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世界を熱狂させた桜の森のNINAGAWA・マクベス 追悼公演として上演決定

本チラシ01

日本文化とシェイクスピアを結びつけ、その普遍性を鮮やかに示した、日本のシェイクスピア上演史に燦然と名を残すNINAGAWA・マクベス。
台詞と人物設定はそのままに、時代を日本の安土桃山時代に移し替え、血塗られた野望と運命の悲劇をあざやかにうつし出す。巨大な仏壇の中、現在・過去・未来が交錯する。
人間・人生の喜び、憂い、儚さ、狂気をよりドラマティックに描いた作品。

2015年秋17年振りに上演されるやいなや、世界各地からの上演オファーが相次いだ。誰よりもニナガワが、海外公演に行くことを心から楽しみにしていた。

蜷川幸雄の逝去に伴い、もともとオファーを頂いていた各国より、 「(亡くなったから公演を失くすのではなく)是非公演をして欲しい。追悼公演という形にしたい」という打診を制作サイドが受け、今年の5月に一周忌を過ぎるタイミングでもあることから、日本国内の公演と合わせ、追悼公演として上演することが決定した。

ニナガワの生前から決まっていたこの公演を務めるのは、蜷川のレガシーを受け継いだ市村正親、田中裕子そのほか蜷川組のキャストと 蜷川とともに時代を創ってきたスタッフたちが担う。

マクベス市村正親   撮影清田征剛

【出演者コメント】
市村正親
稽古では幾多のダメ出しを受けて、公演に入り、最後、台本にサインをお願いしたら、「頑張った。蜷川幸雄」と書いてくれました。これからも自分が演じる背景には、常に蜷川さんの魂が傍にいるような気がします。『NINAGAWA・マクベス』で海外公演に一緒に行けないのは無念だけど蜷川魂をこの胸に抱き、乗り込みたいと思っています。マクベスを本場ロンドンでというとプレッシャーは普通なら感じるでしょうが、僕には二-ナがついている。胸を張って乗り込みたいと思っています!

田中裕子
『NINAGAWA・マクベス』の稽古場で蜷川さんは「忘れないで。僕はいつもここに居るから。ここから見てるから」と、おっしゃいました。
あの稽古場でまた稽古を積み直し、市村さんのもと皆で、2017年の再演に向かいます。
楽しみにしていらしたイギリス公演にも、蜷川さんと一緒に挑みたいと思います。

2017年5月に稽古開始、6月の香港初日から秋まで公演を行う。

 

妹尾河童氏の障壁画  撮影渡部孝弘

桜の木の下のマクベス市村正親     撮影清田正剛  

左からマクベス市村正親/魔女 清家栄一・中村京蔵・神山大和  撮影 渡部孝弘

香港
Grand Theatre, Hong Kong Cultural Centre
(10 Salisbury Road, Tsim Sha Tsui, Kowloon, Hong Kong)
6月23日(金)~25日(日)
23日19:30  24日19:30  25日14:30

◆チケット前売日:2月23日(木)
◆問合せ先:
○公演について:(852)-2268-7325
○チケットについて:(852)-3761-6661
○電話予約(クレジットカード販売):(852)-2111 5999
○インターネット予約:www.urbtix.hk
◆ウェブサイト:www.lcsd.gov.hk/cp

日本
埼玉/彩の国さいたま芸術劇場 大ホール
◆公演日:7月13日(木)~ 29日(土)
◆チケット前売日:4月22日(土)
◆チケット料金:S席¥12,000- A席¥9,000-
◆問合せ先:ホリプロチケットセンター 03-3490-4949
◆ウェブサイト:http://hpot.jp/

佐賀/鳥栖市民文化会館 大ホール 8月5日(土)・6日(日)

イギリス
ロンドン/Barbican Theatre 10月5日(木)~8日(日)
プリマス/Theatre Royal Plymouth 10月13日(金)・14日(土)

シンガポール公演予定

≪キャスト≫
マクベス 市村正親
マクベス夫人 田中裕子
バンクォー 辻萬長    (「辻」のしんにょうは一点しんにょう)
マクダフ 大石継太
ダンカン王 瑳川哲朗

門番 石井愃一
魔女1 中村京蔵
老人/シーワード 青山達三
マルカム 堅山隼太 *
魔女2 清家栄一
ロス 間宮啓行
アンガス 手塚秀彰
医者 飯田邦博
貴族 塚本幸男
魔女3 神山大和
侍女 景山仁美
レノックス 堀文明
老女 羽子田洋子
老女 加藤弓美子
暗殺者 堀源起 *
マクダフ夫人 周本絵梨香 *
メンティース・王 手打隆盛 *
ドナルベーン/小シーワード 秋元龍太朗
フリーアンス 市川理矩
シートン 白川大 *
使者 續木淳平 *
ケースネス 鈴木真之介 *
使者 髙橋英希 *
使者 後田真欧
暗殺者2 五味良介
召使い 西村聡
召使い 岡本大地
マクダフ息子 牧純矢(Wキャスト)
マクダフ息子 山崎光(Wキャスト)
*さいたまネクスト・シアター

〇配役は稽古に入った段階で変わることもございます。ご了承ください。

マルカム役は昨年11月にオーディションにより選定し、さいたまネクスト・シアターの竪山隼太に決定。
そのオーディションを受けていた秋元龍太朗はドナルベーン役・小シーワード役に、市川理矩はフリーアンスに配役された。

STORY
巨大な仏壇が老婆によって開かれ、物語は始まる。
スコットランドの将軍マクベスとバンクォーは、反乱軍を制圧して主君ダンカン王の陣営に戻ろうとしていた。その道中、荒野で出会った三人の魔女から予言の言葉を聞く。
それは、「マクベスはコーダーの領主に、さらにはスコットランドの王になる」、そして「バンクォー自身は王にはならないが、その子孫が王になる」というものだった。
予言はすぐさま現実となり、マクベスはダンカン王によってコーダーの領主に任じられたことを知る。マクベスの胸の奥で、さらにその先──王位に対する野望が疼き出す。

魔女の予言と夫の出世を知ったマクベス夫人は、夫に王位を手に入れさせようと決意する。その矢先、ダンカン王がマクベスの城を訪れることになった。千載一遇のチャンスと夫人に背中を押されたマクベスは、ついに眠れる王を手にかける。
翌朝、王を起こすために城を訪れた家臣のマクダフは、変わり果てた王の姿を発見する。
マクベスは王の番兵に罪をなすりつけ、その場で斬り殺してしまう。王の二人の息子、マルカムとドナルベーンは危険を察知し、それぞれイングランドとアイルランドへと逃げのびる。バンクォーとマクダフは、王殺しの下手人について腑に落ちないものを感じていた。

魔女の予言通り王冠を手に入れたマクベスだが、「バンクォーの子孫に王位を奪われる」というもうひとつの予言が不安でたまらず、バンクォー父子に刺客を差し向ける。バンクォーは殺害されたが、息子のフリーアンスは取り逃がした。
その夜、王就任の祝宴でバンクォーの幻影を見たマクベスは、ひどく狼狽する。夫人は、夫に必要なのは「眠り」であると、その身を案じている。

ふたたび魔女のもとを訪れたマクベスは、新たな予言を耳にする。
いわく、「マクダフに気をつけろ」「女の腹から生まれたものにマクベスは倒せない」「バーナムの森が進撃してこないかぎりマクベスは滅びない」。
マクベスは早速、マクダフの城に刺客を送り込み、マクダフ夫人と息子を惨殺させる。しかしマクダフ本人はイングランドへ逃げ延び、ダンカン王の息子マルカムとともにマクベス討伐の準備をしていた。妻子の無惨な最期を知り、マクダフは慟哭する。

その頃、マクベス夫人は夜な夜な眠りながら城内を歩き回り、錯乱状態に陥っていた。マクベスは自らの末路を予感しながらも、引き返せない道を突き進んでいく。
復讐の炎と化したマクダフとマルカムの軍勢は、刻々と迫り来る。マクベスは、あり得ないはずの予言が次々と現実となっていく様を目の当りにして…。