2000年に公開された名作映画『BILLY ELLIOT』(邦題「リトル・ダンサー」)を、この映画の監督であり、数々の舞台を手掛けてきたスティーブン・ダルドリーが、ミュージカル化したのが、このミュージカル『ビリー・エリオット~リトル・ダンサー~』。
エルトン・ジョンが楽曲を担当し、2005年のロンドン・ウエストエンドでの初演から10年以上のロングラン。2009年にブロードウェイ進出後には、トニー賞で10部門受賞という大ヒット作品が、2017年7月から日本人キャストで上演される。
このミュージカルの主人公ビリー役を選ぶ「日本初代ビリー役オーディション」は、昨年11月から募集が始まり、応募者は1346名。
書類審査を経た450名から今年4月に選ばれた10名が、バレエ、アクロバット、タップダンス、ジャズダンスなどのレッスンを受けた。
8月に行われた3次審査で7名に絞られ、さらにヒップホップ、歌などのレッスンも加わった。
12月の最終オーディションを経て、ついに昨日、4人のビリー役(クワトロキャスト)が決定。翌12月18日の披露となった。
写真 左から 加藤 航世 木村 咲哉 前田 晴翔 未来 和樹
このお披露目会見の最初に挨拶に立った主催のホリプロ代表取締役 堀義貴社長は「2005年に(ロンドン初演を)観た時にはうちひしがれるように泣き続けた。『こんなもの、自分たちにはつくれない』『日本の演劇で、これを作れるはずがない。でも是非ともやりたい』と思った」「決してファミリーミュージカルではない。ひとりの人間が計画を立てて実現していく物語であり、大人たちが閉塞した現実の中で1つの希望を見出して変わっていく物語」と作品のすばらしさをアピールした。
次いで登壇したのは、すべてのキャストオーディションに参加し、今後の稽古にも加わる 海外クリエイティブ・スタッフ。
「ビリーはバレエ、アクロバット、タップダンス、歌に演技とたくさんのスキルを身につけなければならない。でもスキルだけがあってもビリーになれない。私たちがさがしているのは、きらめき。少年の中にある、性格にある、眼の中にあるきらめきです」「4人とも全然違う、個性を持ったビリーになってくるだろう」「長いオーディションや稽古についてこられる、タフさも見ている」「最終的には、物語を表現する喜び、歌やセリフで物語を語ることができるかも見てきた」というシビアな話も出る一方で、「オーディションの結果を伝えてから、会うのは初めてでとても嬉しい」と、子供たちとしっかりと絆ができていることを感じさせるコメントもあった。
後列左から トム・ホッジソン スティーヴン・アモス サイモン・ポラード ルイーズ・ウィザーズ