21世紀のイギリス演劇界をリードし、ハリウッド映画界からもっとも熱い注目を浴びるジェズ・バターワースの代表作であり、オリヴィエ賞最優秀新作コメディー賞に輝いた伝説の舞台「MOJO(モジョ)」が、いよいよ6月23日に開幕する。上演に先立ち、前日の22日、東京・品川プリンスホテル クラブexにて、公開ゲネプロが行われ、キャストのTAKAHIRO、波岡一喜、木村了、尾上寛之、味方良介、横田龍儀と、演出・上演台本の青木豪が囲み取材に応じた。
舞台は、ロックンロール・カルチャー全盛の1950年後半のロンドンのアトランティック・クラブ。ある夏の日に起こった大事件をきっかけに、クラブで働く男たちの運命が大きく動いていく様を描く、いかれた男たちのスリリングな物語。
<囲み取材>
初の舞台挑戦で初主演を飾るTAKAHIROは「これまで稽古を重ねてきましたが、スリルと笑いのある、いいものがお届けできると思います。明日からの本番を必死に頑張ります!」と意気込んだ。
波岡は「男だけの6人舞台。どうなるかと思いきや、稽古を続けて仲いい6人になりました。その仲の良さから生まれる⼀体感というか、チームワークが出せれば」とコメント。木村が「この舞台はスピード感が凄いです。(観客が)追いつけるのか・・・。その新鮮さを忘れないように最後まで突っ走りたいです」と力を込めると、尾上は「豪さんから生っぽさが大事と演出を受けたので、遊びを交えながら6人で作り上げていきたい」と続けた。
味方は「1カ月の稽古期間で、多くの通し稽古もして、完成し切った作品になっていると思いますが、さらに全30公演でどこまで上がっていけるか楽しみです。観客のみなさんには、どこまでが計算でどこからが計算じゃないか、楽しんでいただきたいです」と。横田は「円形舞台なので、観劇される場所によっても、色々な見方ができると思います。今まで見たことのないような世界観に注目してください!」と自信をのぞかせる。
今の心境を一言で表すと?と問われると、TAKAHIROは「ドキドキです。観客のみなさんにどう伝わって、どういう反応をしてくださるか楽しみです」と笑顔。続けて、波岡も「ワクワク」と擬態語で表現すると、木村は「ゾクゾク」、尾上は「モゾモゾ」、味方は「(汗が)ダラダラ」、横田は「ガチガチ」、青木氏は「ピカピカ」とそれぞれ答えた。
舞台の見どころを、TAKAHIROが「一言で言うと、ムラムラです(笑)。(ステージと客席が)凄く近いですし、みなさんの目線がちょうど・・・僕たちのこの辺にくるので」と下半身を指差し、「30公演あるので、その日によってそれぞれの下半身のポテンシャルも変わってくると思うので、注目してください」とユーモアたっぷりに伝えると、共演者から、「おい、コラ!」と注意されながらも笑いを誘っていた。
初舞台のTAKAHIROについて、波岡が「初めての舞台とは思えない。物語の理解力と順応性や協調性、6人を引っ張っていくリーダー性に秀でているので、僕らはそれについていくだけ」と絶賛すると、TAKAHIROは波岡に「クレジットカード渡します!」と言って満面の笑み(笑)。木村も「初めてじゃないんじゃないかってくらい、ドシンと構えていて頼りがいがある座長。礼儀正しくて、それでいて親しみやすい。お芝居もセンスの塊、ステキです」と称え、「僕もクレジットカードを・・・」とお茶目に言うと、「いや、あとで家を」と、太っ腹な返事が。 そして、演出の青木が「言葉のセンスがいい。セリフの感性が秀でていて、客席で見ていてもカッコいいな~って思った。きっとお客さまも魅了されると思います」と褒めると「豪さんは、定期券渡します」と。共演者も「バスの・・・ね」と言って苦笑いしていた。
さらに、「EXILEのメンバーたちも観に来てくれると思います」と話し、「稽古の時も(橘)ケンチが一度見に来てくれて、好評価をくれました」と嬉しそうなTAKAHIRO。最後に「物語としても、見たことのない作品になっています。より深いものを感じていただければ嬉しいです。そして、この舞台で僕の新たな一面をお見せしようと思っています」と目を輝かせていた。
<公開ゲネプロ>
時代は、1950年後半。ロンドンのアトランティック・クラブでは、17歳のスター歌手・シルバージョニー(横田)の人気に火がつき、その権利を巡って地元のギャング、サム・ロスとクラブのオーナーとの間にキナ臭い空気が漂っていた。
クラブの下働きの連中は、酒と薬と、くだらない世間話で毎日を過ごしている。シルバージョニーを見つけてきたのは自分たちだと、何かしらのおこぼれを期待しているポッツ(尾上)と、スウィーツ(木村)。
そんな、ある夏の日、クラブの存続に関わる事件が発生する。オーナーの右腕・ミッキー(波岡)の言葉に、ポッツ、スウィーツ、スキニー(味方)は動揺を隠せない。
ベイビー(TAKAHIRO)は、オーナーの息子で、父親との確執があり、クラブの中ではいつも問題児。スキニーをいじめて楽しんでいるような歪んだ性格だが、仲間たちは見放さず付き合っている。そして、ベイビーだけは、ミッキーの話を聞いても、奇妙なほど冷静だった。
冒頭からポッツとスウィーツのハイスピードなセリフの応戦に、観ている方も置いていかれないように舞台に目を見張る。ポッツとスウィーツも強烈だが、さらにスキニーという濃いキャラクターが並ぶなか、TAKAHIROが交わって存在感を出している。とても初舞台とは思えない堂々とした演技。いったい何を考えているのか・・・危険な臭いを漂わせ、歌を歌いながらニヤリと笑う姿には余裕さえ感じるほど。凄みのある外見と反し、冷静に行動するミッキーの心の内は。彼らの一挙一動から目が離せない、まさに6人が一体となった舞台だ。
ダークなストーリーではあるが、思わず笑ってしまうシーンも。それでも物語は結末に進んでいく。不信と欺瞞が渦巻く中、運命の夜が訪れる―。衝撃的なラストはぜひご自分の目で確かめて。そして、ぜひ男たちのギラギラした舞台を楽しんで、ムラムラしてほしい・・・。
舞台「MOJO」
公演日程:2017年6月23日(金)~7月14日(金)
劇場:東京・品川プリンスホテル クラブeX
出演:TAKAHIRO 波岡一喜 木村了 尾上寛之 味方良介 横田龍儀
原作:ジェズ・バターワース
演出・上演台本:青木豪
翻訳:高田曜子
主催:ネルケプランニング
チケット:料金 9,500円(前売・当日共/全席指定席/税込)
公演に関するお問い合わせ:ネルケプランニング
TEL:03-3715-5624(平日11:00~18:00)
チケットに関するお問い合わせ:サンライズプロモーション東京
TEL:0570-00-3337(全日10:00~18:00)
公式ホームページ:http://www.nelke.co.jp/stage/mojo/