1961年から単独主演記録2017回を達成した森光子の『放浪記』。この日本演劇界に最高峰とされる作品が、新たな出演者とスタッフを得て、新生『放浪記』となって4大都市全105回のロングラン公演を10月からスタートする。
林芙美子役の仲間由紀恵はじめ、新たなキャストが勢揃いし、8月16日に製作発表が行われた。
登壇したキャストは写真左から立石涼子、窪塚俊介、永井大、仲間由紀恵、若村麻由美、福田沙紀、羽場裕一、村田雄浩。
そして演出の北村文典(写真別途)。
「日本のなくてはならない大変な作品だと思う」と『放浪記』の印象を語った仲間由紀恵。
演じる林芙美子とは「重なる部分は少ないかもしれないが、林のように熱い強い思いを持って取り組みたい」と熱意を語った。
またこの作品では必ず注目される『でんぐり返し』については、演出の北村文典が「歓喜の場面だ」として「でんぐり返しをすれば『放浪記』だというのを払拭したい。やるんなら4回転半とか」という発言が出て、一同爆笑。「『ハレルヤ』を歌うこともあるかもしれない」とも話し、名場面の行方が心配されたが、それを受けた仲間は「歓喜のシーンをどう表現できるか」としながらも「見て下さる方の期待を裏切りたくない」とも話し、名場面の再現に大きな期待を残した。
演出の北村文典
詩人として恋敵として林芙美子のライバル、日夏京子を演じる若村麻由美は「いろんな日夏京子があったと感じています。今回は仲間さんとの私とのライバル関係のなかでの若村麻由美らしい日夏京子を演じたいと思います」と語り、仲間と顔を見合わせて微笑んだ。
この日は京都・五山の送り火(大文字焼き)の日。森光子が幼い頃の情景を記した文章を仲間が朗読し、記者陣にふるまい酒が行われ、仲間の音頭で乾杯。新生『放浪記』の出発を祝った。
『放浪記』
●東京・シアタークリエ
2015年10月14日(水)~11月10日(火)37回
(問い合わせ 東宝テレザーブ 03-3201-7777)
●大阪・新歌舞伎座 2015年11月21日(土)~12月9日(水)25回
●名古屋・中日劇場 2015年12月18日(金)~12月25日11回
●福岡・博多座 2016年1月7日(木)~1月31日(日)32回