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森山未來 企画・出演の舞台『Judas, Christ with Soy 〜太宰治「駆け込み訴え」より〜』ジャパンプレミア

俳優であり、ダンサーとしても活躍する森山未來が企画・出演した『Judas, Christ with Soy(ユダ、キリスト ウィズ ソイ)~太宰治「駆込み訴え」より~』のジャパンプレミアが7月11日(土)、12日(日)、愛媛県内子町の由緒ある芝居小屋「内子座」で開催されました。

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森山未來は、2013年に1年間、文化庁文化交流使としてイスラエルに滞在しており、インバル・ピント&アヴシャロム・ポラックダンスカンパニーや、バットシェバ舞踊団でパフォーマンス経験を経て、現在テルアビブで活躍するイスラエル人アーティスト、エラ・ホチルドと出会い、二人で太宰治著の「駆け込み訴え」を土台としてパフォーマンス作品を制作した。2014年9月にイスラエルのテルアビブにてプレミアム公演を行い、今回の公演では、10年間「鼓童」に所属し、2013年に独立した胡弓、笛、太鼓奏者として国内外で活躍する吉井盛悟(よしい・しょうご)氏を新たに迎え、内子にて一ヶ月のレジデンス(滞在型創作)でリクリエーションを行った。

愛媛県内子の由緒ある芝居小屋【内子座】は、1916年に大正天皇の即位を祝い創建され、来年100周年を迎える。木造2階建ての瓦葺き入母屋作り、純和風様式の本格的な芝居小屋として、回り舞台や花道、桝席、楽屋などがある建造物で、現在では、町内外の芸術文化活動の拠点として活用されている。
かねてから、東京ではない場所でもパフォーマンスをしたいと考えていた森山は松山での公演という試みに共鳴し、本公演は実現した。

『Judas, Christ with Soy』は、裏切り者として知られるユダを主人公に、イエス・キリストに対してどのような感情をもっていたかを述べる太宰治の短編『駆込み訴え』をベースにしたパフォーマンス作品。森山は、「休むことなく内子座に引きこもってクリエーションを重ね、頼るべきは、3人のアーティストのセンスのみという、逃げ場のない環境下で黙々と試行錯誤を続けてきた」と、1ヶ月の間内子に滞在してクリエーションしてきた印象を語るとともに、「この血に深く根ざしながらもどこか軽やかな印象を与える劇場を母体に、地元の皆様からの協力をいただくことで、この作品には伝統を重んじながらも今を生きる内子の文化が強く吹き抜けている」と語る。

本作は、2日間で全3公演を開催。チケットは5月30日(土)から販売開始され、即完売した。

風情ある民家が並ぶ内子の町中にひょっこりと現れ、仰々しくなく佇む【内子座】。外からの音と内からの音が同化し、ろうそくと少しの明かりの中、公演は行われた。

2F席まである会場の枡席は埋め尽くされ、立ち見も出るほどの盛況ぶり。3公演で延べ1500人が訪れるという、内子座の公演としては異例の事態となった。
遠方から来た人や、地元の老若男女の人々が食い入るように舞台を見つめる中、森山とエラ・ホチルドは欲望、慢心、欺瞞にまみれるイエスの嫌らしさを訴えながら、同時にそれにどうしても抗えないユダの愛と憎しみがないまぜになった内面の戦いを、自らの頭の先からつま先の、身体全部で表現するダンスと少しの台詞で観客に伝える。そこに、吉井の音楽が見事にコラボレーションし、内子座の観客は異世界に誘われていく。

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―公演を終えた森山未來のコメント―
「とにかく1ヶ月、エラと盛悟の3人で走り抜けました。
大自然と暖かな人柄に囲まれて創作されたこの作品には、間違いなく内子の風が吹き抜けています。
豊かな時間を提供してくれた全ての方々に、そして内子座まで足を運んでいただいた観客の皆様に心から感謝します。
これからこの作品は日本国内外問わず様々な場所で公演し、さらに成長していく予定です。またどこかで皆さんにお会いできる日を楽しみにしています。」

本公演は内子でのジャパンプレミアを終え、10月には横浜で3年に一度開催されているDance Dance Dance@YOKOHAMA2015でも公演を予定している。

『Judas,Christ with Soy(ユダ、キリスト ウィズ ソイ)~太宰治「駆込み訴え」より~』
日程│7月11日(土)、12日(日)
会場│内子座 (愛媛県喜多郡内子町内子2102)
http://www.town.uchiko.ehime.jp/site/uchikoza/
企画│森山未來
演出・美術・振付│エラ・ホチルド
出演│森山未來、エラ・ホチルド、吉井盛悟