『おかしな二人』でコメディに初挑戦 花總まりインタビュー「自分は生きている！という感じ」「歩き出すことは大切」

大地真央、花總まりがW主演として初共演することで注目を集めている『おかしな二人』の公演初日が10月8日（木）と迫ってきた。（東京公演は25日（日）まで。大阪公演は11月5日（木）～11日（日））

花總まりは、本作で演劇界きってのコメディエンヌといわれる大地真央と初共演にして、コメディに初挑戦。大地真央演じる“無精者”のオリーブと共同生活を送る“病的なまでに几帳面”なフローレンスを演じる。
加えて、共演者はシルビア・グラブ、宮地雅子、平田敦子、山崎静代、渡辺大輔、芋洗坂係長と個性あふれるコメディの手練れぞろい。

これまでは史実を背景にしたスケールの大きなミュージカルへの出演が多かった花總まりが、初のコメディ・新しい役柄でどんな姿を見せてくれるのか。
さらに本作はDVD化や配信の予定がなく、劇場でだけしか楽しめない貴重な公演とのこと。

期待を膨らませ、万全の感染対策を講じる稽古場に花總まりを訪ね、挑戦への手ごたえを聞いた。

―初めてのコメディはいかがですか？
まず台詞を覚えて台詞の持つ面白さを観客に伝えることが、最低条件だと思いますが、これまでミュージカル出演が多くて膨大な量の台詞に立ち向かうことに慣れていないので難しいと思っています。

―初共演の大地真央さんと稽古場で相対してどんな発見がありましたか？
まだコメディに慣れておらず、毎日、活舌や間の取り方・テンポに難しさを痛感していますが、大地さんが間やテンポを的確に良いところにもっていかれるお姿はとても勉強になります。自然に演技されているのに明瞭に伝わってくるので「さすがだ」と思っています。

―演じるのは几帳面すぎるフローレンスという役だそうですが、役柄から影響を受けているところがあるとすれば、どんなところか、具体的に教えて頂けますか？
掃除ひとつとっても、最近は妙に細かいところまであれもこれも気になりだしたり、普段よくしゃべるようになったり…。ちょっと影響を受けていますね。

―他の役柄を演じた際にも、普段の生活に影響がありましたか？
（即答で）ないですね。最初はフローレンスみたいな人がそばにいたら、とても嫌だと思っていたのですが、だんだん変わってきました。ある意味、フローレンスぽいところが、嫌ではないのかもしれないです。ちょっとずつ自分がフォローレンスに感化されてきているのかもしれないです。(笑)

―このコロナ禍の中ですが、コメディという新しい挑戦をされて、ご自身の中で生まれてきたもの、感じていることを教えていただけますか？
前に進んでいくことは大切だと思います。「これじゃなきゃダメ」という概念は捨てて、なんでもやってみるのは大切だと思うし、そこでまた新たな道が見えてくるかもしれない。ひとつのことにしばられたり、ひとつだけに影響を受けたりすることなく、視野を広く持つことで次につながることがあると思います。

―稽古場で何か見えてきた感じはありますか？
大袈裟ですが「自分は生きている！」という感じはあります。「刺激がある」というのでしょうか。いろんな感情がわいてくる。ワクワクすることもあれば悩むこともある。でも「がんばろう」と思う。自分の中でそういういろいろな感情が生まれてくるので、歩き出すことは大切だなと感じています。

―今、コメディを通してお客様に伝えたいことは？
舞台は生が一番だと思っていますし、お客様がいらっしゃるからこそ伝わるのが生の舞台の良さだと思います。もちろん舞台は私たちが作るのですが、この作品は楽しい作品なので、最後はお客様と一緒に〝この日の『おかしな二人』″をつくりあげていきたい。お客様もコロナで窮屈な時期があったと思いますが、この作品に楽しんで参加する気持ちで来て頂けたらいいなと思います。

―スペシャルカーテンコールが準備されているそうですね。
今から振付が始まりますが、私がとてもいいなと思うのは楽しいこと。今回のカンパニーは人数も少なくアットホームで明るく前に向かっていく感じで楽しく終わります。スペシャルカーテンコールもお客様も一緒にのって楽しんで頂けると思います！

『おかしな二人』
作：ニール・サイモン
潤色・演出：原田諒
出演：大地真央、花總まり
シルビア・グラブ、宮地雅子、平田敦子、山崎静代、渡辺大輔、芋洗坂係長

＜東京＞
１０月８日（木）～２５日（日） 日比谷シアタークリエ
チケット発売日　９月１２日（土）

＜大阪＞
１１月５日（木）～１１日（日）　梅田芸術劇場シアタードラマシティ
チケット発売日　９月１３日（日）

公式 HP　： https://www.tohostage.com/okashinafutari/

稽古映像