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舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These 第三章 ~嵐の前~」3月21日にテレビ初放送決定!永田聖一朗 インタビュー

舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These 〜第三章 嵐の前〜」が3月15日にテレビ初放送される。原作は田中芳樹による壮大なSF小説。数千年後の未来を舞台に、対立する銀河帝国と自由惑星同盟の歴史を動かす、英雄たちの物語だ。放送を前に銀河帝国のラインハルト・フォン・ローエングラムを演じた永田聖一朗がインタビューに応じてくれた。

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──舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These」で2018年の第一章からずっとラインハルトを演じられています。昨年の「第三章 嵐の前」で3公演目。いかがでしたか?

第一章や第二章のときには見えなかったものが見えてきて、各々のキャラクターとの関係性の深掘りができて面白かったです。特に(加藤)将さんが演じるキルヒアイスとの関係は僕たちならではの掘り下げ方ができたのではないかと思います。

──加藤さんとはミュージカル『テニスの王子様』でチームメイトを演じていて、「銀英伝」でも同じ帝国に所属する唯一無二の相方に。

はい。だから稽古中に壁にぶつかった時も将さんがいると安心できました。泣きながら将さんに電話して、朝まで付き合ってもらったことも。とても素晴らしいカンパニーなのですが、悩むことはしょっちゅうありました。もっと周りを見る必要があったんじゃないか、もっと作品全体を見ていたらできたことがあったんじゃないかと、悔しく情けない思いをしたことがあって……。その僕らの関係がラインハルトとキルヒアイスの役作りにつながっていったと思っています。

──演じるラインハルトは、キルヒアイスに見せる笑顔とほかの人に対しての笑顔で表情が全然違っていました。

そこはある程度意識をしてやってきました。キルヒアイスに見せる顔と、ほかの部下たちに見せる顔は違うし、戦いにワクワクするときの笑顔もまた違います。でも第三章では意識するというより自然とそうなっていたんじゃないかなあ。ラインハルトとして生きていたらそれが普通、みたいなところはありました。

──ラインハルトというキャラクターの魅力をどんなところにあると考えていますか?

彼はカリスマ性の塊です。それと器量があって、さらに子どもらしさも持っていますね。キルヒアイスに見せる笑顔もそうですし、「姉上、姉上」ってアンネローゼを慕う様子も、カリスマ性とは正反対の部分です。その二面性がラインハルトを作っているのかなと。それと、いろいろな人との出会いの中で変わっていくことを恐れない姿勢が感じられて、それがラインハルトの魅力であり作品全体の魅力でもあると思っています。

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──「銀英伝」ならではの演技の苦労や気をつけていたことはありますか?

帝国は貴族社会なので、様式美を大事にしていました。固いことを言っている中に皮肉や遊びが含まれているので、皮肉を皮肉に、冗談を冗談に、ちゃんと聞こえるように心がけて話していました。それとセリフに普段使い慣れていない言葉がとても多いので、口を慣らさないといけなくて、家でもずっとセリフを口に出して練習していました。口を覆うと声が漏れない器具があるんですよ。ご近所迷惑にならないようにそれを買って。本番が始まってからも、毎公演ごとに必ず全部のセリフを喋ってから舞台に立つようにしていました。

──毎公演、開演前に全部のセリフをですか?

僕だけじゃなくみんなやってたんですよ。開演1時間前くらいから舞台の上でみんなそれぞれ自分のセリフを言っていて、バラバラにやってるんですけど、たまに誰かが言ったセリフにほかの誰かが絡んできて、シーンが始まったりもしてました。マチソワ間(昼公演=マチネと夜公演=ソワレの間の時間)も舌が回らなくなってしまわないように、みんな気をつけていたと思います。

──座組の皆さんが同じ高い意識を持ってやっていらっしゃったんですね。

「銀英伝」って、小劇場だったり大劇場だったり2.5次元だったり、いろんな畑の人が集まってるんですよ。そういう中で僕はいろんな方の芝居を見て「なんて僕の世界は狭かったんだろう」って思いました。先輩方のお話を聞いて勉強になったこともたくさんあるし、演出の大岩(美智子)さんも素晴らしい言葉をいつもたくさん伝えてくださるんです。「(永田と)出会って一年やってこれたことが私にとって財産です」とか。僕は助けられてばかりなのにこんなにうれしいことってそうないですよね。

──「第三章 嵐の前」の放送にあたって、ぜひ注目してほしいところを教えてください。

個人的には、第一章、第二章からのラインハルトとキルヒアイスの関係の変化。それからオーベルシュタインが登場したことでラインハルトが徐々に変わっていくところも見ていただけたらと思います。今まで見せたことのない悪の道というか、残酷な顔も見せるので。作品としては、これまでは帝国と同盟がそれぞれの芝居をしていたんですが、今回、まだ直接対決ではないけれど水面下で戦いが始まってそれぞれの物語がつながりはじめるので、そこを楽しんでいただけたらと思います。

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[プロフィール]
SEIICHIRO NAGATA
1998年7月9日生まれ。静岡県出身。
2016年よりミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンに青学9代目菊丸英二役として出演し人気を博す。最近の主な舞台出演作に、『野球』~飛行機雲のホームラン~、舞台『銀河英雄伝説Die Neue These』シリーズ(主演)などがある。ドラマ『神話劇場 神々と人々の日々』が4月より放送開始。4月に斬劇『戦国BASARA』豊臣滅亡、5月に 舞台『ギリシャ神話劇場 神々と人々の日々』、7月に舞台『機動戦士ガンダム00 -破壊による覚醒-Re:(in)novation』に出演する。

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取材・文:臼井祥子
撮影:鷹野政起
ヘアメイク:野澤幸雄(studioAD)

Die Neue Theses

舞台「銀河英雄伝説 Die Neue These ~第三章 嵐の前~」
CS衛星劇場にて テレビ初放送! 3月21日(土)午後11:00~

2019年
[原作]田中芳樹(東京創元SF文庫『銀河英雄伝説』 シリーズ)
[演出]大岩美智子
[脚本]米内山陽子
[構成・監修]高木登

[出演]銀河帝国:永田聖一朗、加藤将、畠山遼、 釣本南、君島光輝、藤原祐規 自由惑星同盟:小早川俊輔、米原幸佑、伊勢 大貴、小西成弥、碕理人、汐月しゅう、大高 雄一郎、福永マリカ、他

(C)舞台「銀河英雄伝説」制作実行委員会

田中芳樹のベストセラー小説『銀河英雄伝説』の舞台シリーズは、2011年から2015年にかけて全11作品が上演された。累計動員数は約13万人に達し、2015年に惜しまれながらも幕を下ろした。その舞台『銀河英雄伝説』が新作アニメの放送にあわせて、2018年、新・舞台シリーズとして再び動き出した。2019年春公演の第二章に引き続き、2019秋に上演された待望の第三章を放送!

【ストーリー】
物語は数千年後の未来、宇宙空間に進出した人類が、銀河帝国と自由惑星同盟の二国に分かれていた。この二国間の対立は 実に150年に及び、際限なく広がる銀河を舞台に、絶えることなく戦闘が繰り返されてきた。そして、二人の天才の登場によって 歴史は動いていく。「常勝の天才」ラインハルト・フォン・ローエングラムと、「不敗の魔術師」と呼ばれるヤン・ウェンリーである。ヤンの知略で難攻不落と言われたイゼルローン要塞攻略に成功した自由惑星同盟は、この勝利で束の間の平和を求めたヤンの思惑とは逆に、帝国領に大群で侵攻という愚挙に出た。迎え撃つのはラインハルト。常勝の天才が壮大な戦略で同盟軍を攻め立てる一方、帝国軍内部にも不穏な状況が生まれつつあった。戦いの行く末は――。こうして銀河の歴史は新たな展開へと向かう。
(2019年10月24日~10月27日 Zepp DiverCity(TOKYO))