蜷川幸雄が「最高のキャストが揃わないと実現できない」と上演の機会を模索してきた『皆既食』が、11月7日、Bunkamura シアターコクーンで初日を迎える。
舞台初出演の岡田将生が蜷川演劇へ挑むこの作品。 受けて立つのは、緩急自在な演技力で幅広い活躍をする生瀬勝久。
開幕を前に11月6日にプレスコールと囲み取材が行われた。
【プレスコール】
岡田が演じるのは、20代前半で詩作を放棄し、短い生涯を終えた“早熟の天才”アルチュール・ランボー。16歳の彼が出会ったのは、生瀬演じる、すでに詩人として名声を得ていた27歳のポール・ヴェルレーヌ。
プレスコールでは、2場面が公開された。 まずは、この2人が次第に互いを必要だと気付き、惹かれあっていく場面。
心情の変化を、鏡のように表情に移し、クルクルと表情を変える岡田将生。その岡田に魅入られるようにのめり込んでいく生瀬勝久。濃密な二人芝居に、引き込まれる。
そして、もう一場面は、詩人の集まりでくだらない詩人や文化人たちに腹をたてたランボーが大暴れするシーン。
【囲み取材】
登壇したのは岡田将生と生瀬勝久。まずはフォトセッションを行ったのだが、演技の余韻のせいか、固い表情の二人。
取材陣から「笑顔をお願いします」といわれて、やっと弾けた笑顔を見せた岡田。一方の生瀬はそれでも「精一杯です」と少し口元を緩める程度だった。
岡田は「失敗する覚悟で来ています」と固い決心での初舞台。そんな岡田について生瀬は「天才です!」と大絶賛。「初日から台本を見ていない。全部台詞が入ってるんですよ!30年前の僕みたい!」と爆笑させてくれた。
男性2人の濃密な芝居が展開する点について、生瀬の「最初は男同士には抵抗があったが、やっているうちに人間愛というか、有り得ると思えるようになった。抵抗はない」という感想に岡田も完全同意。
健康面が心配された演出の蜷川幸雄については生瀬が「心配したけれど、怒鳴られました。とてもパワフルです。芝居がある限り蜷川先生は一生大丈夫です」と太鼓判を押した。
公演情報: 『皆既食』
作:クリストファー・ハンプトン
翻訳:小田島恒志
演出:蜷川幸雄
出演
岡田将生、生瀬勝久、
中越典子、立石涼子、土井睦月子、外山誠二、冨岡弘、
清家栄一、妹尾正文、堀文明、下総源太朗、野口和彦、
加茂さくら、辻萬長 他
公演日程:2014/11/7(金)~11/29(土)
公演会場:Bunkamura シアターコクーン
チケット:S ¥10,000 、 A ¥8,000、 コクーンシート・¥5,500(税込)
お問い合わせ:Bunkamura 03-3477-3244<10:00~19:00>
http://www.bunkamura.co.jp/