EXILEのメインテーマである「Love」「Dream」「Happiness」という3つの心を演劇の活動を通して伝えるべく結成された超進化系パフォーマンス軍団、「劇団EXILE」。2月27日(金)より上演される『Tomorrow Never Dies ~やってこない明日はない~』公演は、ハイクオリティなオリジナルJ-MUSICALで定評を博すカンパニー「三ツ星キッチン」とのコラボでも話題に。
公演に向けて連日稽古に励む中、秋山真太郎、小澤雄太、春川恭亮、小野塚勇人、八木将康、佐藤寛太の6名のメンバーが揃ってインタビューに応じてくれた。
― まずは自己紹介と役どころについて
秋山真太郎:妻を亡くし、母の介護のために沼津に戻ってきて子供を男手一つで育てている増田洋輔という役です。僕は妻も子供も持ったことがありませんし、何より父親の役も初めて。俳優として、年代によって様々な課題があると思いますが、これは僕にとって新たな挑戦の役なので、今からワクワクしています。いつも親友の子供を自分の息子のように接して一緒に遊んでいるので、そんな普段の行動が演技にも反映できたならいいなと思っています。
小野塚勇人:増田洋輔の弟、茂久という小学校教諭の役です。教師という役は、今の自分とはかけ離れた世界の存在ですが、実際に僕も次男で末っ子なので環境的には接点があるかもしれません。教師の情熱や直向きな姿勢が表現できたらいいなと思います。
八木将康:30年間ずっと地元で生活し、商工会のメンバーとして商店街を盛り上げようと活動している河嶋大悟という役です。僕は北海道出身で東京に出てきていますが、大悟はずっと地元に根付いている。大悟には兄がいてとても仲がいいです。僕にも兄がいますがあまり話もしないしクールな関係なので、河嶋兄弟と実際では似ていないかもしれません(笑)。でも、地元を盛り上げたいという兄の情熱は僕も尊敬しているので、そういうところを追求してチャレンジしていきたいです。
春川恭亮:広瀬正志という、地元の銀行員役です。地元の仲間と一緒に頭の固い大人と闘っていくところは、“劇団EXILE”の同志としてメンバーが力を合わせて舞台に立つことに近いものがあると思います。普段の僕らの関係をお見せできればいいですね。
佐藤寛太:プロのダンサーになるという夢を叶えるため、地元でアルバイトしながら上京資金を貯めている19才の池山准を演じます。今回のストーリーでは、大人たちが社会の中で葛藤していく姿は、それを身近で見ている准にとっても感じるものがあり、彼も一緒に成長していきます。僕は劇団EXILEに今年1月5日に加入しました。社会に出て1年目で知らないことばかりの准と、今の自分の環境とシンクロするものがあるので、等身大の演技ができると思います。
― 2007年に旗揚げをし、2016年の10年目に向かって「劇団EXILEの再生」をテーマにした中での演目。特に今回は初の音楽に拘った舞台に挑戦するそうですが、どのような舞台になるのでしょうか?
秋山:ストレートプレイとは違い、音楽がふんだんに取り込まれた舞台になります。今回は、初めて子どもたちが出演するので、子供たちと僕たちメンバーがどう絡んで、どのように色や音を出すのか・・・。初めての試みなので僕たちも楽しみです。
― 三ツ星キッチンさんと一緒に舞台を作り上げていくことについて
秋山:僕は昔、上條恒(三ツ星キッチン)さんと舞台で共演していましたので、以前から交流がありました。お互いにそれぞれの劇団で頑張ってきたのですが、このたび劇団同士のコラボが実現となりました。今回は出演者も多く、いつもの雰囲気と違う豪華な舞台になると思います。
役どころと実年齢について訪ねてみると・・・
年齢が近い役は、歳が離れた役のように何か色を足すことがないので、少し気が楽ではあると語る秋山。実際の兄とはあまり口を聞かないという八木は、「互いを思いやってはいるんですが、恥ずかしくて声をかけられないんです。ですから、ストレートに話をして仲のいい仁と大悟の兄弟が羨ましいですね。でも年齢が近い役はナチュラルに演じることができるのでやりやすいです」と語った。実年齢より少し上の教師役の小野塚は、「教師になって二年目という設定なので、教師としてはまだまだ新米。26歳という年齢よりも、正直でまっすぐなフレッシュさを出していきたいですね」と目を輝かせた。
― 佐藤さんは劇団の中でも最年少ですが、劇団ではどんな存在ですか?
秋山:とにかく元気! 若さが溢れていますね。
小野塚:僕はよく二人でご飯を食べに行くんですが、どんな事でも質問してくるし、何でも吸収しようとする真直ぐな姿が凄いです。逆に僕も頑張らないといけないなと思います。いいエネルギーを貰っています。
佐藤:ありがとうございます。僕は何でも聞いちゃうんです(笑)。先輩たちは、黙っていても僕が間違ったことをすれば注意をしてくれますし、尊敬すべき頼れる兄貴たちです!
秋山:可愛がりがいのあるヤツです(笑)。
― 稽古の真っ最中ですが、今一番大変なことは?
秋山:特に大変なことはないですね。とても伸び伸びと取り組んでいます。劇中の演出で、二の腕や胸を出すシーンがあるのですが、そのために今みんなでトレーニングをしています。食事制限もしています。今日は何も食べちゃいけない日なので、大変というよりちょっとキツいですね。あ、これは僕の弱音です(笑)。
八木:もう腹減った~
小澤:あれ、食べちゃった人がいるというウワサがあるよ。
秋山:僕?今日、もうチョコまんとピザまん食べたよ。
メンバー:え~~~??
秋山:僕はすぐ痩せちゃうんで、朝食べないとダメなんですよ。
佐藤:僕も痩せているので、食事制限はしていないです。
― 体作りをしながらの稽古は大変ですね。
小野塚:一日中一緒にいますね。稽古終わって、トレーニングでまた会って・・・。
八木:いつが今日で、いつが昨日かわからなくなってきますね(笑)。
― お互いの役について、相談したり意見しあったりすることはありますか?
秋山:もちろんあります。稽古の途中でも「これはこうじゃない?」とか軽い感じで話しをすることがありますが、それが積み重なっていい形になっていくと思います。
― いつも舞台に立つ時の心構えは?
佐藤:僕にとって今回の公演が劇団EXILEとしての初舞台です。秋山さんから「舞台に立つ以上は、回数は関係ない。キャリアは関係なくお客様はみな同じものを求められる」と言われました。何としても頑張って先輩たちに追いつかなくてはいけない!と気合いが入りました。
春川:稽古を一生懸命しているので、気負いせずにメンバーを信じて、観客のみなさんのことを考え舞台に立っています。
八木:稽古で積み重ねてきたものを本番では120%出して、“伝える”という気持ちを大切にして舞台に立ちます。
小澤:舞台に立つと、とかく「自分のことを良く見せよう」という欲が出てしまいがちですが、本番中にそれが出てしまうと空回りしてしまうので、そういうことなく素直な気持ちで臨むようにしています。
小野塚:稽古してきたことを出し切る、お客様に伝えることはもちろんですが、いつもリラックスして、いい意味で力を抜いて舞台を楽しもうと思っています。
秋山:いつもお客様目線で、観客のみなさんがどう感じるかということだけを考えながら舞台に立っています。このシーンはこういう色を見せたいと思ったとき、逆にどうすればそれがわかりやすくお客様に伝わるのだろうかと常に考えています。
― 演劇の魅力とは?
秋山:表現というものには決まりがないので、大変な作業ではあるけれど新しいものを生み出そうと思ったら作ることができます。様々な表現方法があるところが舞台のおもしろさではないかと思います。柔軟な俳優でいたいですね。
小澤:舞台に立てば何にでもなることができますよね。スーパンマンや、バットマン、医者やホームレスの人にもなれる。以前、僕は友達の知人に昼間から公園にずっといるようなちょっと変わった人がいて、その人を少し軽蔑して見ていたことがありました。ある時、その人の気持ちになってみようと思って話を色々聞いてみたら、本当はものすごい社会的ステータスのある人だった・・・というエピソードがあるんです。役も同じだと思います。スーパマンにはスーパマンの、警察官には警察官の、その人その人の気持ちを知っていくことが楽しいし、実際にその人物に擬似体験できる。演じることの楽しさがそこにあると思うんです。色々なことに触れて経験することが勉強になります。
― 「劇団EXILE」の“あるある”を教えて下さい。
秋山:“舞台俳優あるある”ですが、本番前になると「セリフが頭に入っていないのに舞台に立つ夢をみる」。
佐藤:へぇ~!(かなり驚いた様子)
小野塚:失敗する夢とか、セリフが抜けちゃって大事故になる夢とか、見ますね。あと、起きても稽古場、寝ても稽古場ということもありましたね。
秋山:それ、話だけ聞くと地獄だね(笑)。
八木:「劇団EXILE」と聞くと、「みんなダンスできるんでしょ?」を言われる。もちろん一応踊ることはできると思いますが、本業は役者。でも、世間のみなさんはダンスがメインだと思われている方も多いようですね(笑)。
小野塚:よく地元の友達からEXILEのライブのチケット取って!と言われる。
メンバー:それ、あるある!(大爆笑)
小野塚:でも、人気があって関係者でもなかなか取れないじゃないですか(笑)。EXILEから劇団EXILEに興味をもって舞台を観に来てくれるようになってくれた人もいるので、声をかけられるのは嬉しいんですけどね。
― 目標にしている俳優は?
秋山:僕は長崎出身なので、福山雅治さんとガッツリ共演してみたいなという目標があります。
小野塚:名作に出会える俳優になりたいです。賞を取ったり、名前が残るような俳優。大きな作品にオファーが来るくらいになりたいですね。
小澤:カメレオン俳優になりたいです。あの作品に出ている人と、この人と同じなんだ?と後から気づかれるみたいな、そんな俳優を目指しています。
八木:僕もちょっと小澤さんと似ているですが・・・、木とか岩などの役でも絶賛されるような俳優になりたいです。人間以外もできちゃう、まさにカメレオン俳優ですね(笑)。
小澤:あの“岩”ヤバイよね~、とか?(笑) それ、いいじゃん!
春川:僕はノンフィクションが好きなので、そんな作品をやっていきたいなという思いがあります。日本人なので、日本のことを伝えられる俳優でいたいと思っています。
佐藤:僕は、ハリウッドのローガン・ラーマンという若手俳優に憧れています。彼のような雰囲気のある俳優になりたいです。
― 最後に『Tomorrow Never Dies ~やってこない明日はない~』を観に来てくださるみなさんへ、メッセージをお願いします。
秋山:今までとは違った新しい試みをしますが、お客様に楽しんでいただきたいという思いだけはずっと持っていますので、ぜひ新しい挑戦を見て楽しんでいただきたいです。特に子供たちが生き生きしていて、とにかく夢がある作品です。お楽しみに!
※個性光るメンバーたちの爽やかな笑顔が印象的なインタビューとなった。ほぼ等身大の役どころをどんなふうに演じてくれるのか、また劇団EXILE×音楽という新しい演出にも期待したい。
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たくさんのご応募お待ちしております!
劇団EXILE公演
『Tomorrow Never Dies ~やってこない明日はない~』
<あらすじ>
妻を亡くし、海の見える故郷に戻った増田洋輔は、一人息子と弟と三人で暮らしていた。そんな時、息子の小学校が統廃合されることになり、子供たちのダンス発表会が開催されることに。弟の茂久が教師をしている関係で、力を貸す事になった洋輔の同級生たちは、
東京帰りの元ダンサー和也に白羽の矢をたてたのだが、思いも寄らない地元からの反対や中傷に、この街で生きてゆく事とは何かを考え始める。そして家族が、仲間が、街が揺れ出す・・・。
若者たちが理想と現実のらせん階段を駆け上がり、
立ちはだかる社会の壁をどう乗り越えていくのか・・・。
銀座 博品館劇場にて、2月27日(金)~3月8日(日)まで上演される。