2015年、Bunkamuraシアターコクーンに鋭い感性とリアルを追求した演出で、人間の本質を描いてきた演劇界の異端児、三浦大輔が初登場し、日本とブラジルが外交関係を樹立してから120年を迎える今年、ブラジルで近年最も評価の高い近代主義劇作家、ネルソン・ロドリゲスの戯曲『禁断の裸体』を上演する。
この挑戦的な作品に、圧倒的な演技力と存在感を放つ内野聖陽、女優として円熟を迎えている寺島しのぶ、舞台にも精力的に出演している池内博之、若手人気俳優の野村周平らが参戦。
2015年4月4日(土)初日を前にプレスコールと出演者による記者会見が行われた。
エルクラーノ(内野聖陽)がカセットテープを聞き始めた場面から物語は遡っていく。
妻の死を乗り越えられないエルクラーノを心配し、おばたちは弟のパトリーシオ(池内博之)に神父に相談をするよう勧める。
しかし、兄を憎むパトリーシオは、馴染みの娼婦ジェニー(寺島しのぶ)にエルクラーノと関係を持つように勧めたのだった。
憤慨したエルクラーノだったが、泥酔状態で3日間を共に過ごすうち、ジョニーは彼に心を奪われ、エルクラーノも次第に彼女に思いを寄せ始める。
だが息子セルジーニョ(野村周平)は反発。
エルクラーノ自身も、彼女が売春婦であること、妻の死後に交わしたセルジーニョとの約束など、さまざまな苦悩が自分を追い込んでいく。
弟の陰謀、対立する息子。男と女、セックスと愛、結婚と、生と死と…。
崩壊していく家族の結末は…。
プレスコール後、行われた記者会見には演出の三浦大輔、内野聖陽、寺島しのぶ、池内博之、野村周平が登壇した。
内野聖陽は現代演劇では過激な演出で有名な三浦大輔について「過激と思っていたが、例えば裸になることも人間を見つめることで必要なこと。えぐればえぐるほど避けられないこととわかった。役者が泣かされるという噂で戦々恐々と現場に入ったが、全然そんなことはなく紳士的で、逆に本音とたてまえが怖いなと思った」と話すと、他の出演者も同意する様子を見せた。
池内博之は「稽古場では“愛の殺陣師”として絡みなどすべてお任せしています(すかさず内野聖陽が“性の殺陣師”と突っ込み、一同爆笑)。僕は堕落した役柄なので、退廃的に見えるように、体重を増やしてみたり、いろいろと挑戦しています」と話した。
寺島しのぶは「この役をやったら、もう次はちょっとどうしようというくらいに挑戦しています。ジェニーという役を好きになっているし、これは誰にもできないだろ!という気持ちで日々やってきました。そのパッションを感じていただけたらいいなと思う」と自身の役についての強い思いを話した。
野村周平は「僕は毎日、裏で殴られてます。というのは嘘で、三浦大輔さんはこんなに若い僕の意見もしっかり聞いてくれて、すぐに反映させてくれて、噂は信じちゃいけないと思いました。この作品はやっている側も楽しいし、観る側も堅苦しく観るものじゃないと思いますので楽しんで観てほしい。頑張ります」と現場での良い環境を話した。
内野聖陽は「ネルソン・ロドリゲスのこの作品は“毒のある洒落た芝居”。そういう感じをスタッフ、役者たちと届けたい」と話し、三浦大輔も「海外戯曲、しかもブラジルの戯曲は日本人には縁遠く思うだろうが、地球の反対側でこのようなすばらしい戯曲が存在していることを知ってほしい。1970年代の作品だが、今のお客様がみても普遍的な人間の面白さが描かれています。エンターテインメントに仕上げたので、いろいろな人に観て欲しい」と舞台への思いを話した。
シアターコクーン・オンレパートリー2015/日ブラジル外交関係樹立120周年『禁断の裸体』は、東京では2015年4月4日(土)~25日(土)まで上演される。
シアターコクーン・オンレパートリー2015/日ブラジル外交関係樹立120周年 『禁断の裸体』
作 ネルソン・ロドリゲス
上演台本・演出 三浦大輔
出演 内野聖陽、寺島しのぶ、池内博之、野村周平
米村亮太朗、古澤裕介、柏原毅
宍戸美和公、池谷のぶえ、木野花
【東京公演】
公演期間 2015年4月4日(土)~25日(土)
会場 Bunkamuraシアターコクーン
チケット料金 S席 10,000円 B席 8,000円 コクーンシート 5,000円(全席指定・税込)
お問い合わせ Bunkamura 03-3477-3244(10:00~19:00)
【大阪公演】
公演期間 2015年4月29日(水・祝)~30日(木)
会場 シアターBRAVA!
チケット料金 S席 10,000円 A席 8,500円 (全席指定・税込)
お問い合わせ キョードーインフォメーション 06-7732-8888(10:00~18:00)
http://www.kyodo-osaka.co.jp/