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5年ぶりに再演 『シェルブールの雨傘』製作発表

1964年カンヌ国際映画祭グランプリなど数々の賞を受賞した仏ミュージカル映画の傑作『シェルブールの雨傘』。甘く切ないメロディを散りばめて運命に翻弄される恋人たちを描き、世代を超えて長く愛されてきた名作が、2009年に続き、今年もまた舞台に蘇る。

614日、晴天の中『シェルブールの雨傘』製作発表が都内で行われ、報道関係者とご招待オーディエンス約150名を前に、出演する井上芳雄、野々すみ花、大和田美帆と演出・振付の謝 珠栄が意気込みを存分に語った。

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まず演出・振り付けの謝 珠栄が「この作品がただ単に戦争を背景にしたというものではなくて、あの美しい音楽と、これっぽっちも戦争を感じさせないあの映画っていうのはどうしたのかなと思った時に、ドゥミ監督はやはり人間賛歌みたいなのを撮りたかったのではないのかなと思った」と語りだした。「確かにあの映画を観ると女の人の逞しさとか、現実的なところはすごく感じられる。そういう裏のところが今回で出せたらなと」と冒頭から核心に触れる話がでた。

2009年の初演でも主人公ギイを演じ、今回が2度目となる井上芳雄は「これは本当にオンリー・ワンのミュージカルだと思います。今はたくさんそういうミュージカルもあるんですけど、最初に映画から作られて、まったくセリフのない、音楽だけでずっと物語が運ばれています。しかもその音楽のジャンルが多岐にわたっていて、ミシェル・ルグランなのでシャンソンっぽいものもあれば、ジャズっぽいものもあって、しかも一筋縄ではいかない。奇跡的に物語と音楽が合致したっていう作品じゃないかと思います」と作品に惚れ込んでいる。また初演時と比べて「ギイがすごくロマンティックなのは自分の人生とはあまり似ていなと思っていたのですが、今はむしろ本当に普通というか、自分と同じなんじゃないかなと思います。男の人はみんなギイなんじゃないかなと思うので、どこにでもある話にスポットを当てたっていうか。それが演技にどう出るかわからないですけど、だからもう1回、全く新しい気持ちでやりたいなと思います」と発言。この5年の変化が演技にどのように反映されるのか、とても楽しみだ。

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今回の再演から参加する野々すみ花は、恋人ギイを待てなかったジュヌヴィエーヴを演じる。「“どうしてジュヌヴィエーヴはギイを待てなかったのか?”っていうのはすごく大きなポイントになると思うんです。その時代に生きていて、16歳といいますと思春期の真っただ中で、私にもちょうど16歳の妹がいるんですけれども、本当に情熱的であったり、『ちょっと太った?』と言っただけで湯気を噴くように怒ったり(笑)、すごく激しい。きっとそういう体で感じて生きているところがあると思うので、そこもちょっとヒントにしつつ、やっていけたらいいなと思っております」とのこと。そんな身近なところから、役作りは始まっているものなのですね。

 ギイの伯母の面倒を見ながら、ギイの帰りをひっそりと待つマドレーヌを演じる大和田美帆はマドレーヌの場合、本当にずっと彼のことを見ていて密かにずっと思っていて、自分の想いを押し殺していたと思うんです。そこを本心はどうなのか、人間みんな普段もそうだと思うのですが、本当の想いってどっかで隠して生きていかなきゃいけなかったり、社会に出ていると我慢したりするところがあると思う。表現という意味ではお客様が見るマドレーヌがどうかはお客様に任せるんですけど、私自身マドレーヌを演じる上で、本当はどういう気持ちなのか、それでも嘘ついて笑顔でいるのか、耐えているのか、っていう本心の部分を掘り下げて表現できたらなと思います」と述べて、本作への静かな闘志を感じさせてくれた。

 笑いを誘ったのは「人生の岐路はいつでしたか?」というオーディエンスからの質問についての井上芳雄の答え。ミュージカルがやりたくて音大の声楽学科に入学した学生の頃「演出家の小池修一郎先生がミュージカルの講義に来校されると聞いて、赤いパンツを穿いて一番前に座った。アピールをしようと思って(笑)。で、その結果授業が終わった時に『君はミュージカルをやりたいの?』と聞かれて『エリザベート』のオーディションの話をもらった。一番後ろに座っていたら、僕はここにはいなかったと思うんですよね(笑)。あと、パンツの色が違っていても」とユーモアいっぱいに秘話を披露してくれた。

写真提供:東宝演劇部

【公演情報】『シェルブールの雨傘』 
《東京公演》シアタークリエ 9月2日(火)~21日(日)
料金 :S席11,500円 A席9 ,000円 全席指定・消費税込)

チケット予約・問い合わせ先
東宝テレザーブ:03-3201-7777(9:30~17:30)
公式サイト : http://www.tohostage.com/cherburg/index.html
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《福岡公演》福岡市民会館 9月25日(木)
問い合せ先:ピクニックチケット050-3539-8330(平日11:00~17:00)

《大阪公演》サンケイホールブリーゼ 9月27日(土)~29日(月)
問い合せ先:ブリーゼチケットセンター 06-6341-8888

《名古屋公演》中日劇場 10月3日(金)~10月5日(日)
問い合せ先:中日劇場 052-263-7171