中村里帆インタビュー「高嶺のハナさん２」笑いを求めて一緒に走っている感じがすごく楽しかった「推しが武道館いってくれたら死ぬ」温かいグループだというのが、画面からも伝わるといいな

in INTERVIEW, Interview(TV), TV · 2022/11/03

10 月から放送開始となった 2 本のドラマ、「高嶺のハナさん２」と「推しが武道館いってくれたら死ぬ」にレギュラー出演中の中村里帆さんが Astage に登場！
2023 年度前期の NHK 連続テレビ小説「らんまん」にも出演が決定している中村里帆さんが、役作りへの思いや、撮影時のエピソードを語ってくれました。

―2本のドラマが 10 月から放送が始まりました。撮影は？
同じタイミングで撮影が始まって終わりました！

―2 本平行して撮影でしたか！２つの役を同時に演じるのは肉体的にもですが、精神的にも大変ではありませんか？
今回は「推しが武道館いってくれたら死ぬ」（以下「推し武道」）の五十嵐れお役はアイドルで、「高嶺のハナさん 2」（以下「ハナさん 2」）の淀屋橋うめ役はコテコテの関西人キャラと、はっきりキャラが違ったので、現場に行くとスムーズに切り替えができました。

―関西弁の台詞はいかがでしたか？ご出身の高知は関西弁とは少し違いますよね？
高知弁は関西弁に近いのですが、ところどころイントネーションが違っているので修正してもらいながら頑張りました。初日にある一言のイントネーションがなかなか上手く言えなくて、30 回ぐらいやりましたけど（笑）。少しイントネーションが違うだけでも、関西の方は気になってしまうそうで、とても厳しかったです。

―私も関西人なのでイントネーションに厳しいというのは、よくわかります。それを乗り越えられたのですね？
乗り越えました！最終的には、大阪出身の方から 120 点を頂きました！

―それは関西の方にも是非見てほしいですね。淀屋橋うめはどんな役ですか？
小越勇輝さん演じる弱木強の同期で、大阪支社から転勤してくる女の子です。登場シーンでたこ焼きをみんなの口に放り込むという、部内の雰囲気をかき乱すようなキャラクターです。大阪人でツッコミ担当でもあったので難しい役だと思っていましたが、出演者のみなさんがお笑いにとても貪欲で「もっともっと面白くしていきたい」という気持ちにあふれていて、笑いを求めて一緒に走っている感じがすごく楽しかったです。

―中村さんご自身とは、共通点がありましたか？
すごく明るくて何も怖いもの無しのようにみえて、ちゃんと空気は読めている、ムードメーカーのような女の子なので、私の憧れに近いような人間像でした。

―演じて難しかった点は？
みなさんのアドリブが多くて、ひとりで台本を読んでいる時には想像できなかったような言い回しをされるので、現場では笑いが止まらなくなってしまって大変でした。そこに私も負けじとアドリブで加わるのが楽しくもありましたが、最初は難しくて「この中にどう入っていこう？」「どうやったら、もっと私も面白くできるだろう」と悩みました。濃いキャラクターが集まっている中で、ツッコミ担当としてかき乱す役割も、とてもエネルギーを使いました。

―「推し武道」では五十嵐れお役ですね。
“れお”は、岡山のご当地アイドルで、ChamJam（チャムジャム）という 7 人組グループのリーダーで不動のセンターです。私は歌が全くの未経験で、ダンスは昔少しだけ習っていたことがありますが、お仕事で踊るのは今回が初めて。 ChamJam には、アーティストとして活動してる@onefive のメンバーもいるので、その中で不動のセンターという役はプレッシャーでした。私は元々アイドルらしい可愛さを持っていないタイプなので「どうしよう…。どうして私なんだろう…」と頭を抱えていた時期もありました。加えて、他の ChamJam メンバーは 10 代ばかり。14 歳もいる中で、23 歳の私は圧倒的に年長で、最初は「私一人だけが浮いているのでは…」と不安でした。

―そんな気持ちをどう乗り越えたのですか？
撮影が始まる 1 ヶ月程前からダンスや歌のレッスンを ChamJam のメンバーと一緒に始めると、すぐにグループらしい感じが生まれて、撮影が始まる頃には、みんなが同じ目線で、わちゃわちゃと仲良くできるようになっていました。みんなのおかげで不安もどんどん解消されて、気がついたらセンターで踊るのがすごく楽しくなっていました。本当にメンバーのみんなには感謝してます。そんな温かいグループだというのが、画面からも伝わるといいなと思っています。

―歌もダンスもあまり経験がない中、アイドルになりきるのには苦労されたのでは？
はい。しかもグループの圧倒的なセンターという役なので悩みました。実際のアイドルグループの方たちのダンス映像を見て、そのセンターの人はどういう踊り方してるのか研究しました。みなさん、ダンスだけでなく見せ方もとても上手で、表情もコロコロ変えて、それがアイドルらしくて可愛い。私はダンスの経験が浅い上に、ただニコニコ笑って踊ることしか知らなかったので「ここはちょっと困り顔したら可愛いよ」などと、メンバーからもたくさん教えてもらいました。

―初挑戦の歌はいかがでしたか？
他のメンバーは地声から可愛いのですが、私は元々声がそんなに高くないので、アイドルらしい可愛い高い声を出すのが難しかったです。

―ではライブシーンは、見どころですね。
ChamJam としての結束力もすぐに生まれたので、ダンスもかなりシンクロしていて、完成度の高い仕上がりになっていると思います。

―では今後も、歌やダンスも続けていかれますか？
元々とても好きなので、やりたい気持ちはありますが“好き”と“上手”は違うなと感じました。でも歌もダンスも、もっと好きになったので、これを機にもっと頑張りたいと思いました。

―歌やダンス以外での役作りは？
そこが大変でした。このドラマの良いところは、原作でもそうですが、アイドルみんながステージ上と裏とで全然変わらないこと。表では仲良しでも裏では火花を散らしているドラマもあると思いますが、この作品ではみんながずっとステージ上と同じぐらいほのぼのとしていて、普段のキャラもそのまま。そこがとっても素敵なんです。だからこそ、五十嵐れおは普段から王道のアイドルでいなきゃいけない。常にそういう立ち振る舞いをするのが難しくて、ちょっと息苦しく感じるときもありました。
でも、メンバーみんなが普段からキャラに似た感じでいてくれたので、私もすんなりと”れお”でいることができたと思います。

―”れお” とご自身の共通点はありましたか？
“れお” は過去に所属していたアイドルグループが解散していて、その時のメンバーがどんどん売れていく姿を見ています。そういう辛い思いは、私も感じる部分があるので、”れお”の心の痛みに共感することができましたし、取り残されていく孤独感や複雑な思いは私にもよく分かりました。
そして、”れお” はみんなを引っ張っていくタイプのリーダーではなくて、後ろから 1 歩引いて、見守っているタイプなので、そんなところも似ていると思いました。

―”れお”も中村さんも厳しいといわれるエンターテイメントの世界で生きておられます。　“れお”役を演じて学んだことはありましたか？
“れお”は普段は柔らかい雰囲気の女性ですが、実は芯が強くて「私はこうありたい。こうしていきたい」という思いをしっかり持っています。そして、誰よりもアイドルを愛していて、アイドルである自分を誇りに思っています。そういうまっすぐなところが素敵で、ChamJamには欠かせないリーダーだからこそ、”れお”が大好きになりましたし、学ぶことがありました。

―さて、中村さんは来年の朝ドラ「らんまん」に出演され、槙野万太郎（神木隆之介）の生家である酒蔵「峰屋」に奉公している、働き者の女中・たまを演じるとのこと。意気込みをお聞かせください。
初めて朝ドラに出演することになり、これまでで一番と言ってもいいくらい嬉しいです。しかも出身地の高知が舞台なので、本場の土佐弁を使って、はちきん（男勝りという意味の土佐弁）パワーで元気よく“たまちゃん”を演じたいです。これを機に高知の方たちにも高知出身の私のことを覚えてもらえたら嬉しいですし、高知のことをたくさんの方に知って頂けるといいなと思っています。

―今後の夢、野望を教えてください。
私の一番大きな目標は、朝ドラのヒロインをやることなんです。お芝居に力を入れたいと思ったきっかけが、朝ドラのオーディションでカメラテストまで行ったのに落ちてしまったこと。すごく悔しくて、そこから「お芝居をやる！」とスイッチが入ったので、いつか朝ドラのヒロインをやり、役者像としては画面に私が映るだけで、ちょっと温度が上がるようなエネルギッシュな役者になりたいです。

―最後に「高嶺のハナさん 2」と「推しが武道館いってくれたら死ぬ」をご覧の方へメッセージをお願いします。
「ハナさん 2」では、出演者全員が全力で振り切った演技をしていて、どのシーンもすごく面白いと思うので爆笑してもらえたらと思います。
「推し武道」の見どころは、まずライブシーンです。そのパフォーマンスも見て頂きたいですし、一人ひとりが女の子としてどんどん成長していく姿がドラマ全体を通して描かれていくので、その姿を楽しんで見ていただけたらと思います。

―まったく違った 2 役を演じる中村さんを楽しみにしています。ありがとうございました。

▽中村里帆プロフィール
中村里帆（なかむらりほ）
1999年8月6日生まれ、高知県出身。2013～2016年に雑誌『nicola（ニコラ）』専属モデル。
2017年より雑誌『Ray』のレギュラーモデルとして活躍するほか、2021年にはドラマ『シンデレラはオンライン中！』で初主演。
2022年10月より放送中のドラマ『高嶺のハナさん２』に淀屋橋うめ役、ドラマ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』に五十嵐れお役で出演するほか、2023年度前期NHK連続テレビ小説『らんまん』への出演が控える。

☆高嶺のハナさん２
【放送情報】
ＢＳテレ東　毎週土曜深夜０時～０時３０分
テレビ大阪　毎週土曜深夜１時～１時３０分
出演：泉里香　小越勇輝　香音　中村里帆　／小柳友　猪塚健太
原作：ムラタコウジ「高嶺のハナさん」（日本文芸社「週刊漫画ゴラク」連載）
監督：内藤瑛亮高杉考宏塚田芽来
脚本：岡庭ななみ宮本勇人渋谷英史
プロデューサー：瀧川治水（ＢＳテレ東）清家優輝（ファインエンターテイメント）
制作：ＢＳテレ東/ファインエンターテイメント
製作著作：「高嶺のハナさん2」製作委員会2022
【番組公式HP】https://www.bs-tvtokyo.co.jp/takanenohana2/

☆「推しが武道館いってくれたら死ぬ」
ＡＢＣテレビ(関西) 毎週日曜夜11 時 55 分
テレビ朝日(関東) 毎週土曜深夜 2 時 30 分
★ＡＢＣテレビでの放送後、TVer・GYAO!で見逃し配信＆Hulu にて見放題独占配信！
出演：松村沙友理中村里帆 MOMO KANO SOYO GUMI 和田美羽・伊礼姫奈
豊田裕大ジャンボたかお
原作：平尾アウリ『推しが武道館いってくれたら死ぬ』(COMIC リュウ WEB／徳間書
店)
監督：大谷健太郎北川瞳高石明彦
脚本：本山久美子
音楽：日向萌
企画・プロデュース：清水一幸
プロデューサー：辻知奈美矢ノ口真実（The icon）高石明彦（The icon）
音楽制作：ポニーキャニオン
制作協力： The icon
制作著作：「推しが武道館いってくれたら死ぬ」製作委員会・ABC
【番組公式 HP】 https://www.asahi.co.jp/oshibudo/