ウィリアム・シェイクスピアの作品の中でも、最も有名な心理劇「マクベス」。この名作を大胆に翻案し、20人余りの登場人物をほとんど一人で演じきるという困難な芝居に、佐々木蔵之介が挑む。
2月12日に行われた制作発表には日本版の演出を担当するアンドリュー・ゴールドバークと佐々木蔵之介が登壇した。
アンドリューが「本作はブロードウェイミュージカル「Once」のアラン・カミングと立ち上げた企画。アランの希望が「マクベスを、そしてマクベス夫人をやりたい」ということで、当初は第一夜はマクベスを、第二夜はマクベス夫人をアランが演じた朗読劇です」と紹介。その後、アランと共に作品を磨き上げ、多くの演劇賞を受賞してきた。アランはミュージカル『キャバレー』で- トニー賞ミュージカル主演男優賞を受賞したことでも知られる名優だ。
アンドリューは「50回目に見る『マクベス』でも、初めて観る『マクベス』だとしても面白い作品です」と本作への強い自信をのぞかせた。
一方の佐々木蔵之介は、今回のアンドリューの来日で数日間のワークショップを行ったそう。「不安しかない(笑)。膨大な台詞量と精神力が…。でも『マクベス』の台詞はかっこいい!役者冥利につきます」とやりがいと心配がせめぎ合っている様子。「そんな辛い仕事を何故受けたのか?」と尋ねられると「覚えてない…」「受ける時に(本作の)映像を見ていたら「NO!」と言ってました。でもカンパニーが動きだしてから見たので」。
そんな佐々木蔵之介の様子を見たアンドリューは「アランも『俳優人生で一番大変だった』と言っていた。蔵之介に『グッドラック!』という伝言を預かったよ。20人分に俳優の仕事をするので20人分頑張って!」と佐々木蔵之介を励ました。
制作発表会見の後半は、ひな壇を下りた二人を囲んでの茶話会。
記者陣に「みなさんもお茶を飲んで下さいね」と呼びかけ、少しリラックスした表情を見せた佐々木蔵之介。「マクベスは魔女から予言めいたことを聞いて信じて王を殺し、自らも滅びていく。甘いことを言われ、それにのっかってやった。ただの悪者ではないところにひかれる」と語り、早くも役者魂に火をつけられているようだ。
公演情報 「マクベス」
7月12日~8月2日 パルコ劇場
8月8日(土)~9日(日)穂の国とよはし芸術劇場PLAY主ホール
8月12日(水)~17日(月)森ノ宮ピロティホール
8月22日(土)~23日(日)KAAT神奈川芸術劇場ホール
8月28日(金)~30日(日)北九州芸術劇場・中劇場