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中村獅童が帰還兵に挑む 上田竜也 前田敦子と共演 岩松了作『青い瞳』製作発表

8月28日セルリアンタワーにて、11月1日から上演予定のシアターコクーン・オンレパートリー2015『青い瞳』の製作発表が行われた。

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本作『青い瞳』は、演出家、映画監督、個性派俳優と幅広く活躍する岩松了が手がけるシアターコクーンプロディース第5弾の書下ろし作品。
岩松と『羊と兵隊』以来7年ぶりにタッグを組む中村獅童、『冬眠する熊に添い寝してごらん』でシアターコクーンの舞台を踏んだKAT-TUNの上田竜也、昨年シアターコクーンで舞台デビューを果たした前田敦子、岩松と20年ぶりに競演を果たす勝村政信、岩松とはプライベートでも親交があるという伊藤蘭と、豪華なキャストが登壇した。

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― 本作の意気込みをお願いします。
岩松了(以下岩松)は「戦争から帰ってきた帰還兵の話をやりたいと思っていました。ちょうどこの時期にできる、しかもこんな豪華なメンバーでできるという事で僕自身がワクワクしています。前田さんと上田くんは、新鮮な僕としては新しい出会いなので、お互いに触発できればいいなという気持ちでいっぱいです」と、喜びを噛み締めているようだった。

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中村獅童(以下中村)は「非常に尊敬していて大好きな岩松さんと、またご一緒させていただけるのが嬉しいです。しかも、お母さんが伊藤蘭さんで妹が前田さんでしょ!いやー、本当に嬉しいですよ(笑)。いまからとってもワクワクしています」と嬉しそうに語った。

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上田竜也(以下上田)は「シアターコクーンの舞台に立てるのは2年ぶりということでとても感謝していて嬉しく思っています。そして、岩松さんの演出ということでとても楽しみにしています。また、前回に引き続きこれだけ素晴らしいキャストのみなさんが揃っているので、色んな事を吸収しつつ勉強して自分の役柄を追及していきます」と真摯に語っていた。

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勝村政信(以下勝村)は「あらすじを聞いたのが今日が初めてで、何を意気込んだらいいのか・・・まだ意気込めない状態です。(会場から笑が漏れる)皆さんよろしくお願いします」と会場を笑わせた。

伊藤蘭(以下伊藤)は「岩松さんがお書きになった言葉をそのまま語っていれば間違いなく面白い事になるのだろうという事は確信しています」と、優しい笑みを浮かべながらも凜とした姿勢で答えた。

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「台本は?」との質問に岩松は「着々と進んでいます」と微笑んだ。

― まだ舞台を見たことがない方に舞台の楽しみ方など一言いただければ・・
中村は「インターネットでは伝わってこない生身の人間のぬくもりであったり一つの空間で時間を共有して同じ夢を見たり泣いたり笑ったり、生の演劇ならではの事なので、体感していただきたいなと思います」と、熱く語った。

上田は「獅童さんがおっしゃるように、LIVEの迫力と、後は色んな角度からキャラクターを見えたりとか、映像ではなかなか見えないような角度だったりとか、そういうものを観ることが生の醍醐味なんじゃないかなと思います」と力強く答えた。

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前田は「私と同世代の子達は見に行く勇気が出ないんだろうなって思うんですよ。もっと身近に感じて欲しいなって思いますね。映画と同じような気持ちで足を運んでもらえるきっかけができたらいいなって思います」と「気軽に見に来てほしい」とアピールした。

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勝村は「自分の目で自分の感覚で演出家のような目でも見られるし、そういうことが体験できるのがLIVEのみだと思うので、それをできないことは本当にもったいない気がします」と舞台の楽しさを伝えた。

伊藤は「照明であったり音響であったり役者さんや演出家の力いろんな人の力が結集してその世界を作り出していくというそのエネルギーに圧倒されることが多くて、それを体感してもらえたらと思います」と自身の体験談から語った。

 人前に立たれることが多くても緊張されますか?
中村は「全て見透かされちゃうんじゃないですかね、芝居が上手い下手ではなく、役者は普段が大事だといわれますけど、自分をもっともっと深めていかないと薄っぺらでは生き様すら見えてしまうという怖いところがあります」と、率直に答えた。

上田は「獅童さんの言葉を受けて、自分が薄っぺらい人間じゃないことを祈ります。(会場笑)でも、本当に稽古を一ヶ月して、自分のしてきた事を、緊張はするでしょうけど、それを楽しんで、練習した事を信じて本番に臨みたいと思います」と、少しおどけながらも、意気込みを感じる発言をした。

― 岩松さんの作品の印象、岩松さんの印象を教えてください。

上田は「そうですね、あの・・・岩松さんの何気ない台詞がとても大好きなんですよね。さりげなく言った台詞がとても自分の心に「あ、なるほどな」と刺さったりとかする台詞がきっと今回も色んな楽しい台詞が飛び交うんだろうなと思っているのでとても楽しみにしています」と、表情も明るく答えた。

前田は「役者さんの岩松さんが大好きなので、一緒の舞台に立てることがとても嬉しいです」と、微笑んだ。

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囲み取材
「美しいお母さんとかわいい妹さんでいかがですか?二人の印象は?」と言う質問に中村は「嬉しいです」と、笑顔になり「前田さんはお店で見かけたことがあって、ご挨拶程度でしたが」と、エピソードを披露。それに追随して、前田が「お友達と食事に行ってたときにお会いしてご挨拶しました」と、補足した。
前田に「中村さんの印象は?」と、質問が飛ぶと、「沢山舞台をやられていて頼もしいなと思っています。いっぱい甘えさせてもらおうと思っています」と、チャーミングな表情を見せた。
「上田くんは今回前田さんとのラブもあったんですよね?」という記者の質問に対し、上田は「いや、それは岩松さんに・・・」(笑)と、岩松に鉢を回した。それを受けて岩松は「それはストレートなものではなく、屈折していると思います」と、まだ見えぬ物語の一端を明かした。
「共演としてはいかがですか?」と上田に問うと「そうですね。こういったお芝居の場面では・・歌番組ではあるでしょうけど、こうやってお仕事させていただくのは初めてなので、とても新鮮な気持ちですね」との答え。「さらに、こんな彼女が居たらどうですか?」と尋ねられると「こんな彼女がいたら・・・・とてもお綺麗な方なので、嬉しいですね、勝村さん!」(会場笑)と、勝村に振ると、「そうですよ。岩松さん、上田くんと僕の恋愛はないんですか?!」(会場笑)と、岩松にむちゃぶり。岩松は「いやいや、今考えました」(笑)と、まさかの展開を予感させた?!

また、岩松に対して「伊藤さんと夫婦役で嬉しそうでしたが特別な思いがあるのでは?」という質問に対しては「アハハハ。僕は割りと節操のある人間なので、仮に欲望があってもさりげないものに仕上げます」と照れながら答えた。最後は「僕は早く本をあげることに集中しておりまして、とにかく本の事で迷惑かけないようにしたいと思っています」と述べ、伊藤から「素晴らしい本をお待ちしております」と声を掛けられると「頑張ります」と言う一言で会見は終了した。

あらすじ
『青い瞳』は、ある戦争終結後の地域社会が舞台。神経のすり減るような戦場での経験を抱えながらそれぞれの故郷に帰る兵士たち。両親と妹のもとに帰ったツトム(中村獅童)もそうした一人だった。厳格だったはずの父(岩松了)は気弱な物言いしかしてこない。母(伊藤蘭)は心から帰還を喜び、前のめりになるほどの勢いでツトムに「社会復帰」の大切さを説く。家族もまたどう扱っていいのか正解が見つけられず、どこか不自然だった。そんな中、妹のミチル(前田敦子)ははつらつとした若さをぶつけるようにツトムに一点の曇りもない青春を見せてくれるが、ツトムの心は晴れない。戦場に真実があるというのではない。多くの失った戦友たちの魂を思う自分と、故郷での日々はあまりにも距離があるからだ。ミチルがチンピラグループの一員のサム(上田竜也)とつきあっていることに気付いたが胸にとどめることにした。
酒場で知り合ったそのグループのリーダー格の青年アライ(竪山隼太)には馬鹿にされたような思いと同時に敗北感さえ感じてしまう。自らの価値のありかを見失い、ふさぎ込むツトムの前に現れたのは、かつて子どものころ自分を心の迷いから救ってくれた「タカシマさん(勝村政信)」だった…。

 

公演概要 シアターコクーン・オンレパートリー2015 『青い瞳』
【作・演出】岩松 了
【出演】
中村獅童 上田竜也 前田敦子
岩松 了 勝村政信 伊藤 蘭
【公演期間】 2015年11月1日~26日
【会場】 Bunkamuraシアターコクーン