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第9回「WOWOWシナリオ大賞」授賞式&第8回WOWOWシナリオ大賞受賞作「ドラマW 双葉荘の友人」会見

恒例の「WOWOW シナリオ大賞」受賞作決定!大賞 1 編、優秀賞 3 編に

第9回シナリオ大賞

WOWOW が 2007 年から創設し、新しい才能を発掘してきた「WOWOW シナリオ大賞」。第 9 回とな る今回は、応募総数 424 編の中から大賞 1 編、優秀賞 3 編が選出された。3 月 16 日(水)には、 東京都内の WOWOW 本社にて、同賞選考委員長で映画監督の崔洋一と WOWOW 代表取締役社 長の田中晃が、第 9 回 WOWOW シナリオ大賞の授賞式を行った。

424 編の頂点に立つ「第 9 回 WOWOW シナリオ大賞」を受賞したのは、あがり症で小心者の小学 2年生の目線から描かれるホームドラマ「稲垣家の喪主」の小山ゴロさん。賞状と賞金 500 万円を手 にした小山さんは「私にとっては、最後まで書くということだけでも大事なことで、最終選考に残っ ただけでも満足していました。だから大賞受賞の知らせをいただいた時は、ものすごくうれしかっ たです」と喜びを露わにした。崔選考委員長は「洒脱で笑える世界が映像化されることを楽しみに しています」と本作への期待感を語った。

優秀賞では、選出された 3 作を手掛けた 4 名が登壇。「50 才で、カフェ始めました。」を山口智さん と共作したさいこりえさんは「もうちょっと続けていいんだよと言ってもらえたような気がして、とても うれしく思っています」と言うと、山口さんも「次もいっしょに書こうと言っています」と目を輝かせた。
「刑務所の土」の牧圭一さんは「母親の介護をしながら脚本を書いています」と言った後、実際に 刑務作業で備前焼きを焼くという刑務所があり、そこで名人級の腕をもつ受刑者がいるという話を モチーフにしたと明かした。「mind dive」の薮野ゆうきさんは「自分はキャリアが全然浅くて、コンク ールに出すこと自体が初めてで、賞をいただけて光栄であると同時に、力不足や経験不足を痛感 しました」と恐縮しながら、今後も脚本作りに励んでいくという決意を語った。

崔選考委員長は、今回の選考について「若干、辛く申し上げれば、ある意味では、レベルの安定 化、一定の水準は保ってくれているので、選考する側にとっては悩ましい。でも、同時に悩ましさを 突き破る作品が出てくるべきだろうと思う」と厳しい言葉を投げかけた。

次回の記念すべき「第 10 回 WOWOW シナリオ大賞」の募集も本日よりスタート。崔選考委員長は「10 年という節目、正念場でございます。いままで培ってきた質を凌駕するもの を求めています。書き手のみなさんには、今までの平均値を行くような傾向と対策から一旦離れて いただき、全身全霊を込めて応募していただきたい。それが来季に向けての一つの形だと願って おります」と力強く訴えかけた。

ドラマW 双葉荘の友人

市原隼人、主演ドラマ「双葉荘の友人」は「今まで観たことがない作品」

第 8 回 WOWOW シナリオ大賞受賞作を映像化した、「ドラマ W 双葉荘の友人」(3 月 19 日土曜夜 9:00)。初回の放送に先立ち、主演の市原隼人と、演出を担当した平松恵美子監督による記者会 見が行われ、2 人が本作に賭けた思いを語った。

昨年の「第 8 回 WOWOW シナリオ大賞」を受賞した川崎クニハル氏による「双葉荘」を、長年山田 洋次監督作の助監督を務め、『ひまわりと子犬の 7 日間』で監督デビューした平松恵美子が完全 ドラマ化。舞台監督の川村正治(市原隼人)が、妻(臼田あさ美)と引っ越してきたテラスハウス「双 葉荘」で、26 年前に同じ部屋に住んでいた倉田誠司(中村倫也)という画家の幻影と交流していくと いうロマンティックミステリーとなっている。

市原は、脚本を読んだ感想について「すごく面白い話だなと思ったんですが、現場で川崎さんとお 会いして、実体験に基づいたお話だとお聞きして驚きました。もう一度脚本を読み直したら、鳥肌 が立ちました」と興奮しながら話す。平松監督は「一体どうやったら、これを映像化できるのか?と、 正直びっくりしました」と、最初は困惑していたと明かした。

2 人は初タッグとなったが、市原は平松監督について「人間くさくて、素直な方。現場も肩の力が抜 けたようなアットホームな雰囲気で、心地良かったです」と印象を述べる。その後「何度もテストを 重ねる方で、僕にとっては初めての経験で勉強になりました」と充実感あふれる表情を見せた。平 松監督は「そんなに重ねたかしら?」とおちゃめな笑みをこぼした後「撮休は 1 日、2 日しかなくて、 仲が悪くなったら最悪でしたが、そういうこともなく突っ走れたのは、市原くんのおかげです」と市原 に感謝した。

また、役柄のように不思議な心霊体験があるかと質問された市原は、海外ロケが続いた時の体験 談を告白。「金縛りがずっとありました。家に帰ってからも 5 分ごとにあって、連れてきちゃったかな と(苦笑)。ある日突然なくなりましたが、なんだか不思議な経験でした」

最後に平松監督は本作について「未来と過去があるからこそ、今の自分があるという話。観終わ ったお客さんも、自分の過去や未来がどんなふうになっていくんだろうと思ってもらえたらと」と、見 どころをアピール。市原も「夫婦の絆や関係性、相手の大切さを感じていただける作品です。僕は 同じような類の作品は観たことがないので、その新鮮さと、ちょっとファンタジーなロマンスを楽しん でいただきたい」と力強く締めくくった。

第8回WOWOWシナリオ大賞受賞作
 「ドラマW 双葉荘の友人」
3月19日(土)夜9:00 WOWOWプライム

「ドラマW 双葉荘の友人」キーカット

第8回WOWOWシナリオ大賞を映像化。市原隼人主演。テラスハウス「双葉荘」では、見えないはずのものが見える――2つの時代をつなぐ珠玉のロマンティックミステリー。

プロ・アマ問わず優れたシナリオ作品を発掘し、脚本家の育成を通じて広く映像文化の発展に貢献することと、その映像化を目的に創設された「WOWOWシナリオ大賞」。
今回、2014年に募集した「第8回シナリオ大賞」の応募総数482編の中から大賞を受賞した川崎クニハルの「双葉荘」を映像化する。
監督には、山田洋次監督作品の助監督を長年務め、脚本家でもある平松恵美子が決定。丁寧な人物描写が本作でも発揮される。さらに、主演に市原隼人、共演に臼田あさ美、中村倫也、陽月華、中嶋朋子、中原丈雄、吉行和子という多彩・ベテランキャストがそろう。
テラスハウス「双葉荘」では、見えないはずのものが見える――。川崎が若いころに体験した実話をベースにした“ロマンティックミステリー”が、豪華スタッフ&キャストでどのように映像化されるのか期待したい。

<ストーリー>
2000年3月。舞台監督の川村正治(市原隼人)と雑誌編集者の妻・美江(臼田あさ美)は、神奈川・横浜の街を望む高台のテラスハウス「双葉荘」に移り住む。この家の大
家・寺田幸吉(中原丈雄)とその妻・直子(吉行和子)の高飛車な態度は気になったものの、隣の部屋に住む主婦・八井沙季(陽月華)との相性は良く、正治も美江も新生活
になじんでいった。
そんな中、正治は舞台監督の仕事を退職し、美江の計らいで自宅でのライター業を始めることに。ある朝美江を送り出した正治は、家の中に不穏な気配を感じる。誰もい
ないはずの家に人影が…。それは26年前に「双葉荘」の同じ部屋に住んでいた倉田誠司(中村倫也)という画家の“幻影”だった。驚く正治に反応する倉田。似たような境遇
の2人は次第に交友を結ぶようになるが、ある日正治は幻影の中で信じがたい光景を見てしまう。それは幻か過去に実際に起きたことなのか?驚くべき真相が明らかにな
る。

脚本:川崎クニハル
監督:平松恵美子(『ひまわりと子犬の7日間』)
音楽:寺嶋民哉(『ひまわりと子犬の7日間』『ゲド戦記』)
出演:市原隼人 臼田あさ美 中村倫也 陽月華 中嶋朋子 中原丈雄 吉行和子
製作著作:WOWOW
制作協力:松竹撮影所
(c) 2008-2016, WOWOW INC.