1969年の日本初演から、今年の大阪・長野での公演で上演回数1,235回を達成。
ミュージカル『ラ・マンチャの男』が10月4日の帝国劇場初日で1,236回目の幕を開ける。
初日を控えた主演の松本幸四郎、霧矢大夢、駒田一が囲みインタビューを受けた。
登場したとたん、「初演から(取材に)来ています!」と取材陣から声をかけられ、思わず笑みがこぼれた松本幸四郎。
一挙になごやかな雰囲気になってインタビューが始まった。
意気込みを尋ねられた松本幸四郎は「初日は何十回でも興奮して緊張します」と柔らかな口調で話し始めた。
「この帝劇ができて来年が50年と伺いました。『ラ・マンチャ男』は46年前。帝劇と同じ年数を歩んできたわけです」と振り返る一方「70才を過ぎ、ドン・キホーテの年に近付いてきた。いろいろな経験もしたし、ひとつひとつのお芝居の中に、踊りを踊る中に今までの自分の人生経験みたいなものを感じます」と今の充実感を教えてくれた。
その松本から「「It`s all the same」という曲を聴いたとき、カルメンだと思った」と言われた霧矢大夢。「はい!」と返事をして「光栄な例えを出して頂きましたが、まだまだ修行の日々でございます」と身を引き締めた。さらに「松本幸四郎さんと共演させて頂いていると実感するときがあって、夢みたいだなと」と続けると、松本から「それはいい意味にとって?複雑な意味がありますからね」とツッコミが入り、大きな笑いがおこった。
一方本作に「ちょうど20年やらせて頂いています」という駒田一。「言えなかったことが年々言えるようになったかな。舞台上でもだんだんできるようになったかな、まだまだですけど」と言うと、また松本が「いい意味ですね?」とまたツッコミ。駒田はあわてて「いい意味ですよ。昔は触ることすらできなかった。今はこうして触れるようになった」と松本の腕を撫ぜて笑いが起きた。
松本幸四郎は「有難いことです。73にもなって『ラ・マンチャの男』を46年もできて。(脚本を手掛けた故)デール・ワッサーマンさんの夫人が、今日も観劇下さるそうです。3年前にデール・ワッサーマン氏が受けたトニー賞のトロフィーを『一番相応しい俳優に』という遺言で頂戴した時には自分は役者をやっていてよかったと思いました。そういう思いで霧矢さんや駒田君はじめ、スタッフ・キャスト全力を挙げてお目にかけたいと思いますので、是非帝劇の方へいらしてください」とアピール。名優は1,236回目の舞台へと立つべく立ち去った。
公演日程は2015年10月4日(日)~27日(火)帝国劇場
料金:S席13,000円 A席8,000円 B席4,000円(消費税込)
お問合せ:東宝テレザーブ(03-3201-7777)
公式HP:http://www.tohostage.com/lamancha/index.html