ロイヤル・シェイクスピア・カンパニーの名誉アソシエート・ディレクターを務め、『レ・ミゼラブル』など名作の演出で日本でも根強いファンを持つ世界的演出家ジョン・ケアードが、今春贈る世界初演作『十二夜』。
シェイクスピア喜劇の中でも最高傑作と呼び声の高い『十二夜』を、宝塚歌劇団元男役トップスターの音月桂はじめ、小西遼生、中嶋朋子、橋本さとしという実力派俳優陣が演じる、ファン必見の作品だ。
稽古開始から1週間ほどの2015年2月6日(金)、都内で製作発表が行われ、演出家と4名の俳優陣が登壇した。
演出家のジョン・ケアードは「最も好きな国の一つで、最も好きなお芝居の一つである『十二夜』を演出できることにとても興奮しています」と挨拶し「この作品は深いテーマがある、素晴らしい芸術作品。シェイクスピアの喜劇は年代性別問わず楽しめるもの。この作品を読んでみて感じるのは、ベートーベンの音楽を聴いたり、モーツァルトのオペラを観たり、あるいはローマのシスティーナ礼拝堂で祈っているのと同じような深さであり、西洋芸術の中心的なものです」と『十二夜』の魅力を語った。
宝塚歌劇団退団後初となる男装も注目されている音月桂(セバスチャン、ヴァイオラの二役)は「一筋縄ではいかない。今まで私がやってきた演技とはぜんぜん違う。自分との戦いですが、やりながら身につけていきたいと思います。退団して2年以上経ち、女優の仕事をさせもらってきましたが、男を演じることがまた少しずつ蘇ってきています」と複雑な気持ちを話した。
今回、今作で一人二役の演出が始めてのジョン・ケアードは、音月桂の男役について「西洋の演劇界では観ることのできないもので、自然にやれるのは素晴らしい」と笑顔。
特撮ドラマの主人公からミュージカルまで幅広い活躍をみせる小西遼生(オーシーノ公爵役)は「キャラクター自身はいたって真面目で思いの重ならない追いかけっこをしているような、複雑に入り乱れているところが面白い。シェイクスピアは韻を踏んだ言葉の美しさを効かせるものが多く、やればやるほどその難しさと面白さを感じます。今はそれがどこまで自分の身に染み込んでくるか!という感じです」と話した。
実力派女優の中嶋朋子(オリヴィア役)は「喜劇というのは、生きている人生の中で喜劇然としてあるのではなく、喜劇性の面と悲劇性の面が同時に存在しているということを感じながらやっています。私は今まで喜劇の経験がほとんどないので、悲劇体質なのかな…」と笑い「真意がどこにあるのか丁々発止やりあっているところ。本当にお腹の中に抱えているものは何か、見えない面白さがあるので、それを発掘するのは難しいけれど楽しい。私の演じるオリビアは緻密さと繊細さと同時に手放しで飛び込む大胆さも必要ですごくエネルギーを使うけれど、やっていて幸せです」と充実した稽古であることが伝わってきた。
『ベガーズ・オペラ』、『レ・ミゼラブル』、『ジェーン・エア』と演出家ジョン・ケアードの作品に出演してきた橋本さとし(マルヴォーリオ役)は「ようやくシェイクスピアにたどり着きました。ずっとジョン・ケアードとシェイクスピアをやりたいと思っていましたから“ウホー!”と浮かれ気味で喜んでいたのですが、なめていました。彼が要求してくる緻密な演出とシェイクスピアに対する愛情がとても深くて、毎日それについて行くので必死です。それほどシェイクスピアの台詞というのは美しくて、深くて、とても意味のあるお芝居で、それをジョンと素敵なキャストと製作陣と『十二夜』を上演できるのはとても幸せだし、参加できることをとても光栄に思っています」と話した。
船の遭難で離れ離れになった双子の兄弟。絡み合った片思いの糸。
すれ違いがすれ違いを呼ぶ、ちょっぴり切ない恋愛喜劇『十二夜』は
2015年3月8日(日)、日生劇場にて初日を迎える。
公演名 : 『十二夜』
公演会場 :【日生劇場】
公演期間 :2015年3月8日(日)~30日(月)
チケット : S席:12,000円 A席: 7,000円 B席:4,000円 ベンチ席:12,000円(税込)
問い合わせ先 東宝テレザーブ 03(3201)7777
【全国公演スケジュール】
■大分 2015年4月7日(火) iichiko 総合文化センター iichiko グランシアタ
■大阪 2015年4月10日(金)~12日(日)梅田芸術劇場メインホール