大阪・新歌舞伎座新開場5周年を記念し、2015年9月、鄭 義信(チョン・ウィシン)作・演出による『 GS近松商店 』が上演される。近松門左衛門原作の『 女殺油地獄 』『 曽根崎心中 』をモチーフに圧倒的な臨場感で「生と死」という難しいテーマの本作に挑む主演の観月ありさと共演の渡部豪太、演出の鄭 義信による製作発表会見が8月20日(木)都内で行われた。
2008年上演の『 焼肉ドラゴン 』で国内の演劇賞を総なめにした劇作家の鄭 義信は本作の演出について「観月さん、渡部さんには申し訳ないのですが、油まみれになって頂くのは大前提で、舞台の上に軽トラを乗せたり、オートバイが通り過ぎたりと歌舞伎の荒事のようなことがいくつかあります。様式美というよりは出来るだけ、現代にもつながる近松の精神性を表現できたらいいと思っています」と話すと、「本のト書きに“油に足をとられて、、”と一行だけ」と笑う渡部豪太と観月ありさ。
主演の観月ありさは今回、オール関西弁の舞台、に挑戦ということについて「私は東京人なので、関西で関西弁の舞台をやりというハードルの高さに恐れ慄いていますが、稽古中になんとか関西弁を習得したいと思っています。それに大阪は食べ物が美味しいので、舞台後にみんなで食事ができたらいいなと思っています。今回は臆病で内向的な役柄で、いつもドラマではスパスパとものを言う役や台詞の多い役柄が多いので、イメージと違う役になると思います」と話した。
映像、舞台と幅広い活躍の渡部豪太は「役者の仕事は舞台も映像作品も見せ方は違うと思いますが、根幹は変わらないと思います。違うのは3時間で終わるということですね(笑)鄭さんには以前、酒の席でご一緒させていただいたことがあるのですが、お仕事をさせていただくのははじめてで、各現場の共演者の皆さんから鄭さんの厳しさを聞いています。脚本にブランク(空白)が多いので、これから質問攻めにしようと思っています。余白の多い分、これから作っていけるところの多い役です。再演とはいえ、脚本がシンプルかつ大胆なので、今回の我々にしかできない『 GS近松商店 』になるよう打ち込んでいきたい。」と意気込みを話した。
じっとりした閉塞感がぬぐえない、そんな暑い夏。
県道脇にある寂れたガソリンスタンド( GS )を切り盛りしている人妻とその家族。
ある事件をきっかけに人妻の元に通うようになった若者。
関西地方のとある田舎町に巻き起こる愛憎劇。
新歌舞伎座 新開場五周年記念『 GS近松商店 』
作・演出:鄭 義信
出演:観月ありさ、渡部豪太、小島聖、姜暢雄、朴路美、みのすけ、星田英利、山崎銀之丞、升毅、石田えりほか
日時:2015年9月27日(日)~10月14日(水)
場所:大阪・新歌舞伎座
料金:一階席 9,500円/二階席 5,000円/3階席 3,000円/特別席 11,000円
公式HP http://www.shinkabukiza.co.jp/