世界中の心を震わせる名作が、シアタークリエに登場した。スティーヴン・キングの小説「刑務所のリタ・ヘイワース」を原作とし、1994年に映画化され大ヒットした「ショーシャンクの空に」が舞台化され、佐々木蔵之介・國村隼・三浦涼介・板尾創路ら 男ばかりのキャスト18名で上演される。
初日を翌日にひかえた12月10日、囲み会見と公開舞台稽古が行われた。
【囲み会見】
囚人役の佐々木蔵之介・國村隼・三浦涼介の3人は囚人服で、刑務所長の板尾創路はスーツ姿で、鉄格子をくぐって記者団の前に登場した。
無実の罪で20年間牢獄につながれるアンディを演じる佐々木蔵之介は「人として扱われないことが多いんです。毎日『今日もまた殴られるか』『今日もレイプか』と思うと、心臓がちょっと弱いので苦しかったです。いまだに慣れないです」「ほんとにボコボコです」と辛そうな表情もちらり。
古参の囚人、調達屋レッドを演じる國村は「佐々木くんが体を張ってくれている分、私は語り部なので一生懸命台詞をしゃべらないといけない」
三浦涼介は「トニーを演じます。アンディに大事なことを伝えるパー…キー…」と口ごもってしまい、佐々木から「キーパーソン!」とフォローされて大爆笑!ひょうきんなキャラかと思いきや、稽古では「僕は根が暗すぎて、(演出の)白井さんに『もっと上を向け』『明るい顔をしろ』と散々言われました」と意外な素顔をのぞかせた。
板尾創路は「刑務所長役で、囚人を働かせてピンハネしているという…そういう役です」と自己紹介し、ここでも笑いがわき起こった。
見どころのひとつとなる佐々木の肉体が披露される(!)シーンについて「囚人なので所長の言われるままに」と佐々木。板尾から「筋肉がすごい!」「客席の角度によっては、たぶん見えると思いますよ。プレミアの席ができてくると思います」と大暴露があり、公開稽古に期待が高まった!
【ストーリー】
恐怖と暴力、そして絶望が支配する、ショーシャンク刑務所…そこへ、新しい囚人が連行されてきた。
銀行家として若くから成功を収めながらも、妻とその浮気相手であるゴルフ選手を殺した罪で、終身刑を言い渡されたアンディ・デュフレーン(佐々木蔵之介)だ。
誰とも口をきかず、奇異の目で見られていたアンディが初めて話しかけたのは、塀の外からあらゆる物を仕入れる”調達屋”のレッド(國村隼)だった。
「鉱物収集の趣味を復活させるためのロックハンマーを調達してほしい」
いぶかしがるレッドに、 「自分は無実だ」 と語るアンディ。
他の囚人とは明らかに異彩を放つ新入りに、レッドは何かを感じるのだった――。
永遠にも思えるような獄中での日々、アンディは、ボグス(谷田 歩)ら暴力で刑務所内を支配する囚人グループから凄絶な暴行を受けながらも、決して屈服することはなかった。
さらにアンディは、地獄のショーシャンクで少しでも人間らしく生きるため、途方もない時間をかけて静かに戦い続ける。が…冷酷な刑務所長スタマス(板尾創路)はその掴みかけた希望をことごとく打ち砕いていくのだった。
レッドはアンディの揺るぎない信念に触れ、閉ざされていた自分の心に変化が訪れるのを感じる。それは期待なのか?恐怖なのか?戸惑うレッドをよそに、アンディの行動は徐々に実を結び始める。それは、老年の囚人ブルックシー(小林勝也)、若い新入り囚人トミー(三浦涼介)らを巻き込み…やがてショーシャンクには希望の光が差し始めていく――。
しかし、このショーシャンクにおいて、希望は毒ともなる。
抱き続けた希望の果てにアンディがとった行動とは――
【公開舞台稽古】
客席に足を踏み入れた瞬間、監獄のセットに圧倒される。
開演直後のアンディが牢に入れられる場面が、囲み会見で話題になった佐々木蔵之介の肉体美の見せ場だった。板尾創路の発言のとおり、プレミアの席もありそうな感じだ!
だが、観客の心はすぐにアンディと共に過酷な牢獄へとつれていかれてしまう。1幕は複雑な人間関係を丁寧に表現していく俳優陣に釘づけとなる60分。2幕は牢に捕らえられた20年という長い時間の経過を感じつつ、次々に起こる事件に追いかけることに…。
牢の中であれ外であれ、起こりうるいくつもの理不尽に怒りながら、自分ならどうするのかを考えると同時に、心の片隅でアンディでないことへ感謝する。監獄の話でありながら、自分の身に引き寄せて考えてしまう、真剣で濃密な3時間となった。
公演情報 : 『ロンドン版 ショーシャンクの空に』
【東京】2014年12月11日(木)~29日(月) 日比谷シアタークリエ
【仙台】2015年1月7日(水)東京エレクトロンホール
【名古屋】2015年1月10日(土)11日(日) 名鉄ホール
【広島】2015年1月1月14日(水)アステールプラザ
【大阪】2015年1月16日(金)~18日(日)森ノ宮ピロティホール
【福岡】2015年1月20日(火)21日(水)キャナルシティ劇場
公式サイト:http://www.tohostage.com/shawshank/