今回、ご登場いただくのは、3月29日から東京・グローブ座での上演を予定している「Romeo and Juliet -ロミオとジュリエット-」で、ヒロインのジュリエット役として初舞台を踏む茅島みずきさん。(公演上演は、3月29日(月)~4月18日(日)東京グローブ座、4月21日(水)~4月25日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ)
2017年に開催された「アミューズ 全県全員面接オーディション2017 ~九州・沖縄編~」でグランプリに輝いて、芸能界入りし、昨年、映画「青くて痛くて脆(もろ)い」(狩山俊輔監督)でスクリーンデビュー。ポカリスエット、三菱パワー、ワイモバイル、資生堂など、多くのCMにも出演し、現在はNHKよるドラ『ここは今から倫理です。』でも逢沢いち子というメインの生徒役を演じている注目の若手女優だ。
身長170㎝という恵まれた容姿に、優雅な立ち振る舞い。言葉を選びながら話す姿は、16歳とは思えない、落ち着いた美しさ。だが、まっすぐにこちらを見つめる瞳と、ときおりのぞかせる笑顔に、まぶしいばかりの若さのきらめきと情熱を感じる。
憧れだったファッション誌「Seventeen(セブンティーン)」(集英社)の専属モデルにも決まり、スターへの道を突き進む彼女に、芸能界に入るきっかけから今の苦労、そして将来の夢まで語ってもらった。
―昨年春、中学卒業を機に東京へいらしたのですか?
はい。親元を離れるのは寂しいと思っていたので、ぎりぎりまで東京へ行くか、長崎に残るか、悩んでいました。でも「自分の夢のために東京へ行こう!」と思って、ひとりで東京へ来ました。
―感染症拡大という事態になって、予想以上に大変だったのではないでしょうか?
寂しいという気持ちがありましたが、今はいろいろなお仕事を頂いて、楽しい方が大きいです。学校でも友達ができて楽しいです。
―茅島さんはゴルフをされていたそうですね?
小学2年生から6年生までは、ずっとプロを目指してゴルフをしていました。でも6年生の全国大会で挫折をしてしまって、ちょうどその時に母が「アミューズのオーディションが長崎であるよ」と教えてくれて、オーディションを受けました。
―どういうタイプのゴルファーでしたか?
飛距離が出る方ではないのですが、曲がらないので、正確さや小技が得意で、一打一打を丁寧に打つタイプでした。
―真剣に取り組んでこられたゴルフで、学んだこと、身についたと思うことは?
ゴルフはメンタルスポーツで、4時間ずっとライバルと一緒にコースをまわるので、メンタルが鍛えられました。今、芸能界でもそれがとても活きていると思います。
そして、当時は歯を磨くのと同じように、ゴルフの練習は、毎日やらなくてはいけないことで、習慣になっていたので、練習が苦ではありませんでした。そのせいか、今も努力することは苦ではありません。
―ゴルフから芸能界へと進路を変えてからは、どのように過ごしてこられたのですか?
事務所に所属してからの1年間は、事務所で行われているレッスンに参加していました。1ページぐらいの簡単な台本での演技を習ったり、発声や滑舌のレッスンなどを受けたり、基礎的なダンスを習ったりしました。
―それは茅島さんにとっては初めての体験だったと思いますが、そこで「自分に向いている」と思うことがありましたか?
同世代が一緒にレッスンを受けていましたが、経験がある人、演技のできる子もいて、自分が一番できなかったので、もう本当に悔しくて「もっと頑張ろう」と思うようになりました。楽しいという気持ちよりも悔しいという思いが一番でしたが、女優を目指そうと思うきっかけは、そのレッスンだったと思います。
―これまでにやってこられたお仕事で、自分に向いていると思ったことはありますか?
自分の中でこれが向いているかどうかはわからないですが、お芝居をしているときが一番楽しいしですし、好きです。悔しいと思いながらも「もっと頑張ろう」と思うのは、お芝居が好きだからだと思います。
―演技で悔しいというのは、どういう時ですか?
例えば…今、出演しているNHKよるドラ『ここは今から倫理です。』で演じている逢沢いち子は感情豊かで常にテンションが高いのですが、私自身は普段はテンションが高い方ではないので、自分ではテンション高くやっているつもりでも映像で確認すると自分が思っていたようにはできていないことがあります。自分では表現したつもりでも映像で見るとできていない。そこはこれからの課題だと思っています。
―逆に「楽しい」と実感する具体的な出来事はありましたか?
2019年に出演させて頂いたポカリスエットのCMは、表現力の大切さを学んだ現場でした。
ダンスのために1か月の練習期間があったのですが、振り付けはできるようになっても、感情が出せないことがずっと課題で、本番の2日前になっても、できなくて…。どうにか本番ではできたのですが、表現する難しさを痛感しました。そして自分が成長できたお仕事だったと感じました。
―苦労したけれど、できたときの喜びが「楽しい」?
はい、喜びが大きかったです。
―「Seventeen(以下ST)」の専属モデルにも決まったとうかがいました。以前のインタビューで「STのモデルになりたい」と話されているのを拝見しました。願って叶えていくのはスゴイです。
私が芸能界に入って、お洒落を勉強するために初めて読んだ雑誌がSTでした。その時から憧れでもあり、ずっとなりたいと思っていたので、決まったと聞いた時はすごく嬉しかったですが、最初は実感が湧かなかったです。
―STのモデルに憧れたポイントは?
当時読んでいたのは、三吉彩花さんや中条あやみさんが専属モデルだった頃で、初めて読んだ時に皆がキラキラしていて「わぁ~!かっこいい」と思いました。
―今、一つずつ願いを叶えつつありますね。秘訣はありますか?
まだすべての願いが叶ったというわけではないので、うまくは言えないですが、人生にチャンスはそう何度も来るものではないと思うので自分で「チャンスだ」と思った時には、「失敗を恐れず、突っ込んでいこう!」とは思っています。
―女優としては先に映像作品でデビューされましたね。苦労したことなど、お聞かせいただけますか?
どの作品でも悩みますが、初の映画出演となった「青くて痛くて脆い」をきっかけにお芝居の難しさや楽しさを学び始めたと思います。撮影したのは2年程前ですが、役作りの方法も全く変わりましたし、「あの映画があったからこそ、今の自分がいる」と思います。
―演じている時は、役と自分はどういう状態なのですか?
私はクランクアップするまでは役が抜けない方かな…。でも終わって、「ありがとうございました」となったときには、スポンと抜けるタイプだと思います。クランクアップするまでは、悩むことがありますけど、考えれば考えるだけアイデアが浮かんでくるので、台本と向き合っている時間は楽しいです。
―キャスティングではオーディションも多いと思いますが、オーディションでのプレッシャーはどう乗り越えていますか?
オーディションでプレッシャーは、あまり感じたことがないですが、『ロミオとジュリエット』への出演が決まったと聞いた時は、プレッシャーを感じました。舞台は未知の世界で、ドラマや映画とは違うと思いますし、舞台は観客の目の前での一発勝負で演技をして、観客の反応が返ってくると思うと怖い気もします。
―「オーディションであまりプレッシャーを感じたことがない」というのは、すごいです。さて、『ロミオとジュリエット』ですが…
シェイクスピア作品に携わらせて頂けるは、とても光栄ですし、嬉しいという気持ちありますが、最初は不安や緊張が大きかったです。台詞も今の言葉とは違う部分も多いので、それを自分の中に落とし込む作業に苦戦しています。
ただこの経験は後々、きっと活きてくると思いますし、また成長できる機会だと思ってチャレンジしたいと思っています。
―「稽古初日までに台詞は全部覚えてくるように」と、演出の森新太郎さんからリクエストされた、聞きました。ドラマの撮影をやりながら、舞台の台詞を覚えているんですね?!
とても苦労しました。
―個人的に森さんの演出がとても好きなのですが、その裏には、そういう厳しさと、それに応える苦労があるのですね。稽古前(の取材時)には、台詞はどのように覚えていますか?
これまでのドラマや映画では、相手役の台詞を自分で録音しておいて、それに合わせて自分の台詞を言うという練習をしてきましたが、『ロミオとジュリエット』では、ジュリエットひとりで5ページ分も話し続けるシーンもあるので、読んで口に出して…。覚えるまでひたすら繰り返しています。
―ジュリエットという役については?
私は今、16歳ですが、ジュリエットは14歳。14歳は今だと中学生で、もっと幼い。その年で結婚を決めて、愛する人のために死を選んだ。「なんて芯の強い女の子なんだろう」「ぶれないものを持っている子だ」という印象もあり、敵対している一族の人でも想い続けることができる純真さみたいな両方がある。そこを大事に表現していきたいと思っています。
―若いおふたりの「ロミオとジュリエット」、楽しみにしています。では、最後に夢を教えてください。
今は目の前のことで精一杯で、「何年先には、どうなりたい」ということは、考えたことがないのですが…いつかは朝ドラにも出演できるようになったらいいな…と思っています。
―目標とする方はいますか?
あこがれの女優さんはたくさんいるのですが、お仕事をさせていただく中で、最近は「あこがれているだけでは、超えられない」と思うようになって「自分らしくいたい」と考えが変わりました。
―では、今の自分らしさは?
なんでしょう…負けず嫌いなところが自分らしいところでしょうか…。
―本当に演技が面白いんですね!
はい。がんばりたいと思っています。
『Romeo and Juliet -ロミオとジュリエット-』
演出:森新太郎
出演:道枝駿佑(なにわ男子/関西ジャニーズJr.) 茅島みずき
宮崎秋人 森田甘路 小柳 心 坂本慶介
栗原英雄 太田緑ロランス 高橋克明 鈴木崇乃
冨永 竜 久留飛雄己 天野勝仁 和田慶史朗
平田敦子 花王おさむ 斉藤 暁
東京公演:3月29日(月)~4月18日(日) 東京グローブ座
料 金 :S席:9,000円 A席:8,000円 B席:6,000円(全席指定・税込)
チケット発売日 :2021年3月14日(日)
お問い合わせ :東京グローブ座 03-3366-4020
大阪公演:4月21日(水)~4月25日(日) 梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
料 金 :9,000円(全席指定・税込)
チケット発売日 :2021年3月14日(日)
お問い合わせ :キョードーインフォメーション 0570-200-888(11:00〜16:00 ※日祝休業)
公式サイト :https://www.romeoandjuliet2021.jp