加瀬亮 ドラマW初主演作 WOWOW 「ドラマW　この街の命に」大阪完成披露試写会レポ

４月２日（土）夜９時からWOWOWプライムで放送される加瀬亮主演の『ドラマW　この街の命に』の大阪完成披露試写会が３月２５日（金）大阪市内で行われ、監督の緒方明をはじめ、橋口亮輔監督作品『恋人たち』など数々の映画やテレビドラマ、舞台などで活躍する黒田大輔と同じく『恋人たち』で数多くの新人賞に輝き、本作では寡黙な職員を演じた篠原篤が舞台挨拶を行った。

このドラマは、ある街の行政組織「動物愛護センター」を舞台に、殺処分を待つ動物たちの命を救おうと勇気ある一歩を踏み出した職員たちの心の葛藤と再生を描いたストーリー。動物を救うべく獣医になった者たちが、助かる命を見過ごすという過酷な現実を前に、苦悩する行政獣医・牧田洋役に加瀬亮、彼の同僚で共に苦悩する行政獣医・幡枝亜紀役に戸田恵梨香、センターの改善に取り組む新任所長・高野綾子役に田中裕子など実力派俳優陣たちが演じ、“人間と動物とのあり方”について、改めて考えるきっかけを与えてくれる作品に仕上がっている。

舞台挨拶では、緒方監督が「犬猫に振り回されてみようと思った作品。ハリウッドではCGでどうにでもなるが、とにかく振り回されようと思った。3秒のアップを撮るのに1時間かかったりしたが、貴重な映像になったと思う」と監督としてのこだわりと苦労を語った。

また、黒田が現場での様子を振り返り、「田中裕子さんと現場でのほほんとしていたら、軽トラックで白い犬が運ばれてきて二人で「あの犬可愛いですね」と話していたら、職員の方が「2、3日後には処分されてしまうんです」と仰っていました。それを聞いて、命を処分する現実が目の前にあって、命を切実に考えさせられた現場でした」と神妙な面持ちでエピソードを披露した。

一方篠原は「それぞれが自然に役に対する考えや、殺処分に対する意見を言い合ったり、実際の職員の方たちとのコミュニケーションを図ることによって、いいグルーヴ感が生まれた現場でした」と語った。
また主演の加瀬とのやり取りを明かし「すごく不思議な方で、お会いして開口一番「どうなのよ！？」と聞いてきて、何が「どうなのよ」なのか全然わからなかったです（笑）。ただ、ここまで役柄に対して真摯な方は中々いらっしゃらないので、ご一緒して尊敬もするし、刺激にもなりました」と振り返った。

そんな中、黒田が繊細なシーンを演じる日に「『あの先輩、緊張して昼ごはん抜いるんですよー』と篠原くんが加瀬さんにチクってニヤニヤとこっちを見ながら話してたんですよ」と後輩から弄られたエピソードを暴露されると、篠原は「どう考えても一番緊張していたのは、僕なんですけどね」と必死に弁解していた。

また、映画「恋人たち」以来の共演となった感想を聞かれた黒田と篠原だが、黒田は「篠原くんは、前回も今回も撮影に入ると既に役に入っているので、こっちが何もしないでもよかったです。ただそこにいるだけでよかったです」と信頼を寄せると、篠原は「監督が緒方さんで、共演が加瀬さん、戸田さん、田中さん、さらに題材もこのような感じなので、ご迷惑をかけちゃいけない、と思って緊張していたのですが、そんな中によく僕のことをわかってくれている黒田さんが色々とコントロールしてくれましたので、本当に感謝しています。」と感謝の念を伝えた。

最後に監督が見どころとして、「キャスト、スタッフみんなが試行錯誤しながら撮影した。自分の中では問題作だと思っています。暗い話だけではなく、旬なキャストが集まっています。一緒に登壇している黒田さん篠原さんは撮影時は何も賞をとっていなかったのに、黒田さんは高崎映画祭助演男優賞を、篠原さんは日本アカデミー賞新人賞、キネマ旬報新人男優賞、高崎映画祭優秀新進俳優賞を受賞して、今後僕の作品に出てくれないかもしれない。」と語ると黒田が「そうですね」と答え会場が笑いに包まれた。

脚本は『独立少年合唱団』『いつか読書する日』『家路』の青木研次、音楽はcoba。出演はほかに田中裕子、渋川清彦、諏訪太朗、柳英里紗、高橋長英、島かおり、きたろう、熊谷真実。

『ドラマW　この街の命に』はWOWOWプライムにて４月２日（土）夜９時から放送。