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「服は着ているけれど裸のつきあい」から生まれた 攻めるミュージカルレビュー 『KAKAI歌会』 インタビュー 原田優一 綿引さやか

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2013年2月に衝撃を与えたミュージカルレビュー『KAKAI歌会』。ミュージカル界の歌人(原田優一、今井清隆、樹里咲穂、和音美桜)が、そのキャリアと実力のすべてを披露し、歌い上げたライブは、客席から大歓声を得た。
2015年には新たな出演者(泉見洋平、伊東えり、白羽ゆり、谷口ゆうな、原田優一、福井晶一)で第2弾を開催。その名を一層高め知らしめた。
その、今や伝説ともなっている『KAKAI歌会』の第3弾が、2017年のゴールデンウィークに上演される。

今回出演するのは、2回目の出演となる泉見洋平の他、初出演となる入絵加奈子、佐山陽規、はいだしょうこ、綿引さやかの4人と本公演の初演から構成・演出も手掛ける原田優一。

高い人気を得てきたこれまでの『KAKAI歌会』について、そして3回目の挑戦について、原田優一と綿引さやかに話を聞いた。

―3回目となる『KAKAI歌会』ですが、過去2回を振り返って頂けますか?
原田:「歌を歌える人たちが大事な曲を選んで自ら歌うというコンサートをやる」とコンセプトだけを決めて始めたのですが、最初は手探りでした。でも集まって下さったメンバーが「ブン!!」とアクセルを踏んでくださり(笑)、とても楽しいコンサートになりました。お蔭で皆さまに『KAKAI歌会』のイメージも持って頂けました。2回目を経て、3回目は、皆さんのイメージや希望どおりにやりたいところと裏切りたいところがあり「冒険しつつも安定した笑いは取りにいこう」としています。
まだ『KAKAI歌会』をご覧になったことがない方は「そんなこともやっちゃうの?!」と思われるかもしれませんし、これまでも観て下さった方には「こういうのを待っていました!」という内容をお届けしたいと思っています。もちろん、新たな挑戦もしています。

―綿引さんの『KAKAI歌会』のイメージは?
綿引:はい、2013年の初演を拝見しました。原田さんをはじめ出演者全員がエネルギッシュで、それまで抱いていたミュージカルレビュー、ショーのイメージが覆されて『KAKAI歌会』の虜になりました。
ただ実は原田さんとはミュージカル『レ・ミゼラブル』(以下、『レミゼ』)で共演させて頂いたのですが、まだエコール(稽古に入る前に行われる勉強会)の時で、クールで知的な原田さんのイメージを抱いたまま観に行ったので…
原田:まだほとんどお話もしたことがない頃でしたね。
綿引:はい、「本当の原田さんを知らなかった」と、次の日から原田さんを見る目が変わりました(笑)。

―では、今回のオファーが来た時には?
綿引:す~ごく嬉しかったです!ただ『KAKAI歌会』がどんなものか、「ハードルが高い」ということも知っていたので「大丈夫かな」という心配と「挑戦したい」という気持ちの両方でした。「原田先生に引き出して頂こう」と修行の気持ちで参加させて頂いています。
原田:初めて参加される方…、今回は佐山陽規さんもですが、稽古初日には「何をやらされるの?」という恐々とした感じでおいでになりますね。
綿引:私が『KAKAI歌会』に出演するというお知らせが出た時には、たくさんの方から「今回は何を引き出してもらえるんでしょうね」「何をやっていただけるのか、たのしみにしています」という反応を頂きました(笑)。『KAKAI歌会』は「新しく参加した俳優、女優、歌手の新たな魅力を思いがけないところから引き出す」というイメージを、お客様も持ってらっしゃるんだと改めて感じました。
原田:天然の方には「その路線で行ってみて!」と背中を押す…というか、特急券を渡してしまう…みたいなところはありますね。(一同爆笑)

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―今回の基本的な内容は原田さんが温めてきたものですか?
原田:今回はどういう『KAKAI歌会』にするか、お客様にも聞いてみようとツイッタ―で「どういうものを観たいですか?」と質問を投げかけました。答えは大きく分けて3種類…まず昭和歌謡。今回は、はいだしょうこさんが参加されるのでお絵かき。はいださん以外の全員が出演したことがある『レミゼ』の3種類です。そして、ほとんどの方がお笑いは求めておられたので、改めて「笑いは必須」だと知りました。
「イメージを裏切る」なら、全編泣かしにかかる『KAKAI歌会』というのもありかと思うのですが、それではお客様が「違う!」「こんなんじゃない!」と帰ってしまわれると困るので、今回も笑いは欠かしません!

―この3つはきちんと押さえつつ…?
原田:そうです。皆さまから頂いたご意見は大切にしつつ、3回目ならではの何かを打ち出していかねばなりません。今回のキャスト6名中5名は『レミゼ』の出演経験がある。唯一そうでないはいださんは、うたのおねえさんであり、宝塚歌劇団時代にはエトワールも担った方。ですから、今回は「歌うこと」を押し出し、大切にしていきたい。チラシにも「歌って歌って歌いまくる」とありますが「攻めるコンサートに」して、お客様にはジェットコースターに乗っている気分になって頂きたいと思っています。

―綿引さんは、お稽古をされていて、如何ですか
綿引:1曲ずつやっていくと、曲数はすごくたくさんなのですが、1幕2幕があっという間です。普段は食べられない珍味が、どっさりのったどんぶりのような贅沢な感じです。

―その贅沢な内容は、どうやって出てきたのですか?
原田:アレンジも担当して下さる音楽監督のYUKAさんと相談しながらですね。僕からやりたい曲やコーナーを提案していくと、音楽について豊富な知識をお持ちのYUKAさんが、曲やアレンジの仕方などについてたくさん意見を下さる。そこでまず作って、稽古場に持ってきます。そして出演者のみなさんのエッセンスが加わり、新たな息吹がもたらされています。

―エッセンスの元となる出演者の引き出しは、原田さんが開けていくのですか?
原田:う~ん、「こういう風にするとしたら、どういう対応されますか?」と提案すると、出演者の方が「あ、ちょっと待って下さい…私、こういうのが出ましたけど、どうでしょう?」と引き出しを開けて下さって「それ、面白いです!それで行きましょう!」とか「それはちょっと置いときましょうか」と相談しつつ…ですね。

―キャリアと実力のあるキャストの方々ならでは…ですね。
原田:はい。そして自分から「これ、どうでしょう?」と出して頂いた方が、より濃いものが出来上がるという感じがしています。

―出したくても、今までは出せなかったり、やる機会がなかったこともあるかもしれませんね。
原田:そうですね。そしてYUKAさんも振付の中村陽子さんも人間をよく観察してらっしゃって、その人の限界ギリギリを狙ってくるんです。
綿引:わぁ~!(笑)
原田:そこで自分でも構成については、崩壊寸前のギリギリを狙っています。「これ以上やると、お客様に引かれてしまう」というギリギリです。これ以上やると絶叫マシーンじゃなくて
綿引:ホラーです!(一同爆笑)
原田:ギリギリとはいえ歌の会なので、音楽はきっちりお聞かせする。プラスαで何か…というポリシーはきちんと持っています。
綿引:『KAKAI歌会』に来たからには、いろいろ出してみていいんだな…ということは、最初から感じています。そこから原田さんがチョイスしてくれるので。
原田:「服は着ているけれど、裸のつきあい」という感じです(笑)。

―正真正銘のオープンマインド、オープンハートですね。
原田:ですから、最初にまず自分が脱いで「行くぞ!」ってやります(笑)。

―キャストの才能を丸ごと拝見できそうです。そういう点では、綿引さんご自身は?
綿引:まだまだ限界まで到達できていないので、最後までそこを目標に頑張っていきたいと思っています。

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―綿引さんがお稽古中に、イメージが変わった方はいらっしゃいますか?
綿引:全員です!女性陣としては、『レミゼ』のエポニーヌ役としても憧れの先輩、入絵加奈子さんは、コミカルな部分が引き出されています。「どんなにたくさんの引き出しを持っていらっしゃるの?!」って思いました。そして、はいださんにも驚かれると思います。この『KAKAI歌会』で生まれた魅力は、相当な新発見です!
原田:佐山さんと泉見(洋平)さんは、今回の衣装を「大丈夫かなぁ…」と心配していらしたのですが、先日の衣装合わせではノリノリでしたね。
綿引:しばらく脱がなかったですものね(笑)。

―それは、どんな衣装なのか楽しみです。では最後に見どころと意気込みをお願い致します。
綿引:ミュージカルを観たことがない方も楽しんで頂けるラインナップになっていますし、ミュージカルが大好きな方も新たな魅力に触れることができる、本当に新しいミュージカルレビューショーです。
私も特急切符を頂いたからには、仲間を信じて、原田さんを信じて、最後まで突っ走ります!『KAKAI歌会』にもっともっとパワーを注入できるようにしていきたいです。

―綿引さん登場の場面での見どころを、ちょっとだけお願いします!
綿引:あるメドレーの中で歌うナンバーは、研究に研究を重ねて、なりきって演じたいと思っています!それから、全員がその歌の世界に情熱を一気に注ぎ込むラストに是非、注目して頂きたいです。私はお稽古でも涙してしまいました。心を込めてお届け致します!

―では、原田さんの3回目『KAKAI歌会』への決意をお願い致します。
原田:「構成・演出する時には自分は出演しない」と決めているのですが、『KAKAI歌会』だけは出演します。今、作りあげる段階が終わって、これからは出演者としてエンターティナーの原田優一になります。本番まで日も少なく、時間との勝負で大変ですが、本当に楽しい現場で、キャストもスタッフもすごく楽しんでいるのが分かるので、その楽しさがお客様にも伝わるといいなぁと思っています。

『KAKAI歌会』の初日は5月3日18時開演。
どこが限界なのか?
いったい何を観せてくれるのか? 
見逃せない公演になりそうです!!

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『KAKAI歌会』
2017年5月3日(水・祝)~6日(土)
会場 三越劇場
構成・演出 原田優一
音楽監督 YUKA
振付 中村陽子
出演 泉見洋平 入絵加奈子 佐山陽規 はいだしょうこ 原田優一 綿引さやか(五十音順)
公式HP http://show-biz.jp/kakai2017/

<稽古場映像 URL>

<「KAKAI 歌会 2017」PV> ※2015年公演映像使用