2015年に全国30会場12万人を動員した上海歌舞団による舞劇「朱鷺」が、 8月29日にオーチャードホールで開幕した。
舞劇『朱鷺』は、 中国でもトップレベルを誇る「上海歌舞団」のオリジナル作品で、 日本にとってもゆかりの深い鳥、朱鷺と人間の青年との儚い愛の物語を舞踊で描く。
今年、日中国交正常化45周年、日中平和友好条約締結40周年を迎え、その記念公演として日中友好のシンボルとなるべく上演されている。
早速届いたオフィシャルレポートをご紹介しよう。
朱鷺ジエ(朱潔静)と青年ジュン(王佳俊)の、古代、近代、現代と1000年に渡る愛を描く。
一幕は、人々と自然が共存している古代。 ジュンは山に飛来する朱鷺の群れのなかの際立って艶やかなジエに出会い惹かれ合う。
共に踊り幸せなひとときを過ごすが、ジエは飛び立っていった。
二幕は、工業化によって環境汚染が進んだ近代。すべてが黒く澱んでいる。 ジュンは弱り切ったジエをみつけ介抱する。 時空を超えて再会したふたりだったが、 悲しくもジエは命を落とす。 そして現代。 博物館のガラスケースの中に納まっているジエと老人になったジュンは再会し、 今や失われた美しい景色の追憶の中で踊る。 そして、 ジュンは次世代を担う学生に未来を託して幕は閉じる。
見どころは、 何と言っても朱鷺そのものにしか見えない独特の細やかで優雅な踊りだ。 朱と王の艶やかで美しいパ・ド・ドゥ、 一糸乱れぬ朱鷺たちの群舞、 中国古典舞踊ならではの独特な動き、 細かく計算し尽くされた衣装など、 この作品でしか見ることができない要素が詰め込まれている。 技巧だけでなく、 豊かな表現力も素晴らしい。 もちろん言葉のない踊りによる作品だが、 言葉が聞こえてきそうなほどの思いが伝わってくる。 さらに、 人間の環境破壊によって絶滅の危機を迎えた朱鷺の物語から、 自然との共存という大きなテーマが描かれていて、 観客に気づきを与えてくれる。 3つの時代をつなぐ一片の羽根が印象的だ。
谷村新司、 草刈民代が初日を観劇して絶賛のコメントを寄せた。 谷村は「圧倒的な舞台。 何度出会えるだろうかと思う舞台のひとつ。 朱さんと王さんのオーラが凄い。 朱さんの踊りに圧倒されていたら朱鷺にしか見えなくなり、 王さんの泣き叫ぶ場面では思わず涙が出そうになりました。 漂ってくる品格は格別で、 高貴なものを見ている感覚でした」と感嘆する。 草刈は「呼吸まですべてが揃った群舞の美しさ、 神経を張り巡らせて踊っている緊張感が伝わってきました。 ひとりひとりが作品を作っている意識が高く、 自負と作品への誇りを持ち、 楽しんで踊っているのだと感じます。 古典舞踊を身につけた人達の品格がベースになっているから見ていて気持ちがいい」と賞賛した。
2018年には、 ニューヨーク リンカーンセンター、 モスクワでの公演も決定している。
公演名:舞劇「朱鷺」-toki- 上海歌舞団
【東京公演】
日時:2017年 8 月29 日(火) 開演 19:00、 8月30日(水) 開演 14:00 / 開演 19:00
会場:Bunkamura オーチャードホール
日時:2017年 9月6日(水) 開演 19:00、 9月7日(木) 開演 14:00 / 開演 19:00、 9月8日(金) 開演 19:00、 9月9日(土) 開演 13:00 / 開演 17:00、 9月10日(日) 開演 13:00 / 開演 17:00
会場:東京国際フォーラム ホール C
お問合せ:キョードー東京 0570-550-799 http://kyodotokyo.com/toki2017
【名古屋公演】
日時:2017年9月2日(土) 開演 13:00 / 開演 17:00、 9月3日(日) 開演 11:00 / 開演 15:00
会場:愛知県芸術劇場 大ホール
お問合せ:中京テレビ事業 052-588-4477 http://cte.jp/
【大阪公演】
日時:2017年9月13日(水) 開演 14:00 / 開演 19:00、 9月14日(木) 開演 14:00 / 開演 19:00
会場:オリックス劇場
お問合せ:キョードーインフォメーション 0570-200-888 http://www.kyodo-osaka.co.jp/
主催:朱鷺 2017 日本公演実行委員会/TBS(東京)/中京テレビ放送(名古屋)/MBS(大阪)
公演公式サイト: http://toki2017.jp