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あのs**t kingz ( シットキングス )shojiとOguriが朗読!?未知なるものを求めて 新舞台『 My friend Jekyll(マイ フレンド ジキル) 』shoji×Oguri×瀬戸山美咲インタビュー

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左から、shoji、瀬戸山美咲、Oguri

これまで一貫してダンスだけでストーリーを表現する“無言芝居”を続け、また多数の国内外のアーティストの振付などでファン層も厚い4人組ダンスパフォーマンスグループs**t kingz ( シットキングス )。
そのメンバーであるshojiとOguriが怪奇小説『 ジキルとハイド 』をテーマにした新舞台『 My friend Jekyll(マイ フレンド ジキル) 』を2019年6月8日(土)~6月9日(日)Spiral Hall(スパイラルホール)にて上演する。
はじめて挑む朗読劇という声を出すパフォーマンスとダンスパフォーマンスを未知なる世界へ導くのは鋭い視点で切り込む演出家の瀬戸山美咲。

今回Astageは稽古真っ只中のshoji×Oguri×瀬戸山美咲の3人に初めてづくしの新舞台についてじっくり話を聞くことができた。

――今回、この舞台をやることになったきっかけは?
shojis**t kingzは普段台詞を一切使わない“無言芝居”をテーマにダンスだけでストーリーを繋いでいたんですが、僕とOguriは元々ステージ上で喋ることに興味があったのです。それで、今後のことを話し合う中で普通に演劇をするよりも、一方は言葉で、もう一方はダンスでやりきる“朗読×ダンス”というスタイルでやってみるのはどうかという話になり、このプロジェクトが動き出したんです。
そして、脚本をどうするかとなった時、実はすごい人がいると瀬戸山さんを紹介していただいたのです。
瀬戸山いろんな巡り合わせで私のもとに(笑)

――このタイミングは自然なことだった?
Oguriそうですね。これから色々やっていく皮切りとしてやりたいという思いもあって、二人は芝居のレッスンもしていたんですが、s**t kingzの舞台や他の仕事など続いていたので、かなり早い段階から、この6月にやろうと決めていました。
他の二人(kazuki、NOPPO)も興味はあるんじゃないかな?。次は4人で・・・なんて事もあったら面白いですね。。
shoji去年の舞台がs**t kingz 10周年記念公演で10年という1つの区切りを迎えて、そこから又自分の新しい可能性に出会いたいと思ったんです。
元々サラリーマンだったのが脱サラしてダンサーになって、堂々とダンサーだと言えることが嬉しくてダンサーであることに喜びをおぼえていたし、これまでは喋らないことで自分はダンサーだ!という柱で立っていたんだと思う。
でも10周年を迎えて自分はダンスだけなのかな、自分で可能性の枠を狭めていないかと、その頃から沸々とステージで喋りたい、自分の可能性を知りたい!と考えるようになったんです。
Oguriもうすごいんですよ。口から生まれてきたんじゃないかっていうくらい喋る才能があるんです(笑)。

――今まではs**t kingzのメンバー4人だけで作品を作ってきていたが?
Oguri普段は自分たちが主導で考えてきていたんですが、今回は瀬戸山さんが舵を取って進めて下さるので、逆に新鮮です。でも最初は自分の中で色々やりたくなってしまったりもしましたが、稽古をしていくとすぐに委ねようという気持ちになりましたね。

――メンバーだけでなく外部の方とやってみるは初めて?
Oguri舞台の一部分に出演する場合や、個人としての場合は外部の方に演出して頂くことはよくありますが、s**t kingzとしての舞台では今回が初めてです。
瀬戸山そんな重大な、大切な挑戦に呼んでいただきありがとうございます。

sk2――今回オファーが来た時どう思いましたか?
瀬戸山お話をいただいた時はものすごく興奮しました。実は三浦大知さんが好きでライブを観に行っていて、s**t kingzのコーナーもあるので知っていたんです。そのs**t kingzの二人が声も出し、芝居の世界に近づいてくると聞き、しかも一緒に作るなんて最高じゃないかと、とても嬉しくて、前のめりになりながら返事をしましたね。
私は今までダンスのことは全然知らなくて、知らない世界へ入っていくことに緊張したんですが、そのように演劇的なダンスをやっていたところを観ていたので、頭の中でイメージは拡がっていましたし、前回の舞台『 The Library 』を観ると、これはもう芝居じゃないか、ダンスでありながら演劇だと思ったのです。
声を出すということは少しハードルが高いかもしれないけれど、それは逆に未知のことだからすごくやってみたい!答えがみえない、結果がみえないからこそ興味深く、すごくやってみたいと思ったのです。

――今回の舞台『 My friend Jekyll(マイ フレンド ジキル) 』について
Oguriあらすじは『 ジキルとハイド 』を元にジキル博士と仲の良い弁護士アタスンからみた話で、変貌していくジキルにアタスンの苦悩が描かれていて…
瀬戸山そう、実は『 ジキルとハイド 』は原作自体アタスンの目線で書かれているのですが、これまで色々な形で舞台化や映画化されているものは、どちらかといえばジキルが主人公の場合が多かったように思います。今回、脚本演出の話をいただいた後に二人と何をやったらいいか考えた時、いくつかの候補を出した中でもこれがいいんじゃないかと企画書の中にこっそり忍ばせておいたのです。その理由としては、二人の普段のイメージから遠い感じがすること、二面性という意味でもダンスで表現できる可能性が強いこと。そして何より“友情”をテーマにした『 ジキルとハイド 』を作りたい、これこそが10年以上一緒にやってきた二人じゃなければできない題材だと思ったことが大きかったです。ですから、普通の怖いイメージの『 ジキルとハイド 』ではなく、友達を助けたいという思いに重点を置いている作品になっています。

――どんな舞台にしたいですか?見どころは?
瀬戸山稽古が始まって、二人のダンスが全く違うことがわかって、朗読に関しても全く違うことがわかりました。
朗読は一人で地の文とすべての役柄の台詞を口にするので、shojiさんは顔の表情がコロコロ変わりこの言い方が合っているかわからないけれど、ちょっと落語をみているような感じになり、江戸の長屋が見えるようで、そこが面白い。Oguriさんは朗読に関しては真っ直ぐで登場人物のアタスンの誠実さをとても体現しています。
二人はタイプが違うので同じ作品を作ろうとは思っていません。それぞれの作品として、生き生きと一番いいところがでるように私も色々提案していけたらと思い稽古をしています。
shoji昨年の12月に台本の第1稿をいただいて、1月に読み合わせをしたんです。その後は2か月くらいOguriと別稽古だったので、お互いがどう読んでいるか、どういうキャラクター設定をしているか等一切わからないままでした。瀬戸山さんから「結構二人違いますよ」という情報だけだったので、4月になってから漸く一緒に稽古をするようになった時には1つの台本なのにこんなにも違うんだと驚きました。そして、それは瀬戸山さんがそれぞれが面白くなるようにディレクションし、僕たちに道を示してくれているから。僕たちをすごく大事にしてくれているのです。Oguriへのアドバイスも自分もメモを取りながら、これは自分が取り入れるべきではないのか?などと悩み考えながら稽古をすることが楽しい。こうやって全く違う作品ができていき、さらに今回は朗読とダンスを二人がどちらもやるダブルキャストという試みもあり、どちらも観ていただけたらより楽しいと思う。

―ダブルキャストの日程―
2019 年 6 月 8 日(土)
14:00 読み/shoji 踊り/Oguri
19:00 読み/Oguri 踊り/shoji
2019 年 6 月 9 日(日)
13:00 読み/Oguri 踊り/shoji
18:00  読み/shoji 踊り/Oguri

Oguri登場人物のアタスン弁護士はジキルを大事に思う気持ちがとても強い。その気持ちを自分も浴びたい。観客にどう見えるか、どう聞こえているか、そういうことではなくただ自分がその気持ちになって、その場にいる。そのためにはどうしたらいいのか、今稽古を頑張っているところです。そういう意味で、shoji君は役柄に憑依する様子がスゲーなと見習いつつ、悔しい思いもあり、自分なりの方法を見つけて、今まで見たことのない舞台にできたらいいなと思っています。
こうやって刺激ししあいながら生まれる舞台はその日その日で違うものになる面白さがあると思う。

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――普段、元気で明るいshojiさん、シビアに入り込むOguriさんとダンスパフォーマンスのスタイル、イメージも違うお二人ですが、役柄と重ねあわせてみるとどうですか?
shoji役柄のタイプとしては自分はアタスンタイプだと思う。なぜならOguriにはじめて出会った時のOguriの印象と、アタスンがはじめてジキルに出会った時の感情が一緒なんです。Oguriはイケメンで、頭も良くて、ダンスも上手い、とすべて持っている人という印象。アタスンもジキルに対して同じように羨望と憧れを抱き続け、それ故に心配もし続けている。
Oguriはすべて持っているのにどこか寂しさがあるような表現がスッとできるし、ジキルタイプだなと思う。
瀬戸山私も最初はそういう印象があったのですが、やってみると逆もすごく成立するものでした。Oguriさんもアタスンのコンプレックスのようなところも表現できているし、shojiさんはハイドになった時の野獣感がすごくて、いつもの明るいイメージから一変しとても怖いんですよ。

――Oguriさんは今回、友情は本物か観に来てくださいと言っていましたが稽古をしていてどうですか?深まりましたか?
Oguriどうなんでしょう、元々あったかどうかも…
shojiおいおい、あっただろ(笑)。
Oguriというのはジョークでこうやって11年やってこられたのですから!
今回、友情が焦点になっているこの舞台で一緒にやりながら、shoji君の新たな一面をみることができ、ワァーという思いはありますね。

――初めて声を出す舞台ですが、台詞はもう完璧?
瀬戸山:朗読劇で本自体を持っているので心配はないですけれど。
shoji持ってはいますけど、Oguriは早い段階から覚えていて衝撃的でした。自分がぶつぶつと朗読の練習をしていると、Oguriがその先をどんどん話していく。
Oguriは頭がいいんですよ、羨ましいな。
Oguri台本はほぼコンプリートです。ただ学生時代のことを思い起こしてみると、俺は日本史の穴埋め派でただ覚えて、その時やることをやるだけ。shoji君はきっと小論文派で小論文を書けるクリエイティブさみたいなものに憧れるんですよね。
shoji受験勉強がまさかのこういうところで生きてくるんだなぁ。
Oguriうん、生きてる。記憶するトレーニングみたいなことがね。

――本番を控えて、これまでと違うことはありますか?
shoji今までは喉を気にしたことはなかったのですが、朝ちょっとでも喉に違和感があると、ヤバいヤバい!水飲まなければと焦るし、今日は乾燥しているなとか喉に敏感になってますね。
瀬戸山本番初回の第一声がドキドキですね。
shojiどうしよう、裏返っちゃったりして(笑)

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――稽古も終盤だと思いますが、現状は?
瀬戸山朗読だけのシーン、ダンスだけのシーン、両方のシーンと様々なシーンがありますが、二人が互いをみて、感じ合いながら進めています。
例えばダンスのシーンでは、二人が「ここはフリーでいこう」などと話をしたりしています。私もその感覚に近く、枠組みは決めておくけれど、Oguriさんが言ったようにその場で生まれることを大事にしたいので、言い回しなどきっちり決めたいタイプではありません。
普段、演劇を作るときにも信頼できる俳優さんとは、役が壊れてしまわないギリギリの範囲だけ決めてやってもらうと、ものすごく生き生きした芝居になり、人間がいる!という舞台になります。
今回も朗読を一度身体の中に落とし込んで、その瞬間に生まれる言葉として観客の皆さんに届いたら嬉しいです。
Oguri稽古をしながら、互いに感じてぶつかりあいながら、今のは気持ちよかったなーということもよくあるんですが、何をしてそうなったのかは覚えてないんですよね(笑)

――kazukiさん、NOPPOさんには現状報告などされるんですか?
Oguriそうですねー、こんな台詞があるんだよとか
shoji台本渡して読んでもらってみたり。
Oguri彼らにはリハーサルを観てもらえるので、もうすでにそこが本番みたいな気持ちですね。
shoji緊張しそうだー!
Oguriそうそう、shoji君はよく本番前、壁に向かってぶつぶつ言ってるよね。
でも、こうやって本番前にメンバーに観てもらえるは、本番での心持ちも違ってくるし、嬉しいですね。

――s**t kingzの舞台はいつも老若男女にむけてのものですが、今回は?
瀬戸山先日Twitterでも、原作を読んだ方がいいですか?予習は必要でしょうか?と質問を受けたのですが、大丈夫です。ストーリーは難しくないですし、むしろ先入観なしで観てもらった方がいいくらいです。どなたも十分楽しんでいただける作品です。
shoji怖くて子供は観られないということは全然なく、友情がテーマなのでお子さんにも観て欲しい。そして、今回は元気いっぱいのいつものs**t kingzとはちょっと違う、大人の方に楽しんでもらえる作品でもあります。やっぱり、どんな方にも観ていただきたいですね。

――最後にメッセージをお願いします
Oguri朗読、朗読とダンスを組み合わせること、演出家に舵を取ってもらい進めていくこと、と今回はs**t kingzとしての“初”がいっぱい。初めてだらけで、観客の皆さんも一緒になってその初めてを経験するドキドキ感があると思う。そう、そのドキドキがきっと楽しい。
これから予想できないことをどんどんやっていこうと思っているし、第一歩として今回のこの舞台を最高のものにしたい。新しい自分を見つけられるように頑張ります。
shoji読み手、踊り手、演奏との呼吸によって速度も強さもすべてがその場で変わっていく。それは一緒に呼吸し合っているからで、稽古をしながらそれをすごく感じています。これが、本番には観客の皆さんも加わって、さらに新しい空間が生まれるんだと思う。観客の皆さんとも息を吸い合う、新しい経験ができると思うと本当に楽しみです。
喉に気を付けて頑張ります。
瀬戸山もう二人に全部言われてしまったな(笑)
今、やっていることは正直想像ができない世界。こうやって未知なるものを作っていくのはすごく面白い。観客の皆さんもきっとみたことがない瞬間がいっぱいあると思う。
是非、この未知なるものを観に来てください。

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インタビュー後のフォトタイム中も、「もう本番まで時間がない、早くこの舞台に缶詰になりたい!“君と出会ったのは今から15年前…”」と、突然台詞を言い始めたり、「失敗を恐れてはいけないけれど、そう思ってしまった瞬間失敗するんだよね。ダンスでも気にしてないと難なくできる片足バランスが、ブレたくないと思った瞬間にブレてしまうのと同じだね」等と、心情を吐露する二人は瀬戸山氏に助けを求めると、「例えば台詞を初めから噛んでしまうと自分が壊れてしまいそうだけど、噛んでもすぐ忘れること。メンタル強くするしかないんだよね(笑)」と直球すぎる返答に苦笑いの二人。

終始、3人が互いの話に耳を傾け、時には大笑いをしながら真剣に話をする姿から、今回が初めてとは思えない信頼関係が垣間見え、舞台がますます楽しみになった。

【あらすじ】
19 世紀末、ロンドン。弁護士のアタスンは、医学博士で法学博士のヘンリー・ジキルと出会う。誰もが羨む経歴を持ちながら人格者でもあるジキルに、アタスンは憧れと尊敬の念を抱いていた。やがて、ふたりは日曜日になると公園を散歩しながらさまざまな話をするようになる。しかし、ある日、ジキルが公園に現れなかった。ちょうど、同じ頃、ロンドンの街に奇妙な男の噂が広がる。彼の名前はエドワード・ハイド。通りすがりの幼い少女を踏みつけるような暴力的な男だ。ハイドの名を聞いたアタスンは、ジキルから預かっていた遺言書の存在を思い出す。そこにはジキルの遺産の相続者としてハイドの名前が書かれていた。アタスンはジキルにハイドとの関係を尋ねるが、ジキルは何も語ろうとはしなかった 。そうしているうちに、地元の名士の男性が道で撲殺されるという事件が起きる。犯人はあのハイドだった−−−−。

読み手はアタスン目線の物語を朗読、
踊り手はジキルとハイドをダンスで表現。
両者が絡み合うパフォーマンスをお届けします。

【タイトル】『My friend Jekyll』
【出演者】shoji,Oguri (s**t kingz)
【公演日】
2019 年 6 月 8 日(土)
14:00 読み/shoji 踊り/Oguri
19:00 読み/Oguri 踊り/shoji

2019 年 6 月 9 日(日)
13:00 読み/Oguri 踊り/shoji
18:00  読み/shoji 踊り/Oguri

【料金】¥7,500(税込)
未就学児入場不可(小学生以上チケット必要)

【会場】 Spiral Hall(スパイラルホール)

東京都港区南青山 5-6-23 スパイラル 3 階

【チケット発売】
▶<チケットぴあプレリザーブ受付> 5/16(木)12:00~5/20(月)23:59
http://w.pia.jp/t/shitkingz-mfj/
▶<一般発売>5/25(土)~  ※チケットぴあ限定

【Pコード:493-429】

  • ぴあ・特電 0570-02-9111
  • キョードー横浜・特電 045-671-9911

【公演に関するお問合せ】
キョードー横浜 045-671-9911(月~土 11:00~18:00)

■s**t kingzオフィシャルサイト

『 My friend Jekyll(マイ フレンド ジキル) 』