日本とカナダの才能が結集し、文豪・井上靖の恋愛小説『猟銃』を
カナダ人演出家 フランソワ・ジラールが完全舞台化!
初舞台にして、各演劇賞に輝いた あの傑作に再び中谷美紀が挑む!
『レッド・バイオリン』(1998年公開)でアカデミー賞を受賞する等、数々の受賞作品を持ち、世界から注目を集めるカナダの演出家フランソワ・ジラール。シルク・ドゥ・ソレイユ『ZED』も彼の演出作品。最近ではニューヨーク・メトロポリタンオペラでワーグナーの『パルシファル』を演出、演出家として名実ともに「実力派」としてその名を輝かせています。9月11日に日本で公開されるダスティン・ホフマン主演映画『ボーイ・ソプラノ ただひとつの歌声』では久しぶりにメガホンを握りました。
そのフランソワ・ジラールが、2011年日本の誇る文豪・井上靖の名作小説『猟銃』を、日本人女優・中谷美紀を起用し、完全舞台化しました。日本とカナダの才能が結集し、創り上げるという国際プロジェクトとして立ち上がった本企画は、カナダ・モントリオール、日本は東京をはじめ各地方にて上演し、その舞台の美しさと中谷美紀の熱演により、好評を博しました。
初舞台にも関わらず、中谷美紀は、カナダ現地メディアにて絶賛の劇評が掲載され、また日本では第19回読売演劇大賞
優秀女優賞、第46回紀伊國屋演劇賞個人賞を受賞。カナダ、日本で大成功を収めました。その本公演を再び、2016年4月に東京・パルコ劇場にて上演することが決定致しました!
『猟銃』は、原作は井上靖の同名の恋愛小説で、ひとりの男の13年間にわたる不倫の恋を、妻、愛人、愛人の娘の三通の手紙によって浮き彫りにしたラブストーリーです。中谷美紀は、映画『シルク』撮影中、演出のフランソワ・ジラールから出演を依頼され、初舞台で、この三人の女性を演ずることになりました。この三人の女性を一人の女優が演ずることによって、男に対する立場の違う三人の女性の中に秘められた“男”への想いの共通項を浮かび上がらせました。
そして、三人の女性から手紙を送られた男を、演出家が絶大なる信頼をおくフィジカル・アクターのロドリーグ・プロトーが、初演時に引き続き、シルク・ドゥ・ソレイユ『LOVE』サージェントペパー役等で知られる抜群の身体能力で象徴的に演じます。
クリエイティブスタッフにはシルク・ドゥ・ソレイユ『ZED』のクリエイターたちが、再びここ日本に集結します。
ある男の13年間にわたる不倫の恋を通して、その男の妻であるみどり、愛人の彩子、そして愛人の娘、 薔子。一人はその不条理を怒りにぶつけ、一人は自らも嘲りながら哀しみとともに力強く、そしてもう一人は井戸の底のように静かに・・・・。
万華鏡のように変幻する3人の女たちの心を、その凛とした姿と力強い目線、そして力強い存在感で女性層から圧倒的な支持を得ている中谷美紀が演じることによって、「女性」の中にある愛と憎を浮き彫りにしていきます。
初舞台の本作出演後、2013年三谷幸喜演出舞台『ロスト・イン・ヨンカーズ』、2015年マックス・ウェブスター演出舞台『メアリー・ステュアート』という作品に出演し、舞台経験もさらに積んだ中谷美紀。5年の歳月を経て、全てにおいて磨き抜かれた『猟銃』にどうぞご期待ください。
【中谷美紀コメント】
2011年の時は、初舞台でしたので、その時できる限りの力で精一杯演じさせて頂いたつもりだったのですが、2013年に出演した『ロスト・ イン・ヨンカーズ』、そして、2015年『メアリー・ステュアート』を経て様々な役者さん方とご一緒させていただき、多くのことを学ばせていただいた今から振り返ると、2011年の『猟銃』は、まだまだ拙かったなと反省することも沢山あり、今度こそよりよき『猟銃』をご覧に入れたいと思い、再演に至りました。
演出のフランソワさんは、男性性と女性性を共に持ち合わせた、情熱豊かな方です。 初舞台で右も左もわからなかった私を導いてくださった、まさに父のようでもあり、また母のようでもある…そんな温かさを持っていらっしゃいます。 フランソワさんがいらっしゃらなかったら、今頃、私は舞台には立つこともなかったと思います。私の新たな世界の扉を開いてくださった、大切な方です。
前回は、まず人前で演じるということに対し必死で、また台詞を覚えることにも必死で、毎日が緊張の連続でしたし、自分の体力と精神力の戦いで、ゆとりが全くありませんでした。 今回再び臨ませて頂くからには、一人一人のキャラクターと言葉にもっと大切に向き合いたいと思っています。すべての言葉に対し、真剣に向きあい、咀嚼して、丁寧にお客様にお伝えしたいと思っています。
【演出/フランソワ・ジラールコメント】
2011年の「猟銃」は美紀さんの初舞台でした。初めて舞台に立つ美紀さんとご一緒するというのは、得難い経験でした。
その初演は本当に素晴らしいものでしたが、それからさらに舞台での経験を重ね、どのようなスキルを身につけられたのかということに、とても興味があります。
この作品では、女優にとっては信じ難いほどに難しい、同じひとつの作品で三人を演じるということをしなければなりません。一人から別の一人へと変身しなければならないのです。それは美紀さんにとっても、私にとっても挑戦でした。その変身を可能にする仕事はとても楽しかったですね。
私は映画も監督しますが、映画は一度作ってしまったら、もう一度戻るということはありません。でも、演劇の好きなところは、いつでももう一度立ち返って、改善したり、変えたり、新しい視点を持ち込むチャンスがあるとことです。ですから、再演はいつでも楽しいですね。もちろん、また美紀さんと仕事をするのも。前回の初演をご覧になってない方は、今回が中谷美紀さんのマジックをご覧になるチャンスです。
<公演概要>
「猟銃」
◆スタッフ
原作/井上靖 翻案/セルジュ・ラモット 日本語台本監修/鴨下信一
演出/フランソワ・ジラール 美術/フランソワ・セガン 衣裳/ルネ・アプリル
照明/デイヴィッド・フィン 音響/アレクサンダー・マクスウィーン
企画製作/株式会社パルコ USINEC
◆キャスト
中谷美紀 ロドリーグ・プロトー
◆公演日程
2016年4月上旬初日 パルコ劇場
地方公演:2016年5月(予定)
■問い合わせ先:パルコ劇場 03-3477-5858 http://www.parco-play.com