6月25日(土)~26日(日)の大阪・サンケイホールでの公演に続き、『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』の東京公演が、6月29日(火)から華やかに開幕した。
湖月わたる、水夏希、原田 薫、緒月遠麻、大貫勇輔というキャストがフラメンコを通してスペインの恋と情熱を感じさせてくれる、心おどると公演となった。
「日本女性キャストが公演毎にダンステーマを設け、様々なジャンルの踊りにチャレンジし、ダンステクニックだけではなく、誰もが観て楽しめるシアトリカル・ダンスショーをお届けする」という人気の「DANCE LEGEND」シリーズ。
3回目となる今回のテーマはフラメンコ。だが、単にフラメンコを踊って見せるという公演ではなかった。
日本人にとってイメージ通りのフラメンコは勿論のこと、「これもフラメンコ?」とフラメンコのイメージを一新させられるダンスあり、フラメンコに受け継がれてきた熱き情熱を燃え上がらせるダンスあり。
初日6月29日昼公演を観劇した。
湖月わたる、水夏希、原田 薫、緒月遠麻、大貫勇輔が、1か月間、本場スペインでレッスン。スペインから招聘するベテランフラメンコダンサーとともにさまざまなフラメンコを見せてくれる。
舞台は4兄弟(長女ローラ・湖月わたる、次女カルメン・緒月遠麻、弟ルイス・大貫勇輔、他)が華やかで楽しいショーを見せてくれる【カフェ・デル・ガト】。オープニングはイメージ通りのフラメンコ 「GALLARDO」と闘牛士が現れる「Carmen Overture」。フラメンコらしい華やかさ楽しさにあふれるショーに、心躍りうっとりと見とれていると、やがてこれがただのショーでないことに気付かされる。
客の闘牛士がローラにモーションをかける。ローラも心ひかれていく。
そのさまを見ていたルイスが、2人が近付くのを阻もうとする。それでも距離を縮めていくふたり。
恋に落ちた2人と、2人を引き離そうとするルイス…その攻防がダンスに折り込まれて目が離せない。
ルイスの怒りが積もり積もっていく。その姿は姉を気遣う弟というよりは、嫉妬の炎に身をこがす恋人のよう…
ルイスの激しい思いが迫る演出と、決闘を思わせる踊りは、観る者をその熱情に巻き込んでいく。
やがて物語は大きな展開を見せる…。
この他、フラメンコのセクシーな美しさを堪能できるシーンや、宝塚の男役を彷彿とさせるかっこいいダンスシーンなど、思いがけないプログラムも次々。またフラメンコといえば女性ダンサーを思いうかべるが、男性のフラメンコダンサーの足さばきの美しさ、ステップの楽しさにも驚かされる。
スペインからの招聘ダンサーの、現代的でスタイリッシュなフラメンコは新鮮で、胸すく思いがした。
カーテンコールでは客席もフラメンコのリズムに加わって楽しみ、大きな手拍子が起こった。
観客も帰路には軽くステップを踏んでいそうな、心を踊る公演だった。
『フラメンコ・カフェ・デル・ガト』 の公演は東京芸術劇場プレイハウスで7月4日(月)まで。
DANCE LEGEND vol.3 BAD GIRLS meets FLAMENCO BOYS
『FLAMENCO CAFÉ DEL GATO』 (フラメンコ カフェ・デル・ガト)
構成・演出・振付:ホセ・バリオス(マリア・パヘス舞踏団 第一舞踏手・振付)
演:湖月わたる、水夏希、原田 薫、緒月遠麻、大貫勇輔 ほか
6月29日(水)~7月4日(月)東京芸術劇場プレイハウス
■料金:全席指定8,800 円(税込、東阪共通)※未就学児童入場不可
■公式HP: http://www.umegei.com/BGBB2016/