女優の大空祐飛(40)が31日、舞台「La Vie-彼女が描く、絵の世界」の初日を迎えた。 今回の舞台は大空が企画プロデュースを兼ねており、「今までに観たことのない舞台創りを」と立ち上げ当初から取り組んできたもの。
「ミュージカルでもなく、コンサートでもなく、ストレートプレイでもない舞台」を目指して題材に選んだのは、1920~30年代、パリやアメリカで活躍したポーランド人の女性画家、タマラ・ド・レンピッカ。画家としての才能のみならず、その波乱に満ちた人生やスキャンダルでも名を馳せたレンピッカを、大空が演じる。
老婆になったレンピッカがインタビューに答える形で自らの人生を振り返りながら客席へ語りかける。そこは膨大なセリフの1人芝居だ。一転、回想シーンとして若かりし頃のレンピッカに変身して登場した大空は、歌やダンスで当時のレンピッカの状況や感情を表現していく。エンターテイメントのようで実は骨太のヒューマンドラマのようでもある。
公演を観た演劇関係者は「とても演出に凝った内容の濃い作品でした!クリエーターでパフォーマーの大空祐飛さんのこだわりと魅力が満載です!」と太鼓判。
兼ねてから大空は、元宝塚歌劇団宙組トップスターでありながら、宝塚出身の女優とは明らかに異彩を放つ存在感を醸し出してきた。その理由を、ある人気劇団社長はこう語る。「大空さんからは宝塚の華やかさというよりもむしろ、『ザ・役者』みたいな芝居魂を感じる。女優というよりは堅気な職人だね」。
舞台の実現にむけて全てのスタッフとの打ち合わせに参加してきたというだけあって今作への思い入れも強く、その分、歌・ダンス・芝居でみせるパフォーマンスは圧巻。終演後、3階席まで超満員の観客からスタンディングオベーションで称えられても、「気を抜く訳にはいかない」とすぐに兜の緒を締め直す。まさに大空らしい。
職人・大空祐飛のLa Vie(人生)にも是非注目だ。
「La Vie-彼女が描く、絵の世界」
8/3まで東京・銀河劇場で。
8/22~8/24、大阪・シアタードラマシティ。
http://www.theatre-de-yuhi.com/