限られた空間、限られた時間、限られた状況の“リミット“空間でリアルタイム進行する1シチュエーションドラマ、Huluオリジナル「THE LIMIT」が現在配信中。
本作は、玉田真也、岩崎う大(かもめんたる)、荻上直子の個性溢れる人気脚本家3人が集結し、伊藤沙莉、門脇麦ら人気実力派俳優がタッグを組み、さまざまな限定空間の中で追い詰められた人間ドラマを1話完結(全6話)のオムニバス形式で描いていく。
Astageでは3月19日から配信スタートした第3話「ユニットバスの2人」で、狭いユニットバスの中で泥棒と対峙するお笑い芸人に扮した細田善彦さんと、4月2日から配信された「切れない電話」で謎の女性からかかってきた電話を切れずゲームに強制的に参加させられる男を演じた泉澤祐希さんにインタビューを遂行。
この2作品の脚本を担当したのは岩崎う大さん。作品へ参加した感想や見どころ、自身が感じたLIMTなど、ざっくばらんに語ってもらった。
― まず、1シチュエーションドラマという今回の企画をお聞きになって、台本を読んだ時の感想をお聞かせください。
泉澤祐希(以下、泉澤):僕は怖かったです。不安でいっぱいでした。内容も不思議ですし、1シチュエーションなので、セリフを覚えられるかな・・・って(笑)。もちろん覚えますが、話の内容とそれをどのように撮影していくのかがとても気になりました。
細田善彦(以下、細田):セリフについて言えば、僕は“心の声”を発するところがあるので、自分が声に出すセリフと(岩崎)う大さんのセリフ、さらに自分のキャラクターの心の声もあるので、台本丸ごと覚えないといけないな・・・と思いました。
― 泉澤さんは、先日ショートフィルム映画にも出演されていましたが、同じくらいの尺(20分あまり)の映像作品との違いは感じましたか?
泉澤:まったく違うものでした。「アクターズ・ショート・フィルム」(『機械仕掛けの君』主演・照康役)は、完全に映画の撮影だったのですが、今作は、舞台に近い感覚でした。
― 今回は2作品とも岩崎う大さんによる脚本です。岩崎さんの脚本はいかがでしたか? 細田さんは岩崎さんと共演されましたが、ご一緒された印象は?
細田:脚本が本当に面白かったです。話の内容が二転三転していくので「こういう事実だったんだ」「それでこうなるんだ」と楽しみながら読ませていただきました。う大さんは寡黙な方だと思いますが、ボソッと面白いことを言う感じにものすごく、色気を感じました。
― 現場で直前になって急にセリフが変わることもあったそうですが。
細田:ありました。リハーサルもやりましたが、実際に狭い風呂場に入って二人で話していると、また違う感情が生まれてくるんです。その中でう大さんが「ここは、こういうセリフにしてみたいんだけど、どう?」と提案してくださって。そうやって進めていったので終盤は最初のものから変化していったかもしれません。作っていく過程で変化することは面白かったのですが、脚本家の方の前で芝居をするということと、芸人であるう大さんの前で芸人の役を演じるという二重のプレッシャーはありましたね(笑)。う大さんの描いていたものを自分がちゃんと体現できているのかということを常に意識していました。
― 泉澤さんは、劇作家であり演出家、監督も務める名俳優の岩松了さんと共演されていかがでしたか?
泉澤:とても楽しかったです。ストーリーは突拍子もないものですが、岩松さんのお陰で作品に説得力が出て、会話の掛け合い、間、言い方の全てが面白くて、凄く救われました。う大さんの脚本はめちゃくちゃ面白かったです。シュールな会話劇です (笑)。実際には直接お話しをしていないのですが、テレビなどでう大さんを拝見していたので、「僕のセリフをう大さんが言ったらこういう感じになるのかな?」「こういう感じで言ったら面白そうかな」と想像しながら台本を読みました。
― お互いの作品はご覧になりましたか? ご覧になった感想を教えてください。
細田:はい、観ました。僕は(泉澤出演作品の)脚本を読んでいない状態で観たので、「こんな作品だったんだ (笑)」と思いました。「切れない電話」というタイトルですが、すぐに切ればいいのに・・・と思いながら観ていると、その切れない理由が最終的に明かされる。でも、その電話が切れないことなんてどうでもよくなるくらい話がおかしな方向に転がっていくんです。そのうちに岩松さんと祐希くんの二人の掛け合いに見入って、最後とんでもないアングルが生まれ、とんでもないものを見せられて「何だったんだ、これ!?」という感じでした(笑)。
泉澤:ほんと、何だったんですかね(笑)。
細田:何を見させられたんだと思いましたが、凄くいい20分でした(笑)。怖いもの見たさでもう一度観たくなる。どこからこういうオチの導き方だったのかということを発見したくて2~3回観ました。う大さん脚本の作品は大オチが設けられているところが特徴の1つだと思います。演じる側はそれを意識しながら最後(のオチ)に向けて進めていくのですが、祐希くんは最後のオチをどう意識して演じていたのだろう・・・という目線で何度も観てしまいました。
泉澤:僕も善彦さんの「ユニットバスの2人」を3回観ましたよ。視聴者はみんな(マジカル島田の)心の声と同じ事を感じているのではないかと思います。「そうそう、そういうこと!」と共感しながら観ていきますが、最後に真実が分かる。僕はなぜかラストのシーンに納得してしまいました。凄く説得力があった。最初のセリフから好きでしたし、飽きずに何回も見ちゃいます。
細田:ありがとうございます!(笑)
泉澤:う大さんの豹変の仕方も面白かったし、なんかムカつくんですよね。泥棒が何言ってるの?って(笑)。
― では、最近ご自身が感じたLIMIT(リミット)、限界を感じたことは何かありますか?
細田:最近、ずっと欲しかった革靴を買ったんです。その革靴が“指を曲げて履いているの?”というくらいキツくて・・・。毎日犬の散歩の時にその革靴を履いて慣らしているのですが、もう踵が血だらけなんですよ。本当にいい革靴なので、革を自分の足型に合わせるように育てているのですが、自分の踵のほうがどんどん酷いことになっていて。それが今、僕の極限のリミット状態です。(足が痛くて)歩き方までおかしくなっていますが、その革靴を早くカッコ良く履きたいので頑張っています(笑)。
泉澤:本当ですか!?
細田:凄く欲しくて、ようやく手に入れた革靴なんだよね。いろんなサイトなどを見てみると、その革靴を買った人はちゃんときつめのサイズを買って、何年もかけて自分の足型に合わせているようなので、自分も「よし、頑張ろう!」と、日々絆創膏を貼りながら育てています。
泉澤:僕は凄くゲームが好きで、朝起きた瞬間にコントローラーのスイッチを入れるんです。休みの日に朝8時から翌日の4時くらいまでぶっ続けでやったこともあります。一度友達とボイスチャットしながらやっていて、気づいたら気絶したように寝ていたという・・・(笑)。
細田:え?ゲームをやりながら?
泉澤:そうなんです(笑)。あれ?と思って、また起きてゲームを続けて・・・。今考えると、それって限界(LIMIT)だったのかなと(笑)。
細田:その間に食事は?
泉澤:ゲームやりながら食べますよ。宅配したりして。
細田:めちゃくちゃ現代っ子だね。
泉澤:今はあまり外出できないということもありましたが、あれは自分の体力の限界だったのかもしれません。
― そんなことがあったのですね。でもお体には気を付けてくださいね。
泉澤:はい、気を付けます。ありがとうございます。
― リミットを感じるシチュエーションは他にもまだたくさんありそうですね。もし、またオファーがあったら出演したいですか?
細田:ぜひやりたいですね。他の人の作品を観ても、こういう話になるんだと思って面白かったです。また違うシチュエーションでもやりたいと思いました。
泉澤:僕もやりたいです。善彦さんのやった作品がいいな(笑)。う大さんとのやり取りいいですよね。
― では、これから本作をご覧になる皆さんに一言メッセージをお願いします。
細田:約20分いう短い時間なので、気軽に観ていただけると思います。ぜひご覧ください。
泉澤:1シチュエーションで繰り広げられていく会話と、人々が追い詰められていく様を楽しんで観ていただけたら嬉しいです。
第3話「ユニットバスの2人」
第5話「切れない電話」
<プロフィール>
【細田善彦(ほそだよしひこ)】
東京都出身。映画「ピア~まちをつなぐもの」「武蔵」(19)「君の物語を語る者に」(20)と主演作が近年続き、大林宣彦監督最後の作品「海辺の映画館~キネマの玉手箱」(20)で話題となった。ドラマでは「共演NG」(テレビ東京系)などの作品に出演。第32回フジテレビヤングシナリオ大賞「サロガシー」(フジテレビ)が記憶に新しい。
【泉澤祐希(いずみさわゆうき)】
千葉県出身。ドラマ「東京が戦場になった日」(NHK)「連続テレビ小説「ひよっこ」(NHK総合ほか)「少年寅次郎」(NHK)、映画「マスカレード・ホテル」(19)など数々の作品に出演。2021年はドラマ「青のSP-学校内警察・嶋田隆平-」(フジテレビ系)やWOWOW開局30周年記念のアクターズ・ショート・フィルム「機械仕掛けの君」などに出演。
■番組概要
【タイトル】Huluオリジナル「THE LIMIT」
【配信】Huluで毎週金曜、新エピソード配信中(全6話)
(※通常配信に加え、4K UHD/HDR/5.1chでも配信)
【出演】
第1話「ネコと井戸」=伊藤沙莉、堺小春、坂東龍汰
第2話「タクシーの女」=門脇⻨、古川琴音
第3話「ユニットバスの2人」=細田善彦、岩崎う大(かもめんたる)
第4話「ベランダ男」=岡山天音
第5話「切れない電話」=泉澤祐希、岩松了、夏子
第6話「高速夜行バス」=浅香航大、木野花
【脚本】玉田真也、岩崎う大、荻上直子
【エグゼクティブプロデューサー】長澤一史
【チーフプロデューサー】茶ノ前香
【プロデューサー】中村好佑 小室秀一
【企画】三浦光博 塚田雅人 賀内健太郎
【監督】賀内健太郎 吉田真也 中嶋駿介
【制作プロダクション】博報堂プロダクツ
【製作著作】HJホールディングス
★公式HP:https://www.hulu.jp/static/thelimit/
撮影:ナカムラヨシノーブ
細田善彦&泉澤祐希さん ツーショット
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