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「Being at home with Claude~クロードと一緒に~」公開稽古

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昨年5月に日本初演を行い、絶賛された舞台「Being at home with Claude~クロードと一緒に~」が、新たなキャストを迎えて4月17日からシアタートラムにて再演される。

左 唐橋充 右 山口大地

今回は、主演の「彼」を松田凌がシングル・キャストで演じ、「刑事」と「速記者」を山口大地・唐橋充の2人が入れ替えで演じるスウィッチ・キャスティングで上演する。
初演から続投する鈴木ハルニと、4人だけで作りだす濃密な舞台。
その稽古場を訪ねた。

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30年前にフランス語で書かれ、1986年の初演以来、英語に翻訳されてカナダ、イギリスで繰り返し上演されてきたこの作品。
登場人物は、自首してきた若い男娼「彼」と、彼を取り調べる「刑事」、そのアシスタントの「速記者」と警護官の4人だけ。
この日公開されたのは、山口大地が「刑事」を、唐橋充が「速記者」を演じるCyanバージョンだ。

稽古開始前にはにこやかに会話を交わしていた出演者たち。
警護官役の鈴木ハルニの「家からこの衣装で来ました」との発言に大きな笑い声があがった。

稽古がはじまると、空気は一変。
「刑事」の長い台詞に、その場の誰もがめり込むように引きつけられてしまう。
だが台詞をぶつけられている「彼」はクールに表情を変えない。
しばらくは「刑事」が一方的に怒りをぶつけているように見えたが、すぐにその澄ました表情の奥で「彼」の頭脳が素早く激しく回転し、何かを計算し、はじき出しているように感じられてくる。

張りつめた空気が、見ているこちらにものしかかってくる。
カメラのシャッター音さえ憚かるような緊張感の中、その緊張感に巻き込まれる心地よさを感じながら、「彼」と「刑事」の一騎打ちを見守る。

ふたりの膨大に思える台詞の応酬の合間に、ときおり舞台に登場する「速記者」と「警護官」にも、何か含みがあり、裏があるように思えるのは、この張りつめた空気のせいだろうか?

登場人物の一挙一動、言葉のすべてに深い意味が込められているように思えて、全てを聞き逃さないように耳をそばだててしまう。
事件の真相に、登場人物たちの背景に、興味をかきたてられて、見ているこちらも息をひそめて見守ってしまう。

「刑事」が繰り返す尋問に「彼」が表情を、動きを変えてまもなく、公開稽古は終了。
「彼」の素顔が垣間見えたところだっただけに、物語のその後の進展が、「彼」の素顔が大いに気にかかる。

この事件の真実は何? 一体どうあばかれていくのだろう?
その時に「彼」が「刑事」は、どんな表情をみせるのだろうか?

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*あらすじ*
自首してきた「彼」は、苛立ちながら刑事の質問に、面倒くさそうに答えている。男娼を生業としている少年=「彼」に明らかに軽蔑した空気で対応している刑事。被害者は、少年と肉体関係があった大学生。インテリと思われる青年が、なぜ、こんな安っぽい男娼を家に出入りさせていたか判らない、などと口汚く罵りながら犯行状況を確認している。押し問答のような対応をする少年との取り調べ時間の長さに対して、十分な調書を作れていない状況に、室内の空気は険悪。殺害後の「彼」の足取りの確認に始まり、どのように二人が出会ったか、どのように被害者の部屋を訪れていたのか、不貞腐れた言動でいながらも包み隠さず告白していた「彼」が、言葉を濁し、または彼の言葉では説明しきれないのが、殺害の動機。
殺害後の行動については饒舌に語る「彼」が、殺害動機については刑事に理解できない曖昧な言葉を繰り返す。
順調だったという二人の関係を、なぜ「彼」は殺害という形でENDにしたのか。
浮気でも、大学生にあきた訳でもない、その殺害の理由を“彼”がようやく語り始めた時、判事の到着時間となり、その理由に心を打たれ始めた刑事が、やるせない思いのままで彼は部屋を去る。
裁判所の判事室という密室を舞台に、4人だけの登場人物。
「彼」と刑事の濃厚な会話から紡ぎ出される真実までの全1幕。
(上演時間:約100分)

公演概要: 「Being at home with Claude ~クロードと一緒に~」
◇作   :ルネ=ダニエル・デュボワ
◇翻訳  :イザベル・ビロドー/三宅 優
◇上演台本・演出:古川 貴義
◇出演    :松田凌  山口大地  唐橋充    鈴木ハルニ
◇公演会場 シアタートラム
◇公演日時 4 月17日(金)~23 日(木) 全10 公演
※R-15 と同程度のセクシュアルな表現があるため、15 歳未満の入場をお断りします。
◇HP : http://www.zuu24.com/