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豊田裕大「僕なりのフォーティンブラスを見つけて舞台に立ちたい」初舞台『ハムレット』にかける思いとは?

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「彩の国シェイクスピア・シリーズ」のシリーズ完結間近でこの世を去った蜷川幸雄氏から芸術監督のバトンを引き継いだ吉田鋼太郎。残された5作品を見事に上演し、この度、新たなシリーズ【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】が始動する。

記念すべき第1作に選ばれたのは、シェイクスピアの不滅の金字塔『ハムレット』。演出・上演台本、そしてクローディアス役を吉田が務め、主演のハムレット役を柿澤勇人が担う。ほかにも、北香那、白洲迅、渡部豪太、正名僕蔵、高橋ひとみら豪華キャストが揃うなか、ノルウェー王子・フォーティンブラス役に抜擢されたのは、豊田裕大。

初の舞台を踏むこととなった豊田にとって、シェイクスピアの戯曲はまさに挑戦! 数々の映画やドラマ作品に出演し、若手ながらに実力を発揮している豊田が役者としてまた一歩、歩みを進める。そんな彼に、役への思いと初舞台への意気込みを聞いた。

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― まずは、シェイクスピアの4大悲劇と言われている『ハムレット』に出演が決まったときのお気持ちをお聞かせください。

本当に嬉しかったです! オーディションを受けて、もちろん受かればいいなと思っていましたが、ちょうど原宿駅のホームにいるときに“受かった”と電話が来て。「本当ですか!?」と、周りの人が見るくらい大きい声を出して驚きました。でも、初めての舞台で、初めての戯曲、初めてのシェイクスピア作品なので、どういう心構えをすればいいのか全く分からない・・・というのが正直な気持ちでした。
あと、映像作品とは違い、稽古期間があるということを楽しみにしていました。

― オーディションを受けたときはやはり緊張しましたか?

今回、吉田鋼太郎さんのお仕事の都合で直接お会いすることができず、事務所で撮影した映像を送る形でオーディションを受けたのですが、マネージャーさんを相手にして何回もやり直しながら撮影したので、受かったときは手伝ってくれたマネージャーさんも喜んでくれて本当に嬉しかったです。

オーディションはオフィーリアとレアティーズのシーンを演じたのですが、これまで戯曲にしっかり触れたことがなかったので、まず長くて量も多い台詞に驚きました。レッスンで数回やったことはありましたが、いざ自分の中に取り込むとなると、ここまで難しいものかと実感しました。

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― 役に向けて稽古前に何か準備されましたか?

とにかく過去の映像をたくさん観ました。藤原竜也さんや野村萬斎さんの「ハムレット」など、いま観られるものは観て勉強して、台本も読み込んでいます。フォーティンブラスという役は出番があまり多くはありませんが、とても重要な役なのでプレッシャーも大きいです。

― フォーティンブラスという役をどのように受け取って演じたいと思っていますか?

とてもインパクトが強い役ですし、王子としての華やかさや気品がある人物。正直、まだ僕自身もどんなフォーティンブラスになるか全然想像できていません。同じ役でもこれまで演じられてきた皆さんとは違うと思うので、僕なりのフォーティンブラスを見つけて舞台に立ちたいと思っています。

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― 吉田鋼太郎さんによる、新たなシェイクスピア・シリーズが始まります。実際に吉田さんとお会いされていかがでしたか?

お会いする前までは、怖い方なんだろうなと思っていたんです。蜷川さんの舞台を引き継ぐくらいの方ですし、【彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd】のスタートとなる舞台なので、気合いも入っているだろうと考えて、丁寧にご挨拶したんです。そうしたら、僕を見るなり「カッコいいねぇ~」って(笑)。あれ?そんな感じに接してくれるんだと。その時はまだ稽古も始まっていなかったからかもしれませんが、とてもフランクに接してくださいました。家が近いことも分かって、最寄りのコンビニが同じくらいだったんです。そんな話もしてくださって(笑)。もう自分のことは全部さらけ出して、鋼太郎さんの胸に飛び込んでやるしかないなと思いました。

― ハムレット役の柿澤さんの印象はいかがですか?

お会いする前から力強いイメージがありましたが、すごくタフな方という印象です。言葉では「夜に台本を読んで朝部屋に台本が散らばっていると、もう嘔吐(えず)いちゃうんだよ・・・」なんて仰っていましたが、最高の舞台を作ろうという思いがひしひしと伝わってくるので、本当に大変なところに来てしまったな、こんなところに僕が参加できるのはもの凄くラッキーなことだなと感じています。

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― 初めての舞台がシェイクスピアの演目というのは本当に凄いですね。

ほかのキャストの方々に比べたら台詞量はそれほど多くはありませんが、蜷川さんの舞台を引き継いだ吉田鋼太郎さんが愛して止まない、この「ハムレット」という舞台を経験できるということはとても貴重ですし、絶対に自分の糧になるだろうと思います。吉田さんも「(舞台が)始まったら終わるまで没頭していたので、初日はもう勝手に終わっていた」と仰っていたので、あまり考えすぎず飛び込もうかなと。舞台に立つこと自体が初めてなので、凄く怖い気持ちもありますが、役を体に染み込ませていこうと考えています。

― 「ハムレット」は悲劇ではありますが、フォーティンブラスはハムレットから王を引き継いでいく役なので、悲劇の中から少し光が見えてくる希望でもあるかと。

そうですね。重要な役だと思っています。

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― 以前、豊田さんにインタビューさせていただいたとき、「どんな俳優さんになっていきたいですか?」とお聞きしたら、「その役として生きて、お客様が作品を観た後にも余韻に浸れる、そんな役者になっていきたいです」と仰いましたが、そのお気持ちは今でも変わらないですか?

その気持ちは今でも変わりません。今でも毎回“この芝居をどうすればいいんだ?”と頭を悩ませますし、それはやればやるほど感じています。ただ、役者は舞台の上に立って一流というイメージを持っているので、役を作っていく段階から始まって、生で会話していくところをお客様にお見せするという経験は、必ずこれから先の自分の芝居に繋がっていくはず。今回の舞台経験を経て、自分がどう変わっていくのかとても楽しみです。

― 私たちも楽しみにしています。この「ハムレット」で、豊田さんの演劇人生がスタートされるわけですが、あらためてその意気込みをお聞かせいただけますか?

とにかく目の前のことに全力で取り組むしかないです。今はまだ怖さもありますが、自分の役者人生にも影響を与えられる貴重な経験ですし、こんなに素晴らしい舞台を踏めることを誇りに思って、一生懸命頑張ります!

【豊田裕大(Yudai Toyoda)】
1999年4月10日生まれ、神奈川県出身。2019年、MEN’S NON-NO オーディションに合格し、専属モデルとなる。2021年にテレビ東京系列「じゃない方の彼女」で俳優デビュー。映画「レッドブリッジ」「レッドブリッジ ビギニング」で主演を務め、ドラマ「妖怪シェアハウス-帰ってきたん怪-」『劇場版 妖怪シェアハウス-白馬の王子様じゃないん怪-』のほかにも、ドラマ「沼る。港区女子高生」や映画「銀河鉄道の父」「劇場版 推しが武道館いってくれたら死ぬ」「夫婦の秘密」に出演。

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彩の国シェイクスピア・シリーズ2nd Vol.1『ハムレット』
作:W.シェイクスピア
翻訳:小田島雄志
演出・上演台本:吉田鋼太郎

◆キャスト
柿澤勇人:ハムレット
北 香那:オフィーリア
白洲 迅:ホレーシオ
渡部豪太:レアティーズ
豊田裕大:フォーティンブラス
正名僕蔵:ポローニアス
高橋ひとみ:ガートルード
吉田鋼太郎:クローディアス
ほか

◆公演スケジュール
<埼玉公演>
日程:2024年5月7日(火)~26日(日)
会場:彩の国さいたま芸術劇場 大ホール

<宮城公演>
日程:2024年6月1日(土)~2日(日)
会場:仙台銀行ホール イズミティ21 大ホール

<愛知公演>
日程:6月8日(土)~9日(日)
会場:愛知県芸術劇場 大ホール

<福岡公演>
日程:6月15日(土)~16日(日)
会場:J:COM北九州芸術劇場 大ホール

<大阪公演>
日程:6月20日(木)~23日(日)
会場:梅田芸術劇場シアター・ドラマシティ

公式サイト:https://horipro-stage.jp/stage/hamlet2024/
公式X:@Shakespeare_sss

<クレジット>
・ヘアメイク :松田蓉子
・スタイリスト:杉浦 優

・衣裳
ジャケット5万5000円、パンツ3万3000円
(ともにネフォロジスト/ネフォロジスト http://nephologist.com/
インナー8800円(フォルトゥナオム/ラッキージャパン03-6322-5268)

撮影:松林満美

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