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今年も上演!フリーカル『YAhHoo!!!!』(ヤッホー)お祭りはみんなで唄って楽しむもの!インタビュー 柏木佑介&浅倉一男

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2022年5月11日(水)より池袋・あうるすぽっとにて、フリーカル『YAhHoo!!!!』(ヤッホー)2022が上演される。本作はナイスコンプレックスのオリジナル音楽劇で、2018年の初演から今回が4回目、バージョンアップして上演される。
物語は東日本大震災の原発被害により強制退去させられた福島県浪江町を舞台に、妖怪になってしまった動物たちと、帰りたくても帰れない人間たちの葛藤を、歌と祭と演劇で描かれる。
作品を代表して、主演で妖怪になってしまった犬ヤンスケ役の柏木佑介と、ヤンスケの飼い主・優治(まさじ)役の浅倉一男に話を聞いた。

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≪ビジュアル撮影のためにダイエット!≫

――いよいよ2022年版がスタートします。本日はビジュアル撮影でしたが、撮影はいかがでしたか?

浅倉「もう慣れたものですね」

柏木「僕は毎回ですけど、スイッチを入れないと恥ずかしいんです(笑)。本番中は、稽古を通してだんだんヤンスケになっていけますけど、ビジュアル撮影は一発目からヤンスケをやらなきゃいけないから。普段30を超えた大人をやっているので、ヤンスケのスイッチを入れるために今朝は6時に起きました!」

浅倉「そうだ!ツイッターを見たら『おはよう今日は撮影だ』ってすごく早く起きてた」

柏木「しかもお風呂から上がった後にツイートしましたからね。早起きして優雅な気持ちで臨もうかと」

浅倉「僕は生身の人間役なので自然体で参加しています。今日はイメージがあったのですが、すぐ優治にはなれましたね」

柏木「そう言ってますけど、よく一緒にゲームをしていて、一男さんと美味しいものばっかり食べているのですが、ある時、急にお米を抜きはじめたんですよ。どうしたんですかって聞いたら、ビジュアル撮影があるからそろそろ(ダイエットで)米を抜かないとって。実はそんなことをしています(笑)」

浅倉「あははは!そうそう3週間くらい前から準備をしていました」

≪新鮮にやることしか考えていなかった前回≫

――前回を振り返りますが、コロナ禍の規制があり、しかもWキャストでいつもより変化がある舞台でしたが、想いを届けることはできたのかなと。

浅倉「前回コロナで1年あき、ようやくできるとなっても制限があって、一番楽しみだったお客様とのお祭りがちょっと演出的に変わってしまい、イメージしていた『YAhHoo!!!!』とはちょっと違っていましたが、でもそういう時だからこそ、ものすごく力が入っていました。キムラさんをはじめ、みんながいろんなアイディアを出したり、力強く一丸となっていたなって思いますね」

柏木「前回は、Wキャスト制がそもそも初めての挑戦で、AチームBチーム、全然違ったんです。そこに対して、どう僕が変わっていくのだろうと。毎回新鮮に演じることができて、前回は新しい『YAhHoo!!!!』だったなあって思いますね。
一男さんとは再演も再再演も一緒だったので、新しい何かを見つけていこう、前回とは違うことをしようという努力はしましたね」

浅倉「ちょっとびっくりした事がありまして、俺が初出演だった時、桜のシーンとか稽古をかなりいっぱいやったんです。ところが2回目の出演の時、そのシーンの稽古はたった一回で終わっちゃったんです!」

柏木「ありましたね!新鮮さを保って欲しいから、もうここはやらなくていいってね」

浅倉「キムラさんが、うん、これはもう大丈夫だって一発で終わっちゃって驚いて。だからこそ本番はものすごいプレッシャーでしたけどね、逆にすごい荷物しょっちゃったみたいな。
あと見ていて、佑介は大変だろうなって思ってました。Wキャストでイントネーションが違ったりすると、こっちの反応も変わって返さないといけないから。しかも、稽古から本番中もどんどん変わって成長していくんですよ。いろんなネタも増えていったりね」

柏木「もう本当に毎公演、新鮮にやることしか考えていなくて。それは稽古場でもそうで、動物たちがWキャストだったので、稽古を2倍やるんです。飽きられたらおしまいだなと、柏木の引き出し終わったなって思われないように、そこに対してのプレッシャーは凄くありましたね。
何か用意するのではなくて、その場で毎回いろんなものが生まれたらいいなと思って、みんなをちょっといじったりとかね。前回大変だったことの一つですが、今回もそれくらいやっていかなきゃいけないなと思っています」

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――毎回変化球を投げ続ける感じですね。

柏木「あと僕が覚えている前回のエピソードとして、稽古中に1回だけ堤防のシーンで草太のお芝居に、ご主人様(浅倉)が思いっきりくらっちゃった日があったんです。僕がその後のセリフを言えなくなっちゃった。
『何でご主人様は僕に気づいてくれないの』と続くシーンなのに、ご主人様がこんなに泣いているんだったら、『僕に気づいて』ってセリフではないのでは?と。
『ご主人様大丈夫!?』って心配する気持ちになってしまって、その時に僕のセリフが出なくなったことがあったんです。終わった後に、一男さんと2人で『あの時、言えなくなっちゃった理由がこうなんですよね』って話し合ったのをすごく覚えています。受け取り方や出し方をリアルにやってると、ぜんぜん違う場所に行ってしまったりすることもあって」

浅倉「あったね!本当にそう。自分たちが収拾つかないところに行ってしまうってことがあるんです」

柏木「それがお芝居だな、面白いなって」

――今回はなすびさん演じる草太をはじめ、新しいキャストになるので、また全然違うものになりますね。

柏木「ぜんぜん変わると思います」

浅倉「だから怖いんです。あまり想像しすぎるのも良くないのですが、稽古でちょっとづつくみ取っていこうかなと思っています」

――どうしても『前回を超えなきゃ』と思ってしまいますし。

浅倉「そうなんです。だからけっこうドキドキなんです。堤防のシーン、居酒屋のシーンもお祭りのシーンどうなっちゃうんだろうって。それでも変わらないのは、『YAhHoo!!!!』に対しての俺の気持ちはもう揺るぎないものなので、あとはどういうエッセンスが関わってくるか。どうなるのかワクワクしています」

柏木「それがまた楽しみですよね」

――柏木さんはどんなカンパニーを作っていこうと?

柏木「『YAhHoo!!!!』は作品の題材として決して軽いものではないですけど、これは暗い話ではないので、稽古場から笑いの絶えない楽しい空気感でいけたら…と思いつつ、今回先輩が多くて実は緊張してるんですよ!大御所だらけなんですよ!
(4月上旬)まだ稽古が始まってないんで言いますけど、今現在びびってます(一同爆笑)先輩がたくさんいる現場はありがたいので成長していけたら」

≪つらい過去をもう一度思い出してほしいっていう意味ではない≫

――今回の自分的テーマや届けたいもの、考えていることは?

浅倉「今年も3.11の映像をニュースで放送していて、でもこの時期にならないと取り扱わないし、どんどん世間的には置いてかれているような、過去の出来事のような扱い方をしているなあと。微力ながら繋ぎ止める仕事ができるということは幸せです。作品に携わるっている責任感として気持ちを新たにしているところです。
優治のセリフで『みんな思い出して、ここは故郷なんだ』。この言葉は、芝居の中でも現実の浅倉一男としてもいえる言葉で、年月を重ねるほど深いと思える言葉になっています。この言葉を今回も大切にしていけたら」

柏木「僕は初演から想いは変わらないですね。あえて今回で言うと、僕が忘れないでほしいって言っている意味は、つらい過去をもう一度思い出してほしいっていう意味では決してなくて。
今回キムラさんから、ある曲をいただいていて、その中の歌詞がすごく響いたんです。
“誰かのせいすることは簡単だけど、自分のせいにして生きていこうよ”っていう歌詞で、そういう感覚が大切なのかなと。僕らがやろうとしていたことはこれだったのかなって。
起こったことは誰のせいでもないけど、自分たちも作品を通して経験して、それを伝えていくことしかできないので、それをちゃんとやっていけたら一番幸せだなって。ちょっと歌詞が心に染みました」

浅倉「現実的な話をすれば、東京の電気は福島で作られています。東京の人たちが使うからこそ、あそこに原発ができて供給されている。他人ごとではない、そういう気持ちを持っていただける作品になっていってほしいですね。今回のコメントは2人とも深いね!」

――演じる側も公演を重ねると考え方も変わってくるのは必然で、やればやるほど背負うものも増えていくと。

柏木「それは間違いないですね!プレッシャーもありますし、でも僕たち以上にキムラさんが一番抱えていると思うんです。そしてキムラさんに関しては、僕らが毎回、次はどんなサプライズを用意してくれてるんだろうってワクワクしています。
先ほども話ましたが、今回は楽曲が増えます。歌が上手いキャストが多いので上手い人に囲まれるのは恥ずかしいですが、でも初演の時にキムラさんに言われてるんです、『うまくなくていい』と(笑)」

浅倉「フリーカルだから!2022年、上演できそうで嬉しい気持ちです。本当にどうなるかわからない中で1年過ごしてきました。実現するために一生懸命努力してきたこと、深く考えてきた実績がありますので、また新しい2022年バージョンの『YAhHoo!!!!』をお届けできると思います。
子どもから大人までご家族全員で楽しんでいただける作品です。例えば子供が泣いたりしても、泣き止ませなくても全然大丈夫。そのまま僕たちは続けますので安心して観ていただけると思います」

柏木「変わったものもあれば、変わらなかったものもあります。でも進化だけは続けていかないと。
今回また新たなキャストで、僕自身がパワーアップしていかなきゃいけないと思っています。
キムラさんを筆頭に、このメンバーだからこそできる、今だからこそできる作品を作り上げられたら。
この作品がみんなの故郷になってほしいと思っています。初めて観る方もぜひ僕らのファミリーになっていただけたら嬉しいです」

▼公演概要▼
フリーカル『YAhHoo!!!!』2022
【公演期間】2022年5月11日(水)~5月15日(日) 劇場:池袋・あうるすぽっと
【作詞・脚本・演出】キムラ真
【出演】柏木佑介/浅倉一男、富田麻帆/なすび、三上俊、足立英昭、安孫子宏輔/伊藤寧々、林千浪(おとな小学生)、竹内心、駒津柚希/岡村さやか、上松コナン(暮らし)、赤眞秀輝(ナイスコンプレックス)、濱仲太(ナイスコンプレックス)/丈
【公式サイト】 http://naikon.jp/
【Twitter】 @gekidan_naikon