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藤井美菜インタビュー 『ペール・ギュント』出演 

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知的で端正な美しさと明るく優しい雰囲気を合わせ持ち、日本のみならず韓国でも活動し、広くアジアで人気の女優・藤井美菜。
ドラマ「ブラッディ・マンディ」シリーズや映画『MONSTERZモンスターズ』『女子ーズ』など映像で活躍してきた彼女が、今回は構成・演出に白井晃、出演 内博貴、藤井美菜、加藤和樹、前田美波里という豪華キャストの舞台『ペール・ギュント』に挑む。
その稽古場で話を聞いた。

―今この時期に舞台に出演を決めた理由は何でしょうか?
17歳頃から本格的にデビューして、もうすぐ10年目に突入します。韓国でお仕事させて頂いたことも、自分が変わるきっかけ、成長の機会になったと思います。でもそちらも頑張りつつ、いろんなことにどんどん挑戦したいと考えていた時にちょうどこのお話を頂いて。

―昔も舞台には出ていらしたですね。舞台というのは、如何ですか?
9歳10歳頃に子役として出演させて頂いて、17歳で本格的デビュー後は、去年・今年と朗読劇をやらせて頂いただけなのです。今は「初舞台」というくらいの気持ちで臨んでいます。他のキャストの方が、皆さん、大先輩ばかりなので、稽古でいろんなことを勉強させて頂くしかないという気持ちです。

―この作品を選んだ決め手は?
まず、経験もない私がヒロイン役を頂けて光栄でした。お話を頂いてから戯曲を読ませて頂きましたが、舞台ならではの非現実的な部分もあり、それを白井晃さんがどのように演出されるのか、、、たくさん想像を膨らませました。

―藤井さんはペールと恋に落ちる清純な女性ソールヴェイ役ですが、オフィシャルインタビューで「イメージをくつがえずかも…」とおっしゃっていましたね。
あのインタビューはお稽古の始まる前、台本も出来る前で、私自身もソールヴェイという役を探っていた頃です。覆すことができるか、わかりませんが、稽古が始まった時に白井さんが全員に「自分が役に近付くというよりは、役を自分に近付ける感じで、自分の中のリアリティを演じて下さい」とおっしゃいました。私にとっては久しぶりの舞台で、舞台だからこそ、役を作りあげるやり方みたいなものを研究する必要があるんじゃないかと思っていたのですが、白井さんのお話を聞いて「今、自分の中にあるものから演じればいい」「映像作品と同じなんだ」と思って、不安から少し解放されたように思います。
ソールヴェイという役は、戯曲が発表された当時には「非現実すぎる人物だ」「男性にとって都合がよすぎる女性像」「男のエゴだ」とバッシングを受けたのだそうです。自分でも読んでみて「現実にこんなに待つことができる女性がいるのだろうか」とも思いながらも、最初は〈清純で優しくてきれい〉なヒロイン像の方向性でやってみたらどうかな…と演じ始めました。でもあれほど長く待てる女性は、芯が強くて、ある程度頑固な部分もないと無理だと思います。そういう点から、人間らしさ…ただの可愛い女の子じゃない部分もプラスすることができるんではないかと思いながら、今、お稽古しています。

―ソールヴェイの強さを、自分に近付けていけるものでしょうか?
「好きになったら、一途です」とは自分の口から言い難いですが(笑)、「その人だけを見つめる」という気持ちには共感できますので、自分の中にあるものからふくらませてソールヴェイになっていけたら…と、今、取り組んでいます。

―お稽古は如何ですか?
毎日同じ時間に同じ場所に通うことが新鮮です。そしてお稽古場では、毎日同じメンバーとたくさんコミュニケーションをとっています。映像作品のお仕事では、自分の出演シーンがなければ、現場で他の撮影を見ることはあまりありませんが、舞台の稽古では他の方のシーンもみることができ、勉強にもなります。

―面白かった場面や刺激となった出来事はありますか?
実はペールが自由奔放に他の女性とも遊んでいることを、ソールヴェイという女性は知らないわけです。でも稽古場では、それを見ることができて(笑)。ソールヴェイとしては「見たくないなぁ」と思いつつ。でも稽古場で他の方々がいろんなキャラクターの女性を演じるのを見ながら、その相手によって内博貴さん演じるペールが違った対応をしている。いろんな感情が入り交じりますが、舞台ができていく過程を客観的に見ることができて面白いです。

―「自分探し」がテーマと言われる本作ですが、女優という仕事は自分と向き合うことが多くて、常に「自分探し」されているような感じかとも思いますが、如何でしょうか?
本作の戯曲や台本を読んで「ペールはなんて冒険心のある男性だろう」と思いましたが、トラブルメーカーでもあり、トラブルの中に入って行くような人です。そういう要素は、元々の私にはないなと感じながら読んでいました。保守的で、同じ環境で居続けたい…、冒険心があまりないのが私の元の性格なのかなと思います。
でもこのお仕事を続けながら、いろいろな感情を知って、経験をしている方が自分の中にたくさんの引きだしを持つことになり、この仕事にとってはプラスになると感じ始めました。そこで「自分で自分を変えていこう」と努力しはじめたんです。だから、根っから追求心や冒険心があるペールを羨ましいと思う気持ちも強くて。
また保守的な私がペールを見た目線は、ソールヴェイのペールへの視線と似ているとも考えると、ソールヴェイと自分との共通点を感じることができて、面白いです。

―韓国でも大活躍されている藤井さんなので、もともと積極的にチャレンジするのがお好きな方かと思っていました。
「変わりたいな」と思っていた時に、良いタイミングで韓国でのお仕事を頂いて、そこからいろんな世界を見ることができましたし、新しい自分も見つけることができたような気がします。ペールの話とも重なりますが、あるがままの自分を出せるようになった気がします。
今振り返ってみると、昔は「人前にでるなら、こうしなきゃ」というような思い込みが強くて。嘘をついていたわけではありませんが、自分の中でセレクトした部分を人前で見せていたように思います。
韓国ではバラエティ番組にも出させて頂きましたが、初めの頃は特に、韓国語も失敗だらけでした。でもミスをしても、皆さんが応援をして下さったんです。「人間らしい姿でいてもいいんだ」と気持ちが少し楽になりました。

―藤井さんのファンが、韓国・日本だけでなく中国にも、とてもたくさんいると聞きました。
ありがたいです。「素の自分を見せてもいいんだ」と思ったところから良い循環が始まり、いろんな国の方が応援して下さるようになった気がしています。

―藤井さんは読書好きで、しっかり自分磨きを続けている方だな…と拝見させて頂いていました。
もともとは自分の世界に閉じこもる方で、自分でできる自分磨き…語学の勉強をしたり、本を読んだり…狭い範囲の自分磨きはやっていましたが、これからはそこから一歩出て、広い意味での自分磨きができたらいいなぁと思っています。

―お仕事については、映像から舞台へ、日本だけでなくアジアでと、どんどん広い世界に活躍の場を広げていらっしゃいますね。今回の『ペール・ギュント』は生演奏だと伺いましたが…。
歌を歌うシーンがあったりします。今までなかったことですね…(笑)。

―また新たな世界ですね。ジャンルも国境も飛び越えて行かれる藤井さん。楽しみにしています。
いろいろがんばらなくては。枠に収まりきらないように、いろんな世界へ広げていきたいと思います。

―ありがとうございました。
ありがとうございました。

藤井 美菜
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※DM(ダイレクトメッセージ)は@astage_entをフォローいただいてませんと、お送りすることができません。

藤井美菜
1998年新潟市民芸術文化会館(りゅーとぴあ)開館記念ミュージカル『シャンポーの森で眠る』で初舞台を踏む。2006年に映画『シムソンズ』で映画デビューし、本格的に芸能活動を開始。ドラマ「ブラッディ・マンデイ」シリーズ(TBS)、映画『武士の家計簿』(森田芳光監督)、『女子ーズ』(福田雄一監督)など映画・ドラマを中心に活躍している。2012年韓国でも活動を開始し、2013年富川(プチョン)国際ファンタスティック映画祭広報大使、連続ドラマ出演など活動の幅を広げ、国際的にも高い人気を博している。2015年出演映画『猟奇的な二番目の彼女』(仮)(チョ・グンシク監督)が公開予定。

『ペール・ギュント』あらすじ
夢見がちな男ペール・ギュントは、純情な女ソールヴェイと恋に落ちるが、穢れのないソールヴェイにふさわしい自分自身を見つける事が出来るまで、彼女を待たせたまま放浪の旅に出る。砂漠から嵐の海まで世界各国を遍歴した後、老いて帰郷し、そこで死神の使者であるボタン職人と名乗る男と出会い、自分の人生の無意味さに気づかされてしまう。そして疲れ果てたペールはずっと待っていたソールヴェイのもとに辿り着く・・・・。

【公演情報】 『ペール・ギュント』
作/ヘンリック・イプセン
構成・演出/白井晃
翻訳・上演台本/谷賢一
音楽・演奏/スガダイロー
振付/小野寺修二

【出演】
内博貴
藤井美菜 加藤和樹 堀部圭亮 橋本淳 三上市朗
河内大和 小山萌子 桑原裕子 辰巳智秋 瑛蓮
宮菜穂子 皆本麻帆 荒木健太朗 青山郁代
益山寛司 高木健 チョウヨンホ 間瀬奈都美 大胡愛恵 薬丸翔 石森愛望
前田美波里

【演奏】
スガダイロー(Composer, Piano) 東保光(Bass) 服部マサツグ(Drums)
Tyme. /Tatsuya Yamada(dub mix, music effect)

【東京公演】
公演日程   2015年07月11日(土)~7月20日(月)
会場     神奈川芸術劇場 ホール
チケット料金 S席 9,500円  A席 7,500円 B席 4,500円(全席指定・税込)
U24チケット(24歳以下)4,750円/高校生以下割引(高校生以下)1,000円
シルバー割引(満65歳以上)9,000円
お問合せ   チケットかながわ 0570-015-415
※特設サイト  http://www.pg2015.jp

【兵庫公演】
公演日程  2015年7月25日(土)13:00/18:00、26日(日)13:00
会場    兵庫県立芸術文化センター 阪急中ホール  http://www.gcenter-hyogo.jp