人がいっぱいいるんですよ。その中で選んでいただいて、今日この2話の完成作品を拝見して嬉しかったのが、これまで、自分のセリフにどれだけ説得力を持てるのかとやってきたものが、少し「出てる、出てる」と自分なりに満足できたことです。それは非常に嬉しいことでした。
浪川:結果、日本の普遍的なテーマが見え隠れしていますよね。実際観て思ったのが、集中して観たいアニメだという印象を受けました。そこにこういう考え方もあるんだなと忘れていた何かを思い出させてくれるようなテーマが、この1クールに散りばめられていくと思います。今日の第2話には、僕の役(の辰蔵)はいなかったんですが、出てきた時どうなるのかなと。ちょっと異質な感じはあると思うんですけど。第2話には出てないのに結構怒られてましたけど(笑)そこを楽しみに待ちたいと思います。
Q,2人は度々共演していますが、今回は親子役でしたね。
堀内:おいおい辰蔵は、鬼平もそうですけど、若い時に放蕩の限りを尽くして、それが大人になって妙な説得力が出てきて、それが人生、みたいのがあります。普段から仲良しで違う作品でも親子役をやった時もありましたが、日常もそうでしたし、飲みに行ってもそうですし、年齢の差はありますが、役者として、人生は2人の中でこうあるべきだ、みたいなものは話していると思うので、そのあたりが作品の中に彩りとして出てくれば2人でいい親子関係が築けるんじゃないかなと思っています。
浪川:本当にいつも仲良くさせていただいて、いつもご飯行くと奢ってくれるんです。僕もそういう先輩になりたいなと思っています。一度だけ、お寿司屋さんで賢雄さんが酔った時に僕が払ったことはこの場を借りて伝えたいと•••。
(賢雄さん突っ込む「伝えなくていいよ!(笑)」)
Q、時代劇アニメは現代劇より難しいところが多いと聞きましたがどんなところが大変でしたか?
丸山:もうすべてが大変ですね、歩き方1つ、今までぼくらがやってるアニメでは難しい、僕は50年アニメを作っていますが、時代劇は10本くらいですかね。圧倒的に少ないです。従ってそういう事やれるスタッフがいない。歩き方のほかにも、魚の頭の位置が右か左向きか、着物の柄はどうか、などを描ける人がいない中で、どうやって表現していくかは大変な挑戦なわけです。挑戦が好きなもんですから、ついつい、やりたいやりたいって言ってみんなを巻き込んで可哀想な思いさせて、申し訳ないです(笑)原作に対するリスペクト、あの小説をそのままやるのは難しいし、(テレビの)尺に納めなきゃいけないし、20分の中にどれだけのことができるか、アニメの表現でどこまでやれるか。実写は実写の表現で、原作は原作の言語なんですよね。アニメの世界でどこまでやれるか、これは挑戦だと思って楽しんでいます。ものすごく大変です。
Q、鬼平と言えば、グルメとしても知られていますよね?今回もおいしい食事は出てきますか?
宮:食事に関してはできる限りの時代考証を行い、美味しそうだと思ってもらえるものを表現しようと、そんな感じでやってます。お腹がすいたらご飯を食べて、また明日からも頑張ろう、ってところは現代にも通じると思っています。お腹が空いたら食べたいし、難しい話をする時にもご飯を、というのは僕らも同じですし、生命の根源ですよね。気取らずに丁寧に作っているつもりです。
丸山:この原作をする時にロケハン、江戸時代から続いている食べ物屋に行って色々調べましたが、絶対美味しく描け、と原作から言われているんですが(笑)アニメーションで本当に美味しく見えるように描きたいですが、難しいことなので、あまり見せるなよと。湯気でごまかすとか•••むしろ嬉しい食事なのか、悲しい食事なのか、雰囲気などその時の状況を整理しながら描いていくべきで。さあこのカットで美味しい鍋ですよ!というのをアニメで表現するのは、実写よりも難しい。いかにも不味そうなのはやめようね、という約束はしています。原作がいいだけに困っちゃう。食事のこともそうですが、着物の柄をどうするとか、お料理を出す時の魚の頭の向きとか、ちゃんと勉強しなさいと怒られていて、そういうことから始めていかなくちゃいけない。そういうことをきっちりやっていかなくちゃいけないなと思っています。今も勉強しています。もしなにかあれば指摘して下さい。よろしくお願いします(笑)
(マスコミからの質問)
Q、堀内さん、この作品にあたって、声を出す時に心がけたことは?
堀内:色々なしゃべり方は、ちょくちょくやってきた事ですが、落語の匂いを使ったらより一層良くなるんじゃないかっていうことは監督にお話しました。基本的には細かい部分は先ほど丸山プロデューサーがおっしゃったように、美味しいものは美味しく、と。そういうシチュエーションが出せるようなしゃべり方をしていると思っています。伝えたいものは気持ちの面なんかに重点を当てていると思います。
Q、(堀内さん、浪川さんに)フジテレビのドラマ版が終わって、アニメが始めるということで、プレッシャーかけるわけではないが•••(2人が「もうすでにかかっているよ!」と突っ込む)周りからの期待や灯を消さないように、など何か意気込みがありましたら教えていただけますか?
堀内:この作品を関わる方はたくさんプレッシャーはあると思いますが、アニメーションは1人で作っている訳ではなく、音楽も脚本も全てのものが1つになって作っていくものですよね。妙に私が鬼平(役)で引っ張っていきます、みたいのが出なければ、僕はいくらでも家で練習してきますから、それが伝わらなければ何回でも挑戦して、自分なりの鬼平ができると思います。逆にいろんな人にこの作品、鬼平はこうであるべきと言われても、僕はそれをマネできないし、僕の中の鬼平や与えられたセリフが、後ろで監督たちに伝わっているかどうかっていうのが。それで伝わってますよ!!って言われたら、僕にとっての鬼平は成立していると思います。たくさんの人に言われるんですよ、「鬼平」の(アニメをやる)ことを知らない人と飲んでるときが結構楽なんですけど(笑)知っている人と飲むと、どうなの?って聞かれる。鬼平よりも辰蔵のことを聞いてくれ!っていつも言っているんですけどね。どうですか?辰蔵?
浪川:やっぱり「鬼平」という作品は昔から長く続いているから伝わる物もあると思いますし、築き上げてきたものもあると思うですけど。アニメは今回が初めてで、アニメの良さってありますよね。僕は賢雄さんほど鬼平というまさにタイトルのプレッシャーはないですけど、この長く続いた良いと言われる作品をどう多くの人に知ってもらおうかな、本当に観てもらいたいな、っていう思いの方が強いです。小説から入った人もいれば、ドラマから入ってきた人もいる。今回アニメを観て、さらに応援いただけると、元々の応援してくれている方と新しい方たちが違う力となって、盛り上がっていけば良いなと。そんなことを意識していきたいです。僕の辰蔵という役を通して、ちょっとこの役なんだろうっていう、匂いが出れば良いなと思って演じています。鬼平を一層盛り上げて、宣伝してほしいなと。僕は軽い人なのでプレッシャーはあまり感じないんですけど、よろしくお願いします!
Q、最後にご挨拶をお願いします。
丸山:実は今ギロチンの上に立っているようです(笑)これはダメだと言われると、クビがキュンといくわけで、悪いところも気になる所もあると思いますが、大掴みしてこういうのいいんじゃない?ていうのを見つけてもらえれば調子に乗って頑張れると思います。その点、情状酌量の余地と言いますか•••よろしくお願いします。頑張ります!
宮:鬼平は、僕らが何かをしたからといって壊れる物ではないですし、僕らもプロフェショナルとしてこの作品を発表していて、そして生まれて残っていく物は残っていくだろう、と思います。この瞬間瞬間を一生懸命やらせてもらってるということに尽きます。ただ、原作をどうにかしてやろうとか、裏切ってやろうとかっていうのは全くありません。1人でも楽しんでくれる方がいたらいいなと。その1人が多ければ良いなと。時代劇や実写を観る機会はないけどアニメは観るという方が、このアニメを通して鬼平を知って、今上手くいってない人たちやどうしようと迷っている若者なんかが、ふと疲れてめんどくさいな、眠れないな、と思った時にテレビつけたら放送していた、みたいなこととか。親や友達に言われるとイヤだなと思うけど、アニメに言われる分にはいいかと。そんな感じで誰かの背中をちょっとでも押すことができたらすこぶる嬉しいです。
浪川:何十年後かに僕は鬼平をアニメから入った、っていう人が現れてくれるように、僕も精一杯がんばっていきたいなと思います。もうひとつ注目してほしいポイントは、こんなにベテランの方(声優)も若手の方もすごい•••お金かかってますよね?(笑)本当に素晴らしい役者さんたちと共演できるっていうのも楽しみです。ぜひ最後まで見続けてほしいです。今日は本当にありがとうございました!
堀内:本当にこの作品を素晴らしいと言ってもらえるのが希望ですが、僕に与えられた使命は、みなさんから愛されている長谷川平蔵という役の彼が言う、気張らずに普通の人生を感じさせる説得力のあるセリフを、僕がいかにナチュラルに長谷川平蔵の心の中を表現できるか、ということ。そこを目指して頑張っていきたいと思っております。みなさんひとつ応援よろしくお願い致します。
【概要】
累計発行部数2700万部を誇る池波正太郎の超人気時代小説シリーズ「鬼平犯科帳」(文藝春秋刊)が、2017年に発刊50周年を迎えることを記念してアニメ化が決定。江戸を舞台に、「火付盗賊改方」(ひつけとうぞくあらためかた)という、現代の特別警察ともいえる、罪人を取り締まる役職についた長谷川平蔵が悪党たちを裁いていく姿が描かれ、1967年、文藝春秋「オール讀物」に第一作目を発表して以降1990年まで連載し、全135作(+番外編1作)を発表してきました。これまでに漫画、実写ドラマ、映画、舞台とさまざまな形で発表されてきた超人気シリーズが、ついに待望の本格時代劇アニメとして誕生します!アニメならではのクールな色気と力強さを持ち合わせた、新たな “鬼平”が、悪を裁く!
【第二話「本所・桜屋敷」あらすじ】
平蔵は、懐かしの土地・本所にある服部角之助宅で度々騒ぎが起きていることを知る。早速偵察に出向くと、かつて共に剣術を学んだ岸井左馬之助と会い、荒れていた若い頃の仲間、彦十とも再会。彦十から、悪御家人・角之助が湯島横町の呉服屋「近江屋」への盗みを企んでいると聞いた平蔵は、すぐに屋敷を取り囲み一味を捕える。すると、そこに平蔵と左馬之助の初恋の人「おふさ」の姿があった。
公式サイト:http://onihei-anime.com/
2017年1月9日(月・祝)テレビ東京他、
1月15日(日)時代劇専門チャンネルにて放送開始!