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浦井健治、「アヴちゃんから惜しげもなく、いろんなことを教えてもらった!宝物!」 『ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ』いよいよ開幕! 公開ゲネプロ&囲み取材

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トニー賞受賞作品のブロードウェイミュージカル「HEDWIG AND THE ANGRY INCH」の7年ぶりとなる新作日本公演がいよいよ8月31日より開幕! 前日の30日、東京・EX THEATER ROPPONGIにて、公開ゲネプロと囲み取材が行われた。

1997年よりオフ・ブロードウェイで初上演されロングランを記録し世界各地で上演、2001年には映画化され、サンダンス映画祭観客賞、監督賞など数々の賞を受賞し、舞台・映画共に世界中に一大ブームを巻き起こした「ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ」。
本作は愛と自由を手に入れるため性転換手術を受けたものの、手術の失敗によって股間に“アングリーインチ(怒りの1インチ)”が残ってしまった、男でも女でもあると同時にそのどちらでもないロックシンガー・ヘドウィグ。幾多の出会いと別れを経験し、傷つき倒れそうになりながらも己の存在理由を問い続け、「愛」を叫び求める姿を描き出す。新ヘドウィグには、多くの舞台で人気を博す浦井健治が演じ、イツァークには、4人組ロックバンド女王蜂のボーカル・アヴちゃんが務める。

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囲み取材には、浦井健治とアヴちゃんが登壇。
本番に向けて、浦井は「この夏、1日も休まず朝から晩まで稽古して皆で作りあげてきました。家族のように。女王蜂のアヴちゃんというハートフルなカリスマが、いろんなことにトライして、パートナーとして惜しげもなくいろんなことを教えてくれました。宝物のようです。バンドのメンバーも愛らしくイカつい方が揃って、出演者として皆で“ヘドウィグ”の世界を作ってくれています」とやる気満々。

一方のアヴちゃんも「(ヘドウィグが)浦井さんでよかった。同じぐらい負けず嫌い。相反しているのだけれど、相反し過ぎて、その距離を尊重している。この2人をキャスティングした人は凄い!」とコメント。「浦井さんからいただいたものがたくさんあって。笑っちゃうくらい浦井さんがある。お互いいいものを交換し合えたと思います」と笑顔を見せた。

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アヴちゃんからのアドバイスについて、浦井は「女王蜂のアヴちゃんの歌唱法。歩き方やセリフの言い方。ギャル語も教えてくれました。ギャルってすごく純粋で正義ということを、生身で教えてくれたから、自分も飛び込めました。絶対に人を見捨てないんです」と語った。

ヘドウィグのド派手なメイクと衣装も見どころだが、浦井は「役者冥利に尽きます」と満足げ。役作りのため、稽古中もずっとスカートを履いていたそうで、「気を抜くと(足が開いてしまい)『お股!』と注意されました(笑)。コンビニで買い物するときもついクセが出て・・・」と言い、女性っぽい仕草をして取材陣の笑いを誘う場面も。記者からきれいな足について話を振られると、「毛の処理はしてないんですよ。なぜか生えないんです(笑)」。衣装の網タイツもアヴちゃんから「要らない!」と言われたそう。アヴちゃんが「だって、めっちゃ色がキレイなんです」と説明すると、浦井は「足の色がキレイって初めて言われたよ」と照れ笑いを浮かべていた。

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本作の魅力を、浦井は「世界中で愛されている作品ですが、今やる意味が見えてきた。“愛”“優しさ”って何だろうと考えると、結局自分と向き合うことが重要。人間て、こんなに弱いけど、こんなに強いんだなと。そして1人じゃないということ。自分にとっても自分の殻を破るには自分を全部出さなきゃいけないという恐ろしさもあるけど、それを楽しいと思えるところまで、皆でもがいていきたいと思っています」と思いの丈を吐露。

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アヴちゃんは「この作品は多感なお友達から(DVDを)貸してもらって出会った。ジェンダー系というか、主人公が恋に破れたり、病んだり、亡くなってしまう作品の1つとして。10代のときは『こう見えてるの?』と思って辛かった。バンドでデビューしたときにも『日本のヘドウィグが出てきた』と言われて、当時は嫌で傷ついていました」と振り返り、正直な気持ちを打ち明ける。バンドがうまくいかない時期に再び観たときもヘドウィグも同じようで傷ついたそうだが、その後「1年に1回ほど見るにつれ『やってみたい』という気持ちが出てきて、そんな時オファーを受けました。凄く偉大な作品です!」と力を込めた。

最後に浦井は「初めて触れる方もいると思いますが、ものすごくえぐられる作品です。色んなものを受け取ってもらえたら。劇場にノリノリで来てください」と挨拶。アヴちゃんは「ふらっと来てください。ただでは帰しません!」と自信満々にアピールした。

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 <あらすじ>
少年ハンセルは、自由の国アメリカに渡りロックスターになるのが夢だった。
彼は幼少時に母親からプラトンの魅惑的な「愛の起源」の物語を聞かされる。以来、彼は自分の“カタワレ”を見つけようと心に決める。ある日、彼は偶然一人の男と出逢う。その男に見初められ、彼との結婚の道を選んだハンセルに待ち構えていたのは、アメリカへ渡るための“性転換手術”だった。しかし、手術を受けたハンセルの股間には手術ミスで「怒りの1インチ(アングリーインチ)」が残ってしまう。
その後、ヘドウィグを名乗り渡米を果すも離婚、ベビーシッターなどをして日々の糧を得つつロックバンドを組むも、なかなか成功への道が見えず生活に追われていた毎日だった。やがて17歳の少年トミーに出逢い、愛情を注ぐようになるヘドウィグだったが、トミーはヘドウィグの曲を盗んでビルボードNo.1のロックスターに上り詰める。最愛の人に裏切られたヘドウィグは自らのバンド「アングリーインチ」を率いて、ストーカーのようにトミーの全米コンサート会場を追い、スタジアム脇の冴えない会場で巡業する。果たして、自分の魂である歌を取り戻し、捜し求めていた“カタワレ(=愛)”を見つけることができるのか…?

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公演は、さながらロックライブのよう。ゲネプロといえども、容赦ない熱を客席に浴びせてくる。ヘドウィグが語る、歌う、その切なさと迫力にぐいぐい引き込まれていく・・・。

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浦井扮するヘドウィグのド派手な登場! そしてセクシーなスリップ姿も。また、ロックはお手の物と言わんばかりに、アヴちゃんのシャウトも炸裂! まるで魂が飛び出てきたかのように・・・。
ぜひ劇場で「ヘドウィグ」の世界を体感してほしい。

公演名称: HEDWIG AND THE ANGRY INCH
ヘドウィグ・アンド・アングリーインチ

作:ジョン・キャメロン・ミッチェル
作詞・作曲:スティーヴン・トラスク
翻訳・演出:福山桜子
歌詞:及川眠子
音楽監督:大塚茜

出演:ヘドウィグ:浦井健治
イツァーク:アヴちゃん(女王蜂)

Band(THE ANGRY INCH)
Guitar:DURAN Bass:YUTARO Drums:楠瀬タクヤ Guitar:大橋英之 Keyboard:大塚茜

スタッフ
振付:松GORI/美術:松生紘子/照明:原田 保/音響:松山 岳/映像:横山 翼
衣裳:堂本教子/ヘアメイク:宮内宏明/歌唱指導:冠徹弥/ 舞台監督:齋藤英明/中島 武
演出助手:松倉良子
運営協力:サンライズプロモーション東京/制作協力:クオーレ
企画・製作:テレビ朝日/ニッポン放送

【OFFICIAL HP】www.hedwig2019.jp

東京公演は8月31日~9月8日まで東京・EX THEATER ROPPONGIにて。
その後、福岡、名古屋、大阪公演、ツアーファイナルは9月26日~29日までZepp Tokyo。
詳細はHPにてご確認ください。