2012年、2013年とに『Chess in Concert』日本ヴァージョンが上演され、大好評を得た舞台が、ミュージカルとなって上演される。
9月27日の開幕を控え、熱のこもった稽古が公開された。
【公開稽古】
公開されたのは序章から約15分。
♪「1956-Budapest is Rising」
始まりから国旗が登場。迫力満点で時代背景が鮮明に。
♪「ストーリー・オブ・チェス」歌:田代万理生
♪「Diplomats」歌:安蘭けい、石井一孝、田代万理生、中川晃教
【囲み取材】
主演の四人、安蘭けい、石井一孝、田代万理生、中川晃教が登場した。
フォトセッションから始まったのだが、3度目の競演となる安蘭けい、石井一孝、中川晃教は自然に肩を組み、言葉を交わし、互いにツッコミを入れながら視線を動かす。田代万理生はいくらか遠慮気味…に見えたのだが、実は…?
まずは自分の役柄を紹介。
「ハンガリー動乱で両親を亡くすという暗い過去を持つ女性」「アッキー、中川くん扮するアメリカのチェス チャンピオンのセコンド、『あしたのジョー』で言えば丹下さんの役(「団平!」と石井の声)をさせて頂きます」と安蘭けい。
石井一孝が「ロシアのチェス チャンピオン役で、安蘭けいさん扮するフローレンスを中川くんと取り合って、見事にゲットする!」と力強く言い切って歓声があがったが「そういう成り立ちで行ってみたいと思います」と最後はソフトにまとめて笑いが起こった。
「この作品でもっともミステリアスな役、アービター(審判)という役を演じさせて頂く」という田代万理生が、3人を見渡して「この自由な方々の審判をつとめさせて頂きます」と言うと出演者の笑い声が響いた。
「ボビー・フィッシャーという実在した天才チェスプレイヤーがモデルのフレーリック・トランパーというアメリカ人のチェス選手を演じる」中川晃教。「素晴らしい音楽に心から感動しながら、一日も早く本番の幕を開けたいと思っている」とワクワク感いっぱいの挨拶をした。
コンサート版との違いについて「ストーリーが分かりやすくなっていて、キャラクターの個性が色濃くでている」(安蘭けい)「ABBAが書いた音楽が、私達のなかで熟成されてきていると感じています」(中川晃教)ということで、コンサート版を観た方は、違いも楽しめそうであり、初めての人にも分かりやすい作品になっているようだ。
そして、新キャストの田代万理生が加わったことについて、安蘭けいが「みなさん、ご存じかと思いますけれど、とても自由な中川くんと石井さんなんですけど、万理生くんが来ることによって、私が仕切れなかった部分をすべてやって頂いている感じで、審判のように俯瞰しながら自由な人たちを見ているんですけど、助けるところは助けてもらい…。かずさんもね」と語ると、石井は「はい!助けて頂いています!」。
さらに安蘭は「(田代は)この中では一番若いですが、一番しっかりしているので頼りにしています」と田代に目礼した。
更に石井に「むちゃくちゃ歌が上手いので、歌で稽古場を支配している」と言われた田代万理生は「稽古初日にプロデューサーから『3年間熟成させて、この日本初演をむかえることができた』とおっしゃっていて、そこに今回、僕がポット入って、皆さんのお力をお借りしている」「僕にとってのオールスターのメンバーで、この難作、名作と言われる『CHESS』の日本初演を迎えられることにワクワクします」と一気に話す。
「カンパニーの雰囲気は?」と尋ねられて考え込むと、「面白いことを言わなきゃダメだよ」と中川に突っ込まれて苦笑いになっていた。
実力派キャストのチームワークも最高のようす。どんな舞台を見せてくれるのか、9月27日の初日が待ち遠しい。
「CHESS THE MUSICAL」
[東京公演]2015年9月27日(日)~10月12日(月) 東京芸術劇場 プレイハウス
[大阪公演]2015年10月19日(月)~25日(日) 梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ
【作曲】ベニー・アンダーソン ビョルン・ウルヴァ―ス 【原案・作詞】ティム・ライス
【演出・訳詩】荻田浩一 【音楽監督】島 健
【出演】安蘭けい 石井一孝 田代万里生 中川晃教(五十音順)
AKANE LIV 戸井勝海 天野朋子 池谷京子 角川裕明 高原紳輔
田村雄一 遠山祐介 ひのあらた 横関咲栄 大野幸人