洋画専門CS放送ザ・シネマにて、7月に 「ミッション:インポッシブル」シリーズ5作品(未ソフト化版を含む)が一挙放送される。吹き替え版はすべてトム・クルーズ公認の声優・森川智之版で放送! あわせて番組宣伝もあらたに森川智之のナレーションで行われるというスペシャルなものに。
放送を記念し、森川智之がインビューに応じ、「ミッション:インポッシブル」への熱い思いを語ってくれた。
―「ミッション:インポッシブル」シリーズ5作品一挙放送、しかもイーサン・ハントの声は全て森川さんという超豪華さですが、今回の企画を聞いた時のお気持ちはいかがでしたか?
凄く嬉しかったですね。吹き替え声優冥利に尽きるなと。トム・クルーズ(の吹き替え)をやっていてよかったなと思いました。今回は新たに録音したものではなく当時のものなんです。時系列という意味でも、僕も若いし、イーサンも若いのでとても楽しみにしていただけるかと。
― では、森川さんとしてのイーサン・ハントの成長と、トム・クルーズさんの俳優としての成長も一緒に見られるわけですね。
そうですね。逆に今、1番最初の“ミッション”を録ってしまうと、エッジの効いた若いイーサンがお芝居くさく、あざとくなってしまうのではないのかと思うんです。
― トム・クルーズも年齢を重ね、イーサン・ハントもキャリアを積んできました。そんなイーサンの声を演じるうえで思うことは? 収録で気をつけていることはありますか?
最初の“ミッション”の時の若かりし、尖ったリーダーというか、ちょっと暴走ぎみな危なかったしいイーサンがシリーズを重ねていく間に、結婚もして変化していくんです。ソフト版で最初に担当した“ミッション3”では、冒頭でイーサンが現場から離れて教官という立場からスタートしたんです。IMFでのイーサンのキャリアも上がってきている。人間として上がっていくと同時に、トム自身の年齢が上がっていく。トムは凄くいいタイミングでこの作品に関わりはじめて一緒にイーサンと成長している感じがします。ただ時代的にはテクノロジーがどんどん進んでいる。そんな中、飛行機にぶら下がったり、ドバイのビルの壁をつたって降りていくとか(笑)、周りのもの全て、地球の時間軸まで取り入れた感じの「ミッション・インポッシブル」なのかなと思っています。これからもイーサンがこの時代とともにエージェントとしてどうやって関わっていくのかが楽しみです。
“ミッション3”の時は吹き替え版も同時公開だったので、日本の吹き替えもスーパーバイザーの方が収録に立会い、録ったデータをすぐに本国に送ってチェックする形でした。そこで驚いたのが、(日本語収録も)トムのチェックが入ることでした。「え?ハリウッドスターがそこまで関わっているの?」と。チェックは細かったですね。そして、本編でも編集を同時に行っているので、吹き替えの収録もファイナルバージョンに徐々に近づいていくわけです。1度収録しても、次の吹き替えの時にはそのシーンがなくなっていたり、セリフがカットされていたり、またはセリフが追加されていることもあるんです。僕は完成した作品の吹き替えることに慣れていたので、同時に一緒に映画の制作に関われることができたので、トムが俳優として、プロデューサーとして、この人は全てを負っているんだなとひしひしと感じました。これは真剣にやらないと見透かされるなと思いましたね。僕も1作品を収録するたびに前作を見返したり、トムの声とどう合わせていくかを気をつけています。その時のトムに寄るようにしています。
― 遠隔で同時に編集されるというプレッシャーはありますか?
直接会って電話会談するわけじゃないので、そこまでの緊張はありません(笑)。リクエストされたことをしっかりとお芝居をしようと思っています。
― 本作のシリーズの見どころは?
それぞれありますが、最初のミッションで言えば、若い青年のお芝居です。そして“ミッション2”ではガラッと雰囲気が変わります。このシリーズの魅力の1つは、作品ごとに監督が変わるところ。一貫して同じ監督で作品を作るのがシリーズのイメージになるのが普通なのかもしれませんが、毎回違うとその監督の色が出る。監督の方にも「トムをどうやって魅せるか」というプレッシャーがあるのかもしれません。僕は特に2作目が大好きで、冒頭のクライミングしていくシーンを見たときは「なんてカッコいいんだ!」って鳥肌が立ちました。そして登りきったところでサングラスから指令が出て・・・と、これからのシリーズは、こういう形で映画のスタートを切るんだろうなという気がしました。さらにラブロマンスの要素もあったし。一番イーサン・ハントがギラギラしていて余裕があって、空でも飛べちゃうんじゃないかと思ってしまうほどのスーパーマン的な凄さ! そのあとに“ミッション3”です。1話完結でありながらも、イーサン・ハントが人間として成長していくんです。たまに見せる無謀なアクションも、トムが何でもやりたいという好奇心の塊。それとシンクロして「俺が行く!」というDNAが常に上手くマッチしているんです。そのあたりをぜひ楽しんでいただきたいです。
― 吹き替え版を収録しているなかで、思い出深いシーン、苦労したシーンはありますか?
“ミッション3”で、無線で声マネをするシーンがあるんですが、僕が石塚運昇さんのマネをしなくちゃいけなくて。今でもそのシーン何回も見るんですが、「上手く石塚運昇さんに聞こえるな」と思って(笑)。声マネはそのときが初めてで。一生懸命イメージをしながらやったら、けっこう上手くいきました。あと、トムは海外が好きなんです。毎回色んな国に行くので色々な現地の言葉をしゃべるんです。原語を使う作品もあるのですが、トムの場合は、イタリア語、ロシア語、中国語にしても「全部森川さんがやってくれ」と言われるんです。「今回はロシア語です」って言われるとロシア語の先生に付いてもらって収録する。やっぱりエージェントなので、ちゃんと伝わるくらいまでのレベルにしないといけないしね。スパイって本当に大変だなと思いますよ(笑)。
― 長年トム・クルーズの声を担当されていて、トムのプロ意識に影響されたことはありますか?
僕はスクリーン上の俳優としてトップだと思える人の声を担当させていただけて、とても光栄に思っています。あと、毎回行われるレッドカーペットのトムのファンサービスの凄さは世界一じゃないかなと思うくらいです。僕も一緒に歩かせてもらったことがありますが、来場してくれたファンの一人一人に分け隔てなく丁寧に対応しているハリウッドの大スターを目の前にして、だからこそみんなに愛されるトム・クルーズなんだなと。炎天下の日中に、2時間以上レッドカーペットを牛歩のように歩く・・・。周りは大変ですけどね(笑)。僕も8月の上旬、気温が30度以上の時に、フォーマルウェアで歩きましたが、「今日は何キロ痩せるんだろう」という感じでした。でもずっとトムの隣にいた戸田奈津子さんがもっと凄かったかもしれません(笑)。あとでトムに「汗かかないの?」と聞いたら「僕は汗をかかないように訓練しているんだ」と言っていて、本当に凄いなと。本当に徹底しているプロなんだなと。
― 番宣も森川さんがされているとのことですが、そちらの見どころを教えてください。
俳優としてはもちろん、トムの成功哲学、スクリーン上では見せなかった一面を紹介できればいいなと思います。トム・クルーズを知ることで「ミッション:インポッシブル」をより楽しんでいただけるよう、トムの魅力をたっぷり解明した単行本『トム・クルーズ キャリア、人生、学ぶ力』(フィルムアート社)から抜粋して朗読します。
― すばり!森川さんが考える「ミッション:インポッシブル」の魅力とは?
トムが世界に発信できる一番のアイコンだと思うんです。ただ成功した俳優ではなく、『トップガン』で一躍世界の大スターになってから、彼が全てを手がける作品を手に入れたことではないのかなと思います。彼が全部やるというところが一番の魅力なのではないでしょうか。
― 森川さんがこの「ミッション:インポッシブル」に関わることで変化したことはありますか?
僕は『ミッション:インポッシブル』の前に、スタンリー・キューブリックの『アイズ ワイド シャット』で、トムの吹き替えを担当させてもらいました。そしてこの作品が、僕自身の声優としてのターニングポイントとなりました。「吹き替えの声優というより、いち俳優として共通点の中で、トムの芝居を声でお手伝いするということに行きついたんです。やっているお芝居は変わらない。そこからトムのお芝居の呼吸などがガッツリと僕の中に入ってくることが出来たので、いいタイミングで 『ミッション:インポッシブル』にスライド出来たかなと思います。
【森川智之(もりかわとしゆき)プロフィール】
声優、CM、ナレーター、歌手として幅広く活躍。アニメでは『SLAM DUNK』水戸洋平から、ズートピアのニック迄幅広く声の担当をし、映画では「ミッション:インポッシブル シリーズ」〈トム・クルーズ〉 、 「マトリックス シリーズ」〈キアヌ・リーヴス〉 、 「スター・ウォーズ」 シリーズ〈ユアン・マクレガー〉など、ハリウッド映画の吹替えを多数担当。海外ドラマ「SHERLOCK」「ゲーム・オブ・スローンズ」でも主要キャストを務める。2015年、第9回声優アワードで助演男優賞を、第13回声優アワードでは、初代「外国映画・ドラマ賞」を受賞。
◆ザ・シネマ「ミッション:インポッシブル」シリーズ5作品
吹き替え版は声優・森川智之(未ソフト化版を含む)
7月21日(日)14時~深夜2時に吹き替え版を一挙放送
7月22日(月)~7月25日(木)に再放送
※字幕版は7月20日(土)14時~ほか放送!
公式サイト: https://www.thecinema.jp/tag/84
『 (吹)ミッション:インポッシブル[テレビ朝日版] 』※未ソフト化!
放送日:7月21日(日)14:00/7月22日(月)21:00
『 (吹)M:I-2[テレビ朝日版] 』※未ソフト化!放送日:7月21日(日)16:00/7月23日(火)21:00
『 (吹)M:i:III 』放送日:7月21日(日)18:30/7月24日(水)21:00
『 (吹)ミッション:インポッシブル/ゴースト・プロトコル』放送日:7月21日(日)21:00/7月25日(木)21:00
『 (吹)ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション』放送日:7月21日(日)23:30/7月25日(木)23:30
◆番組を視聴するにはザ・シネマWEBサイトへ
https://www.thecinema.jp/howto/
◆番組宣伝は森川智之さんナレーションで2種類!
ザ・シネマで7月1日(月)~限定放送!
★レギュラー番宣では映画「ミッション:インポッシブル」シリーズのご紹介!!
★トム・クルーズの魅力に焦点をあてた番宣を!
ザ・シネマとは
ハリウッド最新作から懐かしのクラシック映画、日本未公開含む激レア作品までにこだわった、映画ファン必見のCS放送チャンネルです。スカパー!、J:COM、ケーブルTV、ひかりTV、au ひかり 等でご視聴いただけます。
【公式WEBサイト】 https://www.thecinema.jp/
【公式Twitter】 https://twitter.com/thecinema_ch