紙や布などのありふれた素材でつくられたシンプルな舞台。出演者は俳優と、俳優に瓜二つの生きているように見える人形たち。ダンス、マイム、マジック…あらゆる身体表現を駆使して、不思議な異世界を生み出し、世界を魅了してきたステージアート、 カンパニー・フィリップ・ジャンティ が、日本で14回目の来日を果たした。
【ゲネプロ】
演目はフィリップ・ジャンティが1993年、日本で初演した傑作を完全リニューアルした「忘れな草」。どこまでも広がる雪景色に、そりに乗った夢の配達人たちが死んでしまった“思い出”のかけらを集めている。そのかけらたちが、描きだしたのは一人の女性の生涯。
切ない表情を見せる女性(?!)の猿によって、あっという間に別世界へと引き込まれたら、次から次に現れる不思議なパフォーマンスに好奇心をふくらませつつ心をゆだねるのみ。
ドキドキ、???、びっくり!、それからそれから…どうなるの?! そしてちょっと心が痛くなって…、そんな気持ちで見続ける90分のノンストップショウ。
【トーク】
ゲネプロ終演後に、カンパニーマネージャーのクレール・コスタと俳優のアンヌ・マガー他が登壇し、世界唯一のステージアートの秘密を教えてくれた。
生きているようなパフォーマンスをして衝撃的な驚きを与えてくれた8体の人形は「俳優の顔のコピーをとって、マクレガーさんという方が一人で全部作りあげたもの」「俳優と人形とダブルにすることで観客に混乱を与え、考えてもらうために俳優と同じ顔に作ってある」のだそう。
1体の人形と、その人形の元となった俳優も登場して、作品上演では見ることができない人形の背中側を大公開。人形の体には大きな芯が通っているのだとか。人形が顔の傾きを変えるだけで表情が生まれ、違った表情になり、息づいて見えることに改めて驚かされた。
体験見学をしていた高校生から「題名の『忘れな草』の由来は?」との質問でると、俳優がすばやく劇中で女優の髪を飾っていた小さなブルーの忘れな草を取りに行き、それを示してくれた。
作者のフィリップ・シャンティによるタイトルの由来解説 :
様々な思い出を取り上げたこの作品のタイトルを探していた時、季節は春で庭にいた。新しい息吹をいっぱいに含んだ自然に囲まれていたが、なかなかタイトルを決めることができずにいた。ふと地面いっぱいに咲く「エゾムラサキ」を眺め、その英語名「FORET ME NOT(私を忘れないで)」について考えました。この3つの言葉の中に、明白さと不可解な何かが同居していて、一つの答えとして、私の心に響いたのです。
公演情報 カンパニー・フィリップ・ジャンティ「忘れな草」
【東京公演】
会場 パルコ劇場
公演期間 10月16日(木)~26日(日)
料金 6,800円(全席指定・税込)
U-25チケット=4,500円 (25歳以下対象・当日指定席券引換・要身分証明書・チケットぴあ、前売販売のみ取扱)
【東京凱旋公演】新国立劇場 中劇場 2014月11月19日(水)14:00
料金 6,800円(全席指定・税込)
U-25チケット=4,500円 (25歳以下対象・当日指定席券引換・要身分証明書・)
問い合わせ:パルコ 03-3477-5858
http://www.parco-play.com/
【各地公演】
名古屋:10月28日(火)ウインクあいち 大ホール
京都:11月1日(土)・2日(日)京都劇場
仙台:11月4日(火)イズミティ21 大ホール
盛岡:11月6日(木)盛岡劇場 メインホール
大阪:11月8日(土)森ノ宮ピロティホール
山口:11月11日(火)山口市民会館
広島:11月12日(水)アステールプラザ 大ホール
北九州:11月16日(日)北九州芸術劇場 大ホール
カンパニー設立40周年記念本(日本語版) PARCO出版から発売決定!
「忘れな草」各地公演会場でも発売!
「私の中の漂泊の風景-フィリップ・ジャンティ全記憶」 PARCO出版
フィリップ・ジャンティの表現がなぜオリジナリティに溢れているのか。
自由なこころ、無意識の表現を舞台に描き出す魔法のような世界。
その全歴史が豊富な写真とともに編まれた、演劇、アートファン必
読のクロニクル。洗練された日本オリジナル装丁も必見。
発売日: 2014年10月16日(木)
頁数: 304P 4C A4版変形
日本語訳:プジョー友子
価格:3,900円
日本版のみパルコ劇場×カンパニー・フイリィップ・ジャンティの歴史特集掲載