6回目となった韓国ミュージカル俳優インタビュー。今回のゲストは、日本でもたくさんのファンをもつソ・スンウォンさん。学生時代から歌謡大賞を受賞してきた甘い歌声が魅力のミュージカル俳優で、出演公演が途切れることがない人気俳優です。日本でも『三銃士』『Vampire』の公演に出演。ファンミーティングやコンサートも行っています。
■ミュージカル俳優を目指したきっかけを教えてください。
大学時代3年生の時、初めてのワークショップでミュージカル레미제라블(レミゼラブル)を公演し、マリウス役を引き受けました。そして♪empty chairs at empty tableという曲を毎日6時間練習しました。その時からミュージカル俳優を目指すことになりました。
■俳優になるためにどのような努力をしましたか?
多くの俳優たちの演技と歌を鑑賞して、長所と短所を見つけて、私のものにするトレーニングを続けました。
■自分の俳優としての魅力(長所)は何だと思いますか?多く教えてください。
歌唱力があり、キャラクター研究をよくする方だと思います。そして明るくポジティブな性格でエネルギーがあると思います。
■今まで演技をしてきて、転期となる印象深い作品と役は何ですか?
ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ(빈센트 반 고흐)』という作品です。(ゴッホの弟・テオを演じた) 登場人物は2人だけなので、他の作品に比べて舞台に立っている時間が長く、役に深く入り込み作りあげなければならないので、とても大変でしたが高い評価を頂いた作品です。この作品で多くの方に私を知って頂くことができ、さらにワンランク発展することができたと思います。
■最も苦労した作品と役は?
ミュージカル『シングルス(싱글스)』という作品です。2003年に韓国映画として製作されましたが、原作は日本のドラマ「29歳のクリスマス」です。私が作品の準備に時には、小説版は絶版になっていて、中古書籍でやっと見つけて読んだ記憶があります。『シングルス』は私より前に何度も上演されていて、多くの先輩方が演じていました。製作会社ではその先輩たちの演技パターンをそのまま踏襲することを望んでいたので、キャャラクターを完全に私のものにすることができず、とても苦労しました。もし再演できることになったら、その時とは別の方法で私だけのシングルスを作ってみたいですね。
■最も自分に近い役は?どんな点が似ていますか?
演じてきた作品の中では、ミュージカル『キンキーブーツ(킹키부츠)』のハリー役*だったと思います。自由奔放で肯定的で明るいでしょう。そしてギターと音楽を愛する姿が似ています。
*バーでギターを抱えて歌う場面が印象的な役。
■もう一度演じたい役は何ですか?理由も教えてください。
『RENT』は2回、それぞれ別の役で出演しましたが、『RENT』ならどんな役でも出演できれば幸せです。私が一番好きな作品なんです。
■これからどんな俳優になりたいですか?
以前は目標がありました。賞を獲りたいとか、この作品のこのような役をやりたいとか…。しかし、私を見守ってくださって応援してくださるファンの方を知って考えが変わりました。健康!健康が最高だと思います。私が健康であれば作品を通じて舞台にいる私の姿をお見せできます。だからずっと元気で舞台に長く立っていることが目標です。
■日本での公演で印象に残ったのは?韓国とは違って新鮮に感じたことはありますか?
日本でのコンサートを行った時に複数のファンの方々が目を閉じて歌を聞いておられました。音楽をもっと深く聞きたい方なんだなと感じました。そしてコンサートや公演の時は静かだったように思います。他の観客に対するエチケットを大切にしているようでした。韓国と違って新鮮だったのはコンサートでアンコールすることが当然という文化ができていて、基本的にアンコールを準備しなきゃいけないことですね(笑)。
■韓国でミュージカルを楽しむときのポイント、楽しむことができる方法を教えてください。
韓国にはとても多くのオリジナル作品があります。作品性も素晴らしくて、中国と日本にライセンス輸出もしています。日本で公演された韓国のライセンス公演の原作を韓国で観覧されるのはいかがでしょうか?私が公演していたミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』は、そういう韓国オリジナル作品ですよ。
■好きな音楽の曲を教えてください。
上記のインタビューの質問でも触れましたが『RENT』の全ナンバーが好きです。私が初めて聞いたミュージカルナンバーも『RENT』の曲でした。
■あなたの声を聞くことができる動画のURLを教えてください。
http://www.stagetalk.co.kr/MediaCast/Detail/44324
■今後の予定を教えてください。
現在ミュージカル『ヴィンセント・ヴァン・ゴッホ』の地方公演中です。そして『ハーラン郡(할란카운티))という作品の製作発表会を年末に行い、来年初めの公演を準備しています。そして日本のコンサートとファンミーティングを来年の初めごろに計画しています。
(写真・記事内容 提供:メガウェーブジャパン)