4大都市縦断 ロングラン公演の舞台『放浪記』の東京公演が森光子さんの命日でもある11月10日(火)に千穐楽を迎え、主演の仲間由紀恵ほか出演者が勢揃いしての特別カーテンコールが行われた。
10月14日(水)~11月10日(火)に東京・シアタークリエで上演された37回の全日程は毎公演、補助席が出る大盛況。
劇作家菊田一夫の手によって誕生した『放浪記』主演の林芙美子役は2017回という単独主演記録を打ち出した森光子から、若くして国民的女優として名高い仲間由紀恵に引き継がれ、死に物狂いで真っ直ぐに演じたいという意気込み通り、力いっぱい演じている。
特別カーテンコールでは、森光子と一緒に『放浪記』2017回を共演した女優の青木玲子(東宝現代劇一期生)がこの千穐楽のお祝いに駆けつけ、仲間由紀恵に花束を贈呈し「感動しました。まだ舞台は続きますから、お身体お大事に頑張ってください。この放浪記を一致団結して素晴らしいものにしようという気概がヒシヒシと感じられました。こんな後輩を持てて、私は大変幸せに思いました。ありがとうございました」ときらきらした瞳で挨拶をした。
仲間由紀恵は「東京公演が今日無事に千穐楽を迎えることができました。本当に観に来てくださったお客様の温かい拍手と笑い声、涙に私たちは励まされて、パワーを頂戴しながら、今日の日を迎えることができたと思っております。本当に皆様ありがとうございます。
『放浪記』を演じてきまして、本当にお芝居というのは生き物だと実感しております。本当に素晴らしい役者の皆さんと舞台の上で台詞を話し、呼吸を感じながら、その瞬間だけにリアルというものを、この1ヶ月感じてまいりました。すごく幸せに思っております」と挨拶すると、「仲間さん、頑張ってー」「毎年やってください!」と次々に客席から掛け声がかかる。
すかさず仲間由紀恵の「大阪で待っています」とウィットに富んだ返事に会場は笑い声と拍手に包まれた。
そして「今日は森さんのご命日です。森さんという大先輩は本当に素晴らしい方で、私たち後輩にも分け隔てなくやさしく、お人柄はもちろんですが、私たちもこの『放浪記』を演じてきて改めて、森さんのお芝居に対するパワー・エネルギー・精神力の強さを凄いなと実感させていただいております。私たちも少しでも近づけますよう頑張ってまいりますので、最後までどうぞよろしくお願いします。今日はご来場いただきまして誠にありがとうございました」と感謝の言葉を述べた。
最後に司会の原康義(菊田一夫役)から「放浪記は1回1回どんどん進化していきます。まだ大阪、名古屋、福岡と68ステージ残っております。菊田流で言うなれば“旅のお供に『放浪記』”ということで、是非これからもよろしくお願いします。本日は誠にありがとうございました」と挨拶があり、出演者一同の心のこもったお辞儀の中、千穐楽の幕が下りた。
11月21日(土)~『放浪記』3都市公演がはじまる。
『放浪記』
http://www.tohostage.com/hourouki_2015/
●大阪・新歌舞伎座 2015年11月21日(土)~12月9日(水)25回
●名古屋・中日劇場 2015年12月18日(金)~12月25日11回
●福岡・博多座 2016年1月7日(木)~1月31日(日)32回