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舞台『家族の基礎~大道寺家の人々~』公演レポート

9月6日(火)、M&Oplaysプロデュース「家族の基礎~大道寺家の人々~」Bunkamuraシアターコクーンで開幕。公演レポート到着!

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撮影:柴田和彦

人気シリーズの舞台「鎌塚氏シリーズ」や、NHK のコント番組「LIFE!」の脚本など、コメディー作品に定評のある倉持裕が、初のシアターコクーン公演に新作コメディーを引っさげて登場。
波乱万丈な運命をたどる風変わりな一家・大道寺家の人々の挫折と再生を軽妙なタッチで描く群像劇だ。

出演者には、松重豊、鈴木京香という人気と実力を兼ね備えた 2人が夫婦役で舞台初共演。2人の長女に夏帆、長男に舞台初出演の林遣都、大道寺家に憧れて子供同然に育つ近所の子に堀井新太、さらに黒川芽以、坪倉由幸、眞島秀和、六角精児など、豪華で賑やかな面々が集結。おかしくも痛烈にして「愛」と「希望」に満ちた家族の物語を描く。

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自ら主宰する劇団「ペンギンプルペイルパイルズ」以外にも、劇団☆新感線やNHKのコント番組「LIFE!~人生に捧げるコント~」への脚本提供など、幅広い活動で知られる倉持裕。彼が作・演出を手掛ける最新舞台「家族の基礎~大道寺家の人々~」が6日、東京・Bunkamuraシアターコクーンで幕を開けた。普段はビジネスモードな空気漂う関係者のみのゲネプロですら、終始笑いが巻き起こっていたオフビートな大河コメディだ。

長男・益人(林遣都)に問われるまま、松重豊演じる一家の長・大道寺尚親が自身の生い立ちを語り始める。裕福な家庭に生まれるも、浮気性の父とネグレクト気味の母のもとで放任されて育った尚親は、五郎丸(六角精児)率いる旅回りの大衆劇団「五郎丸一座」と出会い、自宅を劇場として貸すなどして彼らを支援する。数年後、弁護士となった尚親は、ひょんなことから五郎丸と再会。五郎丸に騙されたと訴える依頼人の須真(鈴木京香)と交際し、やがて結婚する。彼女は、尚親の母に顔がよく似た女性だった。一方、仕事に情熱を燃やす駆け出しの女優であった須真は、子供を作るのはまだ先でいいと考えていたにも関わらず、間もなく妊娠。長男・益人、長女・紅子(夏帆)を立て続けに産み、主婦としての生活に追われることとなる。この四人家族に、風変わりすぎる面々が次々と絡む。大道寺家に入り浸る向かいの家の息子・明司(堀井新太)、尚親に一目惚れした紅子の友人・由弦(黒川芽以)、五郎丸の導きで大道寺家に匿われる反政府組織のリーダー・瀬野尾(眞島秀和)、神出鬼没な元悪徳刑事・千々松(お笑いトリオ「我が家」の坪倉由幸)など。彼らそれぞれを主人公にスピンオフが作れそうなほど、その背景が興味深い魅力的なキャラクターたちが、“波乱万丈”としか言いようのない大道寺家の数十年間をカラフルに彩っていく。

タイトルである「家族の基礎」、つまり何を持って“家族”とするのかという定義づけは、多様化を増す現代において容易なことではない。作者の倉持もそこに答えを出してはいないが、この一見奇妙な家族の在り方を通じて、一般的な“幸せ”の価値観に大きな揺すぶりをかけている。大道寺家に巻き起こった出来事は、「普通」の価値観で言えば「不幸」にカテゴライズされるだろうが、果たしてそうなのか。「幸せ」と「不幸」は誰が決める? 「普通」ってナニ ? この物語の長い旅路の果て、「歪な大団円」という言葉が浮かんだ尚親と須真によるラストシーンを観ながら、そんなことを思った。

また、書き留めたくなる衝動に幾度もかられたほど、台詞がいい。ライトでまるで押し付けがましくないが、実は人生哲学に満ちたおトクなコメディを、適材適所なキャストの味のある演技とともに堪能してほしい。                       文・武田吏都

【公演概要】
◆公演名: M&Oplaysプロデュース「家族の基礎~大道寺家の人々~」
◆作・演出: 倉持裕
◆出  演: 松重豊、鈴木京香、夏帆、林遣都、堀井新太、黒川芽以、坪倉由幸、眞島秀和、六角精児ほか
◆2016年9月6日〈火〉~9/28〈水〉/東京・Bunkamuraシアターコクーン
2016年10月1日〈土〉、10月2日〈日〉/愛知・刈谷市総合文化センター 大ホール
2016年10月8日〈土〉~10月10日〈月・祝〉/大阪・梅田芸術劇場 シアター・ドラマシティ
2016年10月16日〈日〉/静岡・浜北文化センター 大ホール

舞台「家族の基礎」 公式サイト   http://mo-plays.com/kazokunokiso/
◆主催・製作: ㈱M&Oplays
◆お問い合わせ: M&Oplays 03-5475-3436(平日:11:00~18:00)

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