韓国の大ヒットミュージカル『フランケンシュタイン』で鮮烈なデビューを飾ったチェ・ウヒョクが、3月5日、東京・渋谷区文化総合センター大和田 伝承ホールにて、自身初となる公演「チェ・ウヒョク コンサート」(韓流ぴあ主催)を開催した。
医師から怪物へと変貌するアンリ・ディプレ役を熱演し、初舞台とは思えないその存在感で“怪物”と称され、大きな注目を集めている。彗星のように現れたシンデレラボーイに韓国のみならず、日本ファンも釘付けに。今回、ミュージカル『フランケンシュタイン』の公演の合間を縫って、初来日を果たした。
やや緊張した面持ちで登場! 『フランケンシュタイン』から「君の夢の中で」を熱唱しコンサートがスタートすると、会場はいきなりミュージカルの世界に。 同ミュージカルから他3曲。さらに、『ラマンチャの男』より「The Impossible Dream」、『二都物語』より「I Can’t Recall」、『ミス・サイゴン』より「why got,why?」のミュージカルナンバーの他、パク・ヒョシンの「1991年 冷たい風が吹いた夜」、キム・ボムスの『会いたい』、Stevie Wonderの『Isn’t She Lovely』など全11曲を披露し、ファンを魅了。
トークコーナーでは、プロボクサーを目指していた青年チェ・ウヒョクが、たった1年でどうして『フランケンシュタイン』の舞台に立つことになったのか、ミュージカル俳優誕生までの道のりを語った。また、アニメ好きで画が得意の彼から、手書きで『ワンピース』のキャラクターを描いたスニーカーを、抽選でプレゼントする場面も。その完成度の高さにファンもビックリ。ウヒョクの歌に酔い、笑顔に癒される温かいコンサートの最後には握手会を開いて、ファンとの交流を深めていた。
公演を終えたばかりのウヒョクが、記者たちのインタビューに応じてくれた。
<ミュージカル「フランケンシュタイン」は毎瞬間が僕にとっての挑戦!>
― 人生初めてのコンサートを開催した感想はいかがですか?
すごく緊張しました。自分が出た最初の公演よりも緊張した気がします。
― あまり緊張が顔に出ないタイプですか?
演技しているんですよ(笑)
デビューしてから初めてのコンサートであり、一人で行う公演でもあったのでとても緊張しました。
― 来日してからお食事は何を召し上がりましたか?
カツ丼とラーメンを食べました。ラーメンはカップラーメンです。今夜はお寿司を食べに行きます!
― 「日本のコンビニに行きたい」とおっしゃっていたようですが、行かれましたか?
昨日行きました!パン、お弁当、おにぎり! 素晴らしい!
― 今回、何処かに出かけられましたか?
日本に到着してすぐに、ちょっとアレルギーが出たのか鼻が詰まってしまい、コンディションがあまり良くなかったんです。ホコリとか花粉症とかのアレルギーが少しあって・・・。ずっとホテルにこもっていました。
― ご自分を動物に例えると何?
犬、子犬です。自分に似ている犬が多いなと思って。母が僕のことを“コーギー”に似ているって言うんですよ(笑)。
― 日本のファンのみなさんは、スヒョクさんの笑顔が大好きです。バンビ(小鹿)ちゃんと言われていますが・・・。
あはは、ホント?(日本語で)(笑)
(バンビと聞いて)あ~、ファンの方が時々、バンビの写真をキャプチャーして送ってくれますね。
― 今日もたくさんのミュージカル曲を歌ってくださいましたが、数あるミュージカル曲の中で特に好きな曲はありますか?
好きな曲はたくさんありますが、その中でも今日歌ったミュージカル『二都物語』の「I Can’t Recall」が一番好きです。日本のファンのみなさんも、歌詞の内容がわかるともっと好きになってくださると思います。
― 現在上演中の「フランケンシュタイン」では、先日パク・ウンテさんの体調不良により、急きょ代役を務められましたが、どんな状況だったのですか?
今回は「フランケンシュタイン」の公演中に、短い時間で日本コンサートの準備もしなければならなかった。そんな状況でウンテさんの代役をすることになり、2倍のプレッシャーがありました。ウンテさんはいつも、コンディションにとても気を使っている方ですが、お子さんがインフルエンザにかかってしまい、それが感染ってしまったんです。前日の夜公演を終え、翌日10時くらいに起きて家族とランチをしているところに電話がかかってきました。「1時間後にスタンバイしてくれ」と。
『フランケンシュタイン』という作品は、公演初日から毎回瞬間、瞬間が、自分にとって挑戦です。たくさんの俳優が恐れを成すミュージカルではないでしょうか。
― そんな公演を立派に務め、もうすぐ千秋楽を迎えようとしています。ご自分の自信になりましたか?
そんなことはないです・・・。公演の前日は家から出ないようにして、部屋でコンディションを整えています。本当に難しい歌ばかりなので、そうして準備しておかないといけない。不摂生しているとすぐにバレてしまいますから。
― 初めて、アンリ/怪物として舞台に立った時と、終盤を迎えてきた現在では役どころに対して、ご自身の感情の変化はありますか?
最初に比べると、役に対する想いは深くなったと思います。始めのころは、次はこう動いて、こうやってと考えながら演じていたのですが、ある瞬間から気づいていたら自然に体が動いて演じていました。
<もしかしたら、日本でミュージカルの舞台に立っていたかも!?>
― ミュージカル『ミス・サイゴン』の「why got,why?」の日本語歌唱は素晴らしかったです。どうしてこの曲を選ばれたのですか?
『フランケンシュタイン』のオーディションを受けたあとに、演出家のワン・ヨンボムさんから「日本で『ミス・サイゴン』のオーディションがあるよ」と連絡を受けました。その電話がかかってきたのが夜8時で、翌日の午後2時がオーディション。楽譜が7枚で全部日本語です。7時間必死に練習しました。でも僕はパスポートを持っていなかったので、外務省に行って緊急旅券を発行してもらいました。それなのに・・・航空チケットが取れなかったんです。「は?」って。終わりです・・・(笑)
― 7時間練習した成果を今日お披露目することができましたね。
はい(笑)。そこで(オーディションを受けようとしたことで)初めて日本語の歌に挑戦するきっかけになりました。
― ミュージカル『ミス・サイゴン』に挑戦しようと思っていたのですね。韓国に限らず海外も進出していく気持ちがあるのですか?
はい。機会さえ与えられれば、全部挑戦してみようと思っています!
― 次に出演してみたい作品はありますか? 次回作は決まっていますか?
出演したい作品は、全部!(笑)。「(ミュージカルは)全部、好きです」(日本語で)
出演する機会さえあれば、それだけでラッキーだと思っています。もし、選択のチャンスがあるのであれば、もちろん自分自身に合う作品を選ぶと思いますが。今、いろいろお話はきていますが、まだ決まったものはありません。
― 最後に今日の公演の感想をお願いします。
MCの古家さんが公演で「歌の練習を始めてから本当に短い期間でデビューすることになったんですね」とお話された時、「本当にそうだな。こんな短い期間で自分を観るだけのために、こんなに多くの人が来てくださったんだ・・・」と感じました。ですから本当に自分のできる限りの事を披露しようと思い、この日のためにコンディションも整えてきたつもりだったのですが、空港についた途端にくしゃみが出てしまって・・・。やっぱり準備が足りなかったのかなと、少しだけ残念に思っています。
― 今度は秋に来てくださいね。
はい、フルフェイスのマスクを被ってこなくちゃね(笑)。
大きな目をクルクルとさせながら、時折、日本語を交えて屈託のない笑顔で一つ一つの質問に答えてくれた、チェ・ウヒョク。
彼の期待度は未知数。ミュージカル『ミス・サイゴン』のオーディションのエピソード話では、記者たちが思わず「もったいない・・・」と嘆いたほど。いよいよ、3月20日に『フランケンシュタイン』で千秋楽を飾る。今回の日本でのコンサートは彼の歴史に残り、大きな飛躍のきっかけになったことだろう。今後もキラッキラに輝くチェ・ウヒョクからますます目が離せそうにない。
韓流ぴあ主催、次回の「韓国ミュージカル俳優コンサート」は、チェ・ジェリムを迎えて開催。韓国版『ジーザス・クライスト・スーパースター』でユダとジーザスの二役を演じて絶賛された、チェ・ジェリムの実力を披露!お見逃しなく!
「チェ・ジェリム コンサート」
2016年4月3日(日)12:00開場/12:30開演
会場:TOKYO FMホール(千代田区麹町1-7 FM センター2F)
料金:一般指定 8,800円(税込)/学生券(中学生~大学生)3,000円(税込)
主催:韓流ぴあ
問い合せ:チケットぴあ 0570-02-9111(10:00~18:00)
チケットは、チケットぴあにて好評発売中!
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