作曲のワイルド・ホーンはじめブロードウェイの一流スタッフと日本の最高のキャスト&製作陣がタッグを組み、世界へ送り出す新たなミュージカル『デスノート The Musical』。
その開幕を来月、4月6日にひかえて、5曲の楽曲が披露されるという歌唱披露会が行われた。
会場となったのは、大きなセットが組まれている稽古場。そのセットのスケールの大きさに驚きながら、開始を待った。
【歌唱披露】
1曲目 「できるものなら」
浦井健治は夜神ライトがデスノートを拾い、初めて犯罪者の名前を書き入れ、その死を知る場面まで、
柿澤勇人は夜神ライトが初めて犯罪者の名前を書き入れ、その死を知る場面までを披露。
歌うだけではない。「僕こそ、新世紀の神なのだから」というライトの強い気持ちが楽曲からあふれてくる演技だった。
2曲目 「恋する覚悟」
トップアイドルのミサ(唯月ふうか)が、コンサートでダンスナンバーを歌うシーン。
夜神ライトと共にコンサートを見に来ていた死神リューク(吉田鋼太郎)が、舞台に乱入。
だが、リュークの姿は夜神ライトにしか見えない。
吉田はマントをまとっただけで見事にワルノリするリュークに変身。本番ではどんな姿・どんなメイクでどんな演技を見せてくれるのか、ますます期待が膨らんだ。
3曲目 「死のゲーム」
犯罪者を次々を裁くキラと呼ばれている人物は夜神ライト(浦井健治)に違いないと考えるエル(小池徹平)。
ライトと同じ大学に入学し、入学式でライトに対して、自分がエルであることを告げる。
対決する二人。二人の視線がぶつかって、見えない火花が散っていた。
4曲目 「愚かな愛」
死神レム(濱田めぐみ)のデスノートを拾ったミサ(唯月ふうか)は、第二のキラ容疑で逮捕されてしまう。
死神は人間を助けると死んでしまうというルールに反し、レムは拘束されているミサを助けたいとこみ上げる想いを歌い上げる。
一見理不尽とも思えるレムの気持ちだが、濱田の歌が心に沁みこんでいく。歌の力、歌の魔法を感じた一曲。
5曲目 「正義はどこに リプライズ」
1幕ラストを飾る群衆によるナンバー。
世の中がキラに洗脳され、キラ(柿澤勇人)を神とあがめている。
迫力ある楽曲と歌唱に引き付けられたのはもちろんのこと、生き生きとくっきりとした個性を見せているキャラクターたちによって、すっかり物語の世界の中へ引きずり込まれてしまった。
衣装もメイクもなくとも、個性を光らせ、迫力をもって見せてくれた『デスノート The Musical』。
本番の舞台で、セットに衣装、メイクと揃った時に、どんな世界を見せてくれるのか。
そして、漫画ともアニメとも映画とも違う、まさに生きたキャラクターたちが、観客の目の前でどう動き、どう物語を生み出していくのか。
このデスノートという事件の目撃者に、なんとしてもなりたいと思わせてくれた『デスノート The Musical』歌唱披露会だった。
【質疑応答】
その後、舞台上で浦井健治、柿澤勇人、小池徹平の三人が記者の質問に答えたのだが、その中で繰り返されたのが「オリジナルキャスト」という言葉だ。
「日米双方の熱い気持ちをヒシヒシと感じながら取り組んでいる」という浦井。「オリジナル・キャストとしての誇りを持って、取り組んで欲しいとワイルド・ホーンさんに言い置かれた」と語る。
柿澤も「ワイルド・ホーンさんにブロードウェイの俳優はオリジナルキャストを夢見て、日々努力している」「僕たちは世界初演のオリジナルプロダクション。これが成功すれば世界各国で上演されるかもしれない」と熱い期待を語った。
一方「ミュージカルの(経験が)浅すぎて語れない」と笑った小池徹平だが「だいぶエルに馴染んで来たという感覚があります」「ずっとエルのことを考えて、私生活も『暗いな、俺』と思うことが結構多い」「いいぐらいに役と向き合えているなと思っていますし、がんばりたいなと思います」と静かな意欲をみせた。
【公演情報】 『デスノート THE MUSICAL』
【東京公演】
公演期間:2015年4月6日(月)~4月29日(水・祝)
公演会場:日生劇場
チケット:S席 13,000円 A席 9,000円 B席 4,000円
http://deathnotethemusical.com/
【全国公演スケジュール】
【大阪公演】
5月15日〜17日 梅田芸術劇場メインホール
【名古屋公演】
5月23日~24日 愛知県芸術劇場 大ホール