ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズン　青学（せいがく）古田一紀、財木琢磨、眞嶋秀斗インタビュー

in INTERVIEW, Interview(STAGE/MUSICAL), STAGE/MUSICAL · 2016/04/24

Tags: Dream Live, ミュージカル『テニスの王子様』, 古田一紀, 眞嶋秀斗, 財木琢磨

初演から10年を超えて愛されつづけ、進化し続けているミュージカル『テニスの王子様』。数多くのスターを輩出し、現在の2.5次元ミュージカルの隆盛も『テニミュ』があったればこそ。そんな偉大な作品は現在ミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンまっさかり。「青学（せいがく）vs不動峰」「青学（せいがく）vs聖ルドルフ」「青学（せいがく）vs山吹」と公演を重ね、TEAM Liveも行われてきた。

5月には3rdシーズン初となるDream Live（通称ドリライ）を、7月～9月には青学（せいがく）を脅かす、圧倒的な存在感を放つ氷帝との「3rdシーズン青学（せいがく）vs氷帝」が開催される。
そして3rdシーズンを支えてきた青学（せいがく）キャスト12名が、この「3rdシーズン青学（せいがく）vs氷帝」公演で、テニミュを卒業することも発表された。

Astageはこのミュージカル『テニスの王子様』3rdシーズンの青学（せいがく）メンバーのインタビューを2回にわたってお送りする。

2回目の今回は、越前リョーマ役の古田一紀、手塚国光役の財木琢磨、桃城武役の眞嶋秀斗の三人を迎えて、ファンからAstageのツイッタ―に寄せられた質問を中心に、この1年余りを振り返りつつ、ひとりひとりの舞台への思いを聞いた。

眞嶋秀斗、古田一紀、財木琢磨、

―ファンの皆さんから寄せられた最初の質問は「○○が楽しかった」です。如何ですか？
眞嶋：TEAM Live SEIGAKUの京都公演で、宿泊先が初めて個室でなくて畳の大部屋だったんです。初めて皆と一緒の部屋でね。
古田：修学旅行みたいな感じになりました。
眞嶋：宿に着いて早速部屋に入ったとたん、男子のノリって感じで柔道しました。
古田：戦いましたね。
眞嶋：僕も中学の時にちょっと柔道をやっていたんですが、河村隆役の滝川広大さんが経験者で本当に強いんですよ。皆がどんどんなぎ倒されていって…。30分くらいやりましたね。あれは楽しかったなぁ。
古田：あれは本当に楽しかったね。
財木：でもあの時は2部屋に分かれて、僕はとなりの部屋だったんだよ。
眞嶋：なぜか自然と分かれたね。
財木：隣の部屋なので、行き来できるのですが、こっち側は静かにトランプをやっていましたね。

―ステージの上で楽しかったことは？
財木：山吹公演での『ラッキー千石』の時の広大と菊丸英二役の本田礼生のアドリブ…その日その日の自由なアドリブが、自分にとってはすごくきつかったです。42公演ある中で前半はそんなに動いてなかったのですが、東京凱旋公演から「もっと動こう、ベンチ！」となって、（滝川）広大が相手方のベンチまで走って行ったりするようになって。最終的に菊丸が僕のとなりにちょこんと座るはずなのに、広大が座るので僕が「なんだ？」と見ると、広大は僕の顔を見て「ほっ？！」と言いながら「何が可笑しいんですか？」みたいな表情をアドリブで入れてくるので、僕はもう本当に笑いを我慢するのに必死でした。
眞嶋：あの場面はベンチでの細かい演出が付けられてなくて…
財木：そうそう、自由にやらせてもらってね。
眞嶋：本当にそれぞれが自分のキャラとして生きている場面です。
財木：本当に明るい感じだったね。
眞嶋：僕は千石と試合をしていたのですが『ラッキー千石』の曲で青学（せいがく）のベンチを見ると「なにやってるんだ！こっちは試合しているんだぞ！」と。楽しそうな雰囲気で、目まぐるしく楽しかったです。

―では○○にこだわった…はありますか？
古田：俺は睡眠時間…寝る時間にこだわりました。「この時間までに寝るぞ」と。
眞嶋：帰り道でよく言ってたね。「今日は、俺、何時までに寝る!」と。
古田：日によって、公演や稽古が終わる時間がいろいろなので、このくらいの時間なら今日はこの時間に寝ようと決めていました。
眞嶋：僕は公演中の髪型ですね。桃城武が髪型にこだわりのあるキャラクターで、しっかり立てた髪型なので、自分もこだわるようにしていました。でも公演では汗をかくし、すぐ髪が広がるので、舞台袖に行ったら鏡を見て、人一倍、髪型には気を使いました。
財木：僕は会場が変わる度に自分の声がよく聞こえる場所を探して自分の声を聞いていました。例えばTOKYO DOME CITY HALLであれば階段のところが良く声が響くので、そこで歌ってましたね。毎回必ずやっていました。

―それぞれが良い公演のために毎日、積み重ねていたのですね。さてこの1年で「青学（せいがく）12人で一番変わったのは誰でしょうか？」
財木：誰だろう？
古田：俺の服がとても変わりました。(笑)

―ファッションですか？　どのように変わりました？
古田：昔の自分なら考えられないような服を着ています。
眞嶋：服にこだわるようになったってことだね。
古田：うん。
眞嶋：いきなりギンギラギンの靴を履いてきたことがあるよね。
古田：最近は色が抑え目になってきて、だんだん黒になってきています。

―ファッションについては「好きなファッションというテーマで話をしてもらえますか？」との質問も来ていました。
財木：このふたりがすごく…
眞嶋：いや、僕は…
財木：秀斗もすごいよ。独特だよ。柄がど～んとあったりするのを着てたりするよね。一紀もね。
眞嶋：一紀は価値にこだわるよね。
古田：うん。
眞嶋：指輪とかもビジュアルと価値で決めているよね？
財木：でもそれが似合っているから、いいんじゃないかと思うよ。
古田：自分が納得したファッションでなければ身につけたくないんです。服って大事だと思うのです。
眞嶋：服で気分が左右される？
古田：される。
財木：それは分かるわ。
眞嶋：最近は写真を撮ってもらう機会が多くなったので、自分がどういう服が好きなのかというのを大切にするようになってきました。
古田：シルエットが大事かな…素材感と。柄はそこまで大事だと思わないんですけど。
眞嶋：僕は柄の意味とかを考えてしまう。生き物の柄だったら、なんか…
財木：そんなことまで考えるんだ…。
古田：その日の服は直感で選びます。でも似合うかどうかよりも自分が好きか嫌いかが大事で、着たい服を着ます。
財木：へ～。そうなんだねぇ。

―今日のファッションもご自分で選ばれたのですか？
古田：はい。
眞嶋：僕は･･･今日の僕のペンダントですが、好きとかじゃなくてスペイン映画の『マジカルガール』を見てインスパイアされてスペイン雑貨のお店で買ったんです。なんとなくビビッときた物…僕はそういう感じですね。

―財木さんは？
財木：自分はファッションには特に興味を持っていないので「似合えばいいかな」くらいの気持ちなんです…。衣類って大事とは思いますが。

―三人三様ですね。さて、話は戻って「この一年で変わったメンバーは誰？」ですが…
財木：基本的に皆、変わっていますけど…
古田：（晒科）新がデカくなった！
財木：うん。背がすごく伸びたね。

―伸び盛りなんですね。
眞嶋：トリオは三人とも伸びている感じがしますね。
古田：生きているんでね。(笑)　キャラクターとしてとは別に、人間としても生きているから。(笑)
財木：最初は知らない同士だったから、メンバー同士も仲良くなかったけど…。
眞嶋：僕も最初は年上の人にはかしこまらなきゃ…と思っていましたけど、一年以上経って、お互いにいろんな面を知ったので遠慮したり、変な気を使ったりしないで接することができるようになりました。
財木：気を使わなくてよくなったのは大きいよね。
眞嶋：例えば…大石秀一郎役の（石田）隼くんをいじるじゃないですけれど、ちょっとふざけたり冗談言ったりできるようになりましたね。
財木：チームのメンバーと一緒の時間が楽しくなったね。
眞嶋：皆、変わったね。
古田：誰が…っていうのではなく、皆が変わったね。
財木：だからチームも変わったね。

―どんな風に変わったのでしょうか？
眞嶋：自分たちでもどう変わったのか、考えたことがあって、その時に出てきた言葉が「自由」でした。それぞれはひとりひとりが自由だけど、チームとなったら一丸となれるという。
財木：確かに、それが青学（せいがく）のカラーでもある…とも思います。
眞嶋：皆、それぞれで似てはいないんですけど。
財木：メンバーそれぞれが変わってきた、成長しているのを見てきたので、打ち解けることができたのかなと思いますね。

―「スタッフさんや演出家さんから言われた忘れられない言葉は？」
眞嶋：「3rdシーズン青学（せいがく）vs不動峰」公演の稽古場打ち上げの時、初めての公演が目前の時です。演出家の富田さんが僕たちのことを「君たちは僕らが自信を持って選んだキャストだから、自信を持って舞台に立ってこい」とおっしゃったのを聞いて、心の支えになりました。お蔭で自信をもって本番に向えたと思います。
財木：あれは心に響いたね。
眞嶋：本気で僕たちを選んで下さったんだから、僕たちも本気でこの役を演じようと思いました。言葉にして下さったので、本当にジーンときました。

―他にはありますか？
古田：不動峰公演のリハーサルの時に、僕のソロ…試合ではない時のソロを見ていた礼生くんが「おまえが一番かっこいいから頑張れよ！」と言ってくれて「頑張ろう！」と思いました。（笑）
眞嶋：それ、うれしいわ。
財木：僕はスタッフやメンバーから言ってもらうのも嬉しいですが、お見送りの時にお客さまが一瞬なんだけど「その一瞬だけでも伝えたい」と思っている気持ちを話して下さる時ですね。「今日もココがよかったです！」とか、お客さまひとりひとりが言って下さる言葉が嬉しいです。

―嬉しかった言葉で覚えているのは？
財木：「今日は本当に手塚に見えました」とか…ですね。不動峰公演までは言われることが少なかった言葉が、公演を重ねるにつれてたくさん言って頂けるようになって、すごく嬉しいことでした。

―励まされますね。
財木：はい。お見送りが好きなんです。
古田：お見送りはいいよね～。
財木：いいよね～！
古田：ファンの方にもおひとりずつ好みがあると思うのですが、その方の1番好みのリョーマになれたら嬉しいです。
眞嶋：僕もどんな言葉も嬉しいのですが、桃城というキャラなりの「どーん」をファンの皆さんがやって下さるんです。すると次のお客さまも「どーん」と言って下さる。そういう時は「桃城武という役をやれてよかったなぁ」と思う瞬間ですね。お見送りで一緒にいる他のキャストもやってくれたりして。一紀もたまにやってくれるよね。
古田：そうだね。たまにやるね。(笑)
眞嶋：それがホントに嬉しいです。「桃城だから盛り上げないと」とも思います。

―そうして役と自分自身がだんだんリンクしてきたりしますか？
古田：そこは…。
財木：どうだろう…。よく自分では分からないのですが、久々に会った友人からは「口数が減った」とか「声が低くなった」とか言われます。それが役の影響なのか、分からないのですが、変わったと言われます。
眞嶋：僕は同じ役を長期間やらせて頂くのは、テニミュが初めてなのです。長期間にわたって役のことを考えているので、リンクするのかなぁ。「桃城だったら、良く食べる。ガタイもいい」と考えると「普段の眞嶋秀斗もよく食べて力をつけなきゃ」と思うので、そういう点ではリンクしてきていますね。
古田：俺にもリンクするところがありました！リョーマはよく寝るんです。試合で全力を出したらすぐ寝ちゃう。俺もがんばって練習に行って、帰ってきたらすぐ寝てしまいます。夜じゃなくても寝ちゃいます。

―以前はそんなに寝なかったですか？
古田：はい。すごく昼寝もしちゃうので「俺って昼にこんなに寝てたか?!」と思います。

―さて「テニミュに参加して、最大のピンチを教えて下さい」
財木：ピンチかぁ…。
眞嶋：何回か、有ったような気がするんだけど…。
財木：聖ルドルフ公演のM1『Dream come true〜勝利への躍動』はピンチだと思いました。「これはマズイぞ!!」と思うくらいきつかったです。
眞嶋：歌だけ歌っている時に「これ、踊れるのかな？」と思ったね。
財木：ず～っと練習しましたが、すっごく難しくてどうしても最後の最後が合わない。「公演に間に合わないかも?!」と思うほどで、あの時は「ヤバイな…」と思いました。

―どうやって乗り越えたのですか？練習して？
財木：皆でいろいろな方法を試しました。ずっと叩きながらテンポをとって練習し続けて、楽屋でもずっと同じ曲を流したりして。
眞嶋：課題をあげて１つずつ克服していこうとしたね。公演始まっても「リズムに気をつけよう！」って言って、少しでも良いものにしようと。
財木：そうそう。
眞嶋：あれは本当に大変だった。

―眞嶋さんの個人的なピンチは？
眞嶋：山吹公演の試合です。
財木：ああ、あれね。
眞嶋：初めてシングルスをやって「越前リョーマの一紀がいつもどれだけ頑張っているのか」ということを初めて実感しました。
財木：汗の量がすごかったもの、ホントに。
眞嶋：滝のような汗で…。
財木：その汗を床にこぼしてしまうと、滑って危ないからとラケットのグリップエンドに狙って落とすって。

―え～！
眞嶋：後半に編み出した策なんです。
財木：一回汗で滑っちゃって危なかったからね。
眞嶋：その後に試合をする一紀と亜久津仁役の川上将大さんの試合を見ていると、たまに「キュッ、キュッ」という靴の音が聞こえてきて「ああ（僕の汗だ）やっちゃった…」と思っていました。シングルスではステージ上では、自分と相手と2人だけ。お客さんにも本当の試合を見ているような臨場感を感じてもらいたいので、全力を毎回出せるように、自分なりにいろいろ…コンディションを整え、台詞が動きの中でもちゃんと伝わるように、毎日「今日はここが…」と反省をして１つずつ改善していってピンチを乗り越えました。
古田：床に汗が落ちて水たまりのようになっている時もあるんですが、それを見るとめちゃくちゃ燃えます、試合中に。「他の人も頑張っているなぁ」と思って。

―そうやって励まし合って、良い意味で競い合って舞台をより良いものにしているんですね。さて、5月にはドリライがやってきます。「ドリライでやりたいことは？」
財木：チームライブでやったキャラとしてのアドリブをやった方がいい？やらない方がいい？
眞嶋：ライブだから歌と踊りだけど、ここまで青学（せいがく）がやってきた集大成というか、キャラの面でもひと味進化した青学（せいがく）を見せたいと思います。青学（せいがく）のカラーをもっと見せたい！他の学校に負けないように。会場も大きいので。
財木：そうだよね。
古田：会場の圧に負けないようにエネルギーを出していきたいなと思います。

―では最後の質問です。「古田さんがツンデレ気味であるという事を雑誌で知りましたが、皆さんが思う古田さんのツンとデレを教えてください」との質問が来ています。
古田：ツンデレじゃなくてツンドラです。
財木：何、それ？
古田：永久凍土ってこと。
眞嶋：そういうことね！
古田：ツンツンドライ。デレは無いんです。ツンデレではないですよ。

―ツンドラですか！でもこうしてお話を伺っていると、古田さんにはカワイイ部分が有りそうに感じますけれど…。如何でしょうか？
財木：コイツはすぐ照れるんですよ。だから褒めるとどうにかなります。(笑)
古田：これから褒め言葉が信じられなくなる～。
財木：礼生になんて言われたの？
古田：「オマエが一番かっこいい」（全員が爆笑）
財木：こんな言葉で一番喜んでいるんですからね。(笑)

―楽しいお話をありがとうございました！

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