独創的な作風を得意とする小説家いしいしんじ氏の『麦ふみクーツェ』(新潮文庫刊、理論社刊)を原作に、関西を中心に活躍し、演劇と音楽やパフォーマンス、映像などを融合させた演出に定評のある作・演出家ウォーリー木下が、観客も巻き込んだユニークな音楽劇を作りあげた。
音楽監督を務めるのは、ギターと玩具を主軸に無数の楽器を操り、「無印良品」や「爽健美茶」やインドやフランスのCMへも楽曲提供をし、今、世界中から注目されている音楽家・トクマルシューゴ。
主演の“ねこ”を演じるのは、ドラマ、映画、舞台と多方面で活躍中の渡部豪太。そして、ねこが恋する女の子“みどり色”を演じるのは、 「メリリー・ウィー・ロール・アロング」 「キレイ」など数々のミュージカルに出演してきた皆本麻帆。他に、尾藤イサオ、 松尾貴史らが「ヘンテコ」な楽団メンバーに扮し、更にねこが小さい頃から見ている謎の人物クーツェ役には世界的タップダンサー・熊谷和徳が映像出演する。
「─観客はそれぞれ、一人が一個ずつ、何か音の発するものを持参すること」と チラシに書かれているという不思議な舞台の公開ゲネプロ&囲み取材が、初日開演前に行われた。
渡部豪太さん
この舞台は3ヶ月くらいかけて、お客さんが観ていることを想定して楽しみながらみんなで作ってきました。やっとみなさまの目に届くのが嬉しいです。
お客さんとみんなで大きな麦畑をつくっていきたいです。タップははじめて挑戦しました。今回映像出演の世界的タップダンサーの熊谷和徳さんと共演しているんですがダンスって心が踊るんだなと思いました。
つながる音楽劇!麦ふみクーツェ!へんてこなキャスト!へんてこなスタッフ!音の出るものを持ってきてぜひ楽しんでください。
皆本麻帆さん
お客さんと一緒につくっていく舞台なのでお客さんがいないと始まらない。新鮮な気持ちでお客さんと楽しみたいと思います。ソロの曲があるのですがお客さんも一緒に歌ってくれたら嬉しいです。今までになかった新体験!新感覚!な舞台です。たくさんの方にみていただきたいです。
松尾貴史さん
今回指揮をするのははじめてで、3ヶ月バークリーに通う気持ちで稽古してきました(笑)
からだの内側からわくわくしてくる、たくさんの要素がある舞台です。ものすごくアナログな部分と最先端なデジタルなものが目から耳から次々と入ってきます。自由で珍しい舞台になりました。もっともっと盛り上げていきたいです!
尾藤イサオさん
何年も長いことこの仕事をしているが、初日はドキドキする。この緊張感は普通の仕事では味わえないです。ティンパニーがんばります。
美術や舞台装置がとにかくすごい!見応えたっぷりです。全18回、一生懸命やらせていただきます。
ウォーリー木下さん
いよいよ本日幕が上がりますが、毎日今日のセッションはどうだったかな?と皆で振り返りながら、観客の皆さんと一緒に
創り上げていきたいですね。
舞台上のパフォーマンスは、見えないところも、とても繊細に絡み合っていて、見どころはいっぱいあります!
ロープやムチなど(笑)、普段持っていけないものを持ってきて欲しいですね。
皆で表現している演出をぜひ楽しみにしてください。
トクマルシューゴさん
普段は演者ですが今回は楽曲提供ということで、「やるぞ!」というよりは、みんなに「やってやれ!」「がんばれ!」という気持ちです。
(劇中で登場する日用品を用いた自作楽器について)楽器を作るのは大変で演者の方にも手伝ってもらって作りました。もっとその手作りの楽器の音が鳴っているところを皆さんに観て頂きたいですね。
僕も今日ピアニカ、リコーダーを持ってきて客席で鳴らしていましたが、お客さんには勇気を持たせてぜひ参加してもらいたいですね。
この舞台は、おもしろくて色々な要素が詰まっています。だけどすごく繊細。感動します。ぜひ観にきてください。
つながる音楽劇「麦ふみクーツェ」~everything is symphony!!~
●原作:いしいしんじ 『麦ふみクーツェ』 (新潮文庫刊、理論社刊)
●脚本・演出:ウォーリー木下
●音楽監督:トクマルシューゴ
●出演:渡部豪太、皆本麻帆、朴璐美、植本潤、木戸邑弥、小松利昌、田中利花、松尾貴史 、尾藤イサオ、
佐嶋宣美、ダンドイ舞莉花、有田杏子、牛尾茉由、岡田啓、小林うてな、斎藤彰子、田中馨、
永滝元太郎、兵頭祐香、松延耕資、三浦千明、山本直輝、ヨース毛、熊谷和徳(映像出演)
●チケット料金:S席8,500円 A席7,000円(全席指定・税込)
※未就学児のご入場はご遠慮ください。
<東京公演>
日程:2015年4月10日(金)~19日(日) <13回公演>
会場:世田谷パブリックシアター
<大阪公演>
日程:2015年4月23日(木)~26日(日) <5回公演>
会場:シアターBRAVA!