世田谷パブリックシアター企画制作の演劇公演『炎 アンサンディ』が、2014年9月28日(日)、シアタートラム(三軒茶屋)にて初日を迎えた。
『炎 アンサンディ』の作家ワジディ・ムワワドはレバノンに生まれ、レバノン内戦(1975年~)の最中フランスへと亡命し、のちにカナダ・ケベック州に移住。そんな作者ならではの視点により、戦争に翻弄される人々の激動の人生と、連綿と続く憎しみの連鎖を断ち切る “家族の絆”と“愛”が本作には描かれている。連日ニュースにて報道される中東情勢とも重なるような、はからずも時宜を得た作品ということも相まって、初日から大勢の観客が訪れた。戦争の惨禍に想像を馳せるとともに、明日への生きる糧となるような温かさをも受け取れる作品に、カーテンコールでは惜しみない拍手が送られた。
≪演出・上村聡史さん、麻実れいさん、岡本健一さんから初日を終えたコメントが到着!≫
◆上村 聡史
重い作品ですのでどのように受け止められるかが気になっていましたが、終演後、お客様がかみしめるような表情で帰っていくのを見て、本当に今、上演できてよかったと感じました。キャストも良いアンサンブルになっていますし、力強く、かつ感情にも訴えかける作品になったのではないかなと思います。充実した、満足のいく仕上がりですので、ぜひ、たくさんの方にご覧いただきたいです。
◆麻実 れい
作品が素晴らしいので演じる責任を感じていましたが、大変良い初日を迎えられてほっとしました。公演を通して、私たちもお客様に支えていただきながら、明日からも頑張りたいと思います。老若男女の皆様に観ていただきたいですし、特に若い方々にも、この作品を観て感じていただきたいです。
◆岡本 健一
初日は明けましたが、この作品はまだこれからも続いていきます。お客様が入ることによってどんどん深くなっていく作品だと思います。このような役を与えられたこと、このような作品に関われたことは本当にありがたいことだと感じています。誰もこの作品の登場人物たちのような人生を送らない世界になってほしい。観ていただいた方が、ささやかでも良いので愛を見つけてほしいと思っています。
《公演概要》『炎 アンサンディ』
[公演期間]2014年9月28日(日)~10月15日(水)
[会場]シアタートラム (世田谷区太子堂4-1-1/三軒茶屋駅より地下通路直結)
[作]ワジディ・ムワワド [翻訳]藤井慎太郎 [演出]上村聡史
[出演]麻実れい 栗田桃子 小柳友 中村彰男 那須佐代子 中嶋しゅう 岡本健一
[チケット料金]一般6,500円 高校生以下3,250円 ほか
[お問合せ]世田谷パブリックシアターチケットセンター 03-5432-1515
http://setagaya-pt.jp
【兵庫公演】 10月18日(土) / 兵庫県立芸術文化センター 阪急 中ホール